惣菜・中食街角通信

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コロナによる生活の分岐点  
2020年5月24日

「コロナ、小売業に明暗」

新型コロナウイルスの感染拡大が3カ月続き、

消費のあり方は状況が一変し、小売業に明暗が出ている。

日本チェーンストア協会の統計によると、

スーパー既存店売上高は2020年1月まで15カ月連続のマイナスだったが、

2月は前年同月比5.5%増、3月は7.4%増、4月は2桁増になる等、

スーパーではコロナバブルが起きている。


関東経済産業局の発表によると3月の大型小売店の販売動向は

・百貨店は前年同月比31.4%の大幅減少

 衣料品や訪日外国人消費が減ったことが大きく影響し、

・コンビニは前年同月比4.7%の減少、4月は10.6%減、

 オフィス街での需要が縮小、東京圏内で900万人の需要が消えた。

・家電量販店は前年同月比9.0%の減少、

 日常生活に必要性が薄い商品は敬遠された。


一方外出自粛の影響で内食傾向が高まり、自宅で作る食事需要が急増、

又、飲料やおやつ、除菌剤やマスク、ペーパーなど日用品が増えたことで

・ドラッグは前年同月比7.5%増、ホームセンターは2.2%増と

スーパーを含めて3業態が売上を伸ばしたが、

目先の需要だけを見ていると、コロナ後は顧客離れを起こしかねない。


「ドラッグはコロナの追い風で更に伸びる」

日本チェーンドッグストア協会によると

2019年度の総売上高は前年比5.7%増の7兆6859億円、

成長の牽引役は菓子や酒類、冷凍食品等の「フーズ」であり、

フーズの伸び率は8%増で医薬品の5%増より高い。

ドラッグの利益の大半は粗利率は4割の医薬品と3割の化粧品で

その利益をフーズに回し、低価格でフーズの売上を伸ばしている。


又、コロナ感染を受けてマスクや消毒液の需要が伸び、

新たな客層を呼び込んでいるが、

都市型店舗はインバウンドの減少が影響し、既存店割れの店も出ている。


「コロナで米ウォルマートが攻勢」

世界最多のコロナ感染者を出している米国で

外出制限で宅配需要が高まる中、

ウォルマートが宅配サービスを拡充して売上を伸ばしている。

20年2~4月期決算はEC売上高は前年同期比74%増、

全体純利益は前年同期比4%と最大手のアマゾンを猛追している。


ネット注文を受け手から2時間で届けるサービスと

宅配と店頭で商品を受け取るサービスを合わせて、

3月中旬から新規顧客は4倍に増加している。(日経)


「コロナで広がる新たな商売」

・飲食店のテイクアウト

 近所のレストランやお寿司屋さん、フレンチレストランなど

 これまで実施していなかった店でもテイクアウトが広がっている。

 子供連れでは行きにくかった中華ダイニングバーなど

 始めてテイクアウトが始まったことで新たな需要が出ている。


・業務用の青果卸しが個人向けの販売に乗り出し、

 外食店に納めていた鮮度の良い野菜を宅配したり、

 飲食店の料理と抱き合わせで販売したり、個人への販路を拡大している。

 野菜の価格は小売店よりやや割高だが「3密」を避けて

 野菜を購入できる利便性から注文は伸びてる。


・メガネスーパーが買い物代行

 顧客がコールセンターに電話し、買ってきて欲しい食品や日用品を依頼すると、

 同社の販売員が店に出向いて1時間2500円で届ける。

 商品のブランドや利用するスーパーまで指定でき、

 同社では社内に蓄積していた出張販売のノウハウを活用して始めた。


コロナ感染で外出自粛が始まって3カ月、

人々の生活はITを活用して「3密」を防ぐ生活様式へ変化しており、

コロナが収束してもこの生活は元には戻らない。

これはコロナを分岐点として新たな仕事のやり方、学習の仕方として

日本の新たな生活に変わっていくことになる。



<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<冷菜おつまみセット>



*惣菜・中食街角通信は毎週日曜日に更新しています。

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食品小売業の社会的責任 
2020年5月17日

「コロナ後、自粛消費続く」

日経によると、39県の緊急事態の解除を受けたが、

20年4~6月の成長率見通しは平均で前期比20.2%減少、

7~9月の見通しは9.0%でGDPは前年同期を6.4%下回る。

消費水準は感染拡大の影響が出た2~3月と同程度で持ち直しは限られるという。


東京商工リサーチ調べでは4月の倒産件数は743件で

リーマン危機時の倒産件数より少ないが、

前年同期比15%増と2桁の5カ月連続はリーマン時を上回っている。

15日にはアパレル大手のレナウンが民事再生を申し立て、

百貨店の三越伊勢丹は150億円の赤字に陥った。


もっと深刻なのは米国小売業で日経によると、

5月に衣料品のJクルー、百貨店のニーマン・マーカス、JCペニーは経営破綻した。

米国サンフランシスコ・ベイエリアで始まった「接触」を減らすショッピングの中で

今まで環境に配慮してエコ袋を推奨し、

レジ袋は有料だったが、今度はレジ袋は無料に変わった。

合わせて「電子決済サービス」や

ネット注文で店舗で商品を受け取るサービスが広がっている。


このような非常事態の中でヤオコーの川野会長は日経誌面で

「今はお客様の信頼を得ることが出来る絶好のチャンスです。

消費者は生活防衛のため、価格にはさらに敏感になり、

ネット通販が伸びることで業界の垣根を超えた競争が激化する。

長い目でちゃんとした理念と志で経営する企業でないと続かない。」


「非接触ニーズを取り込む」

伊藤忠食品はギフト事業のホームページで

「非対面型デジタルギフト」のページを立ち上げ、

デジタルギフトを受け取った人は商品交換サイトにアクセスして、

ギフトコードを入力すると複数商品から欲しい商品が選べ、メール便で用品が届く。


全漁連は通販サイト「JFおさかなマルシェギョギョいち」を開設

サイトでは全国各地の自慢の魚が並び、

消費者は気に入る商品を選んで購入すると産地から商品が届く。

又、フィッシャーマン・ジャパンの通販サイトでは

料理レッスン付きの鮮魚通販を始めた。


食品卸大手の国分は有名な占師とコラボして

誕生星座ごとの毎日お奨めメニューを配信し、食品の販売促進サービスを始める。

国分の調べでは入店当日の63%がその日のメニューを決めていない事と

献立を決めている人はネットや占いを参考にしている人が1割近くいるという。


「企業の再編と社会的責任」

セブン&アイは6月1日で傘下のヨークマートを「ヨーク」と社名変更し、

イトーヨーカ堂の「食品館」、ザ・プライス、コンフォートマーケットを吸収し、

首都圏の約100店舗をまとめてスタートする。

同社では首都圏スーパーは213店と店舗数は横這いで、

首都圏のニーズを満たすフォーマットが見いだせず、

差別化の商品開発体制が遅れたととして、サプライチェーンの構築を図る。

又、同HDにはヨークベニマルやザ・ガーデンなどの企業が残る。


北海道コンビニ大手のセコマは

北部の紋別市に地域のスーパーが撤退に当たって市が土地を無償で提供し、

費用の一部を補助するなどして出店した店舗で

当初から収支トントンにするためには地元の協力が不可欠だった。

同店はコンビニの存在以上に都市間バスの待合所を兼ね、

町内会の寄り合いにも使われており、地域にはなくてはならない役割りを担っている。


前述の川野会長のお話しにあるように

店舗は長期の視点で地域の食生活を担う理念と志の経営が必要、

その中で赤字にならない工夫は地域と共に考えれば成立する。


<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
 
<和牛肉弁当>

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「新型コロナで変わる消費者行動と店舗」 
                   2020年5月10日              

日本スーパーマーケット協会発表の3月既存店売上は

前年同月比7.4%増の異常な伸びを示し、

中でも畜肉10.8%、日配9.6%、青果6.3%、水産5.0%増、

惣菜は昨年比99%と10数年前の食生活時代に戻ったようだ


この消費生活について、

日経が四半期ごとに実施している日経消費DIは

4月が1995年の調査開始以来、マイナス61と最大の落ち込みで

特に低いのが「旅行・運輸」のサービス業でマイナス100と回答。

又、3か月後の見通しも77ポイント悪化でマイナス90。

これまで消費を牽引して来た「コト消費」は急失速した。


「コロナ感染、非常事態中の変化」

コロナ感染防止の密閉・密集・密室の「3密」回避の為にスーパーでは、

・各店舗の混雑状況を確認出来るようにチラシやHPで案内

・レジ待ち位置を示すテープ誘導

これらを店頭のポスターや電子看板で提示、周知を図っている。


調査会社インテージによると、

コロナで売れ行きが最も伸びた(前年比)商品を4月で見ると

・エッセンス類251.9%、プレミックス245.5%

 小麦粉210.8%、ホイップクリーム205.6%

 シロップ類176.3%、スパゲテイ173%、パスタソース166.4%

これらの商品は子供中心に家庭で作るメニューで店頭品切れ商品。


営業を続けるスーパーやコンビニでは人手不足が深刻で

限られた人数でいかに人員を売場に配置するか問われる中で、

セブンイレブンが始めたAI活用の作業割当シフト表。

レジに何分、検品に何分、商品補充に何分と作業を全て洗い出し、

いつの時間帯に何人時が必要かを定量的に割り出し、

店舗のシフトや作業割当を自動的に出来るようにした。

シフトに穴が開く時は今やる作業とずらしても良い作業で変更する。


小売店向けに自動発注システムを提供するシノプスは

人手不足で営業継続が難しくなっている企業に

自動発注システムを無償提供を始めた。

このシステム「シノプスBCP」は従来対応して来なかった

青果、鮮魚、精肉などの生鮮食品に人手をかけずに発注できる

先ず東急ストアが導入し、5月末まで実施する。


「コロナ後に起きる買い物変化に対応」

イオンがコロナ事態を機会に省力化、ネットサービスを実験している。

・イオンスタイル幕張店のレジゴー

 入口ではレジゴー用の貸し出しスマホで商品をカゴに入れる度にスキャンし、

 会計はレジゴー専用のレジでQRコードを読み取り精算する。

・イオン羽生店のストアピックアップ

 ネットで注文した商品をスーパーの店員が商品をピックアップして、

 お客様が駐車している駐車場まで運んでお渡しする。

 米ウォルマートが先行して実施している社会的距離を保つサービスで好評だ。

・ダイナミックプライシング

 店頭在庫と連動して商品の価格を自動的に変更する機能は

 電子値札と在庫が連携して在庫状況に合わせて売価を変更する。

 NTTデータなどが中心となってスーパーを支援する。


「24時間買い物代行」

物流ベンチャーのシービークラウドは7都道府県で

店舗名と買いたい商品を専用アプリで指定すれば、ドライバーが店に行き、

商品をピックアップして購入して宅配する。

24時間いつでも注文が出来、家具などの大型商品にも対応、

「置き配」も選べて1度の注文で最大3店舗まで買い物先を指定できる。


通常便の他、2時間以内に届ける「お急ぎ便」も選べ、

新型コロナで接触を嫌う消費者ニーズと

高齢化が進む日本では新たなサービスが現実になって来た。 



<スーパーの惣菜・米飯・寿司>



*惣菜・中食街角通信は毎週日曜日に更新しています。

「緊急事態宣言から解除、そしてその後の関心」
                            2020年4月26日


緊急事態宣言で小売り・サービスに休業や時短が広がった1週間、

百貨店やSCなどは食品売場だけの営業だけでは来店動機につながらない。

中でも百貨店は今まで人口減少に伴って地方百貨店を閉店し、

主軸を首都圏に集約して来ただけに一時休業は大きな打撃になっている。

相反し、食品スーパーは消費者の生命線としてフル稼働の状態、

しかし、いつか終息するコロナ感染、

後の消費者ニーズが変わることに対策が必要だ。


スーパーの集客チラシも特売も自粛になる中で

販促無しで集客出来ている状態も異常であり、

2月からの売れ筋商品の店頭価格は上昇して来ている。

定価販売で値引きもなく売れる状態は、

消費者の家計負担が増えることに繋がりこの状態はいつまでも続かない。


コロナ感染から世界的に広がったソーシャルディスタンス(社会的距離)は

混雑するスーパーのレジ待ち距離やレジのカーテン仕切り、

ネット通販の拡大と玄関前に商品を届ける置き配など

人手不足環境で芽生えて来た販売手法やサービスが一気に拡大している。

米国ウォルマートが先行しているネットで購入し、

商品を店舗で受け取る「ストアピックアップ」は

社会的距離を保つ方法として日本でも今後広がって来る事が予想される。


新型コロナで始まりコロナで終わるこの1週間、

小売店・飲食サービス店が不安を感じているのは

感染者数、感染経路不明者数、感染による死亡者数など毎日発表されているが、

それらの数値がどこまで下がったら緊急解除なのかが見えない事だ。

隣国の韓国や台湾を参考にその目標を出して欲しい。

それによって店舗も国民も自粛を徹底して辛抱できるはずだ。


「消費ニーズに先行する商品開発」

年間22億7000万個を販売するセブンイレブンのおにぎり、

毎年刷新を重ねて売上を伸ばし続けているが、

今年2月には包装の密閉性を高めることで海苔の食感をパリッとさせた。

包装フィルムは2カ所を熱で密着することで密閉性を高める事だが、

逆に開けにくかったり、フィルムが切れてしまう事になる。

この点を改善しておにぎりを一段と美味しくした。


食物アレルギーの悩みに寄り添った商品を拡充

日本ハムと永谷園、ハウス食品、オタフクソース4社は

共同で食物アレルギーに配慮したレシピ本を配布し、

指定特定原料7品目を使用しない商品とメニューを展開している。

最近はコロナの影響で家庭で作る料理頻度が上がり、

食物アレルギーに気を使う主婦の負担軽減も狙っている。


緊急事態宣言が出された中で、日常食生活と少し離れた食品に関心が出ている。

都内で酪農家のこだわりに触れる機会として

北海道養老牛牧場牛乳900ml、¥1400を販売する「山本牛乳店」

牛乳へのこだわりは人一倍強く、北海道の年間を通して放牧で育てた牛乳を販売。

新潟県の加勢牧場が新宿に直営店を開いた「ガンジー種」という

希少な牛の牛乳とソフトクリームを販売し人気を博している。(日経MJ)

外出自粛でレジャーの機会が少なくなる中、食の楽しみを求めている。


イトーヨーカドーは一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会が

認証する「MEL認証」を取得し、自社ブランドの「顔が見えるお魚」で

、かんぱち、マダイ、ヒラメなど4種の商品に

「MELマーク」を付けて販売を開始した。

MEL認証は環境に配慮した漁獲、養殖した水産物に関する日本の認証制度。

国内のスーパーではイオンが「MSC」など国際認証を取得して先行している。


今年のGWはスティ週間とした外出自粛が言われ、

家庭におけるレジャーと食の楽しみを提案するのもスーパーの役割り、

日々の業務で余裕は少ないと思われるが、

お客様に食の楽しみを提案するGWにお願いしたい。



<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

   パーティ寿司




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