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人手不足・人件費増の経営。2018年10月22日

2018-10-22

2019年度新卒採用状況調査の中で、

企業全体での内定者数は1万8843人と18年より4.2%増えた。

働き手不足傾向が続き、採用計画に対する内定者数を示す「充足率」は90.8%であり、

小売業の中では出店意欲の強いドラッグストアが18年度比で17.6%増と伸びが目立ち、

スーパーは18年度比6.8%減で充足率は87.4%、百貨店は3.6%減だったが

充足率は107.4%とプラスだった。

 

 

人手不足がパート・アルバイトの時給増につながり、

一番業績に影響しているのは外食で3~8月期の連結決算は大手8社で売上は

伸びたが減益又は赤字決算だった。

アルバイト求人情報サービス「An」上の9月外食産業平均時給は1008円と前年より3%上昇し、

調査を始めて最も高い水準になった。

働き手確保に厳しい外食の新卒内定充足率は80.5%と低く、

内定数は18年より4.4%減だった為、今後もこの傾向は続きそうだ。

 

 

この人手不足環境に対し、

パートやアルバイト従業員が65歳を過ぎても働ける制度を採用し、

意欲と能力があると判断された場合は80歳を過ぎても働けるようにする企業も出ている。(ホームセンターのカインズ)

その他、スーパーではライフCOは再雇用を70歳から75歳まで引き上げ、

サミットは定年を60歳から65歳に、再雇用を70歳から75歳まで引き上げ、

いなげやは定年を60歳から65歳に、再雇用後は68歳まで可能、

ヤオコーは定年を60歳から70歳に、希望すれば75歳まで可能。

 

 

新卒採用が積極的なドラッグストアの中で、

躍進が著しいコスモス薬品は19年の新卒採用数は500人とほぼ充足し、

横山社長によると人件費はむしろ積極的に上げ、時給ベースで他社より30~50円程度高く設定、

従業員の士気を上げ、接客の質を上げる先行投資と言う。

同社の売上高販管費は15%台と低く、ELDP戦略で日々の納品数や客数、

従業員の作業を徹底的に平準化している点は大きい。

出店においても同じ地域に集中出店するドミナント戦略で物流費のコストを抑えており、

食品の売上構成比は56%と高く、まさに食品スーパーと同様な戦略で経営している。

 

 

製造業に比べ人海戦術の高い小売り・外食産業では

人手不足による人件費の上昇は避けられない。

人件費が上昇しても販売管理費を抑えられる体制が急務であり、

その為には店舗運営の標準化・平準化をベースに従業員の能力・士気を最大限引き出す経営が求められている。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<冷惣菜、対面とセルフ売り場>

ドラッグストア優位の流れ。2018年9月3日

2018-09-03

ドラッグストア上場14社の2018年度の営業利益は

12社が最高益を更新、14社の営業利益合計は2559億円と17年度比で6%の増益となる。

日本ドラッグストア協会によると、売上高は前年比6%増とのびており、

伸び率が1%台のコンビニやスーパーに比べ大きく上回っている。

 

 

ドラッグの都市に店舗が多いマツモトキヨシなどは

インバウント消費を追い風に伸びており、

郊外に店舗が多いコスモス薬品などは食品の品揃えを拡大し、

食品売上構成比は50%を超えている。

 

最大手のウェルシアHDの売上総利益率は食品が20%以下に比べ、

医薬品や化粧品は30~40%と高く、食品の価格訴求で客動員して

医薬品や化粧品で利益を確保するパターンが業績伸長のフォーマットになっている。

 

 

一方コンビニやスーパーの客数はドラッグの影響で減少傾向にあり、

客単価を上げることによって売上前年実績を確保している状況で、

日経ビジネスによる加工食品の購入価格比較では、

牛乳・卵・納豆・豆腐・食パン・ヨーグルト・お茶を購入した場合、

ローソンでは¥1058、まいばすけっとでは¥824、マツモトキヨシでは¥680の結果だった。

ドラッグの価格はコンビニより35%も安く、

スーパーより18%安い魅力が客数を増やしている。

 

この傾向に対しコンビニはPB商品化を進めて惣菜を拡大することや、

スーパーは生鮮食品や惣菜の強化によって差別化を図っているが、

ドラッグの加工食品価格優位性は変わらず、

今後しばらくはこの流れが続きそうだ。

 

 

しかし、ドラッグストアの店舗拡大も

コンビニやスーパーと同様に飽和状況を迎え、

価格優位性による売上拡大は店舗を持たないネット通販との競争では敵わない。

 

消費ボリュームが萎む国内市場において、

自店(自社)の商品優位性をどこに求めるか、

 

小売業全体の重点課題だ。品質グレード、品揃えなど

地域商圏に合った商品とサービス、買い物の楽しさを

提供できる店舗が消費者からの支持を得ることになるだろう。

 

<スーパーの惣菜、弁当、寿司>

 

<秋刀魚ご飯>

 

増収減益の対策は!2018年8月20日

2018-08-20

外食大手の2018年第一四半期決算は7割に当たる14社が増収減益になった。

新店などで売上が増えた一方、人件費や原材料費のコスト増を吸収出来ない構図が鮮明になった。

原材料では輸入牛肉価格の上昇し、吉野家HDは5年ぶりの最終赤字になり、

国産野菜の値上がりなどの影響でリンガーハットは純利益が5割減少した。

こうしたコストアップに対し、吉野家HDは商品の値上げは客離れにつながるので値上げはしない方針だ。

 

 

原材料の値上がりは世界的な猛暑や干ばつで農産物の作柄が悪化しており、

小麦は主産地の欧州やオーストラリアは猛暑で6年ぶりの減産になりそうで、

米農務省の需給報告によると小麦の生産見通しは前年度を4%下回る見込みと報告された。

又欧州連合の収穫は前年比1割減少し、品質も悪化すると商社は予測している。

 

 

オレンジは米国やブラジルの気温上昇や降水不足で、

オレンジ果汁の輸入価格は前年比1割値上がりし、例年より実が小さくなりそうだと言う。

日本においても猛暑によって葉物野菜に影響が出ており、

キャベツは8月上旬時点で中央卸し市場価格は1kg¥117と前年比9割高となっている。

 

 

世界的に人口増加に対して気候変動による作物の収穫に悪影響が出て、

原材料の値上がりは継続的な現象となっている。

輸入価格に上昇に対して外食や小売店の値上げは避けて通れない状況にあるが、

値上げは客数減や買上点数減につながりやすく簡単に実施出来ない。

しかし、値上げ出来なければ前述のように増収減益決算になる可能性は高い。

 

 

解決策は消費者が納得できる値上げが出来るかどうか。

消費者が納得できる値上げは、食べて美味しいと納得できるかどうか。

美味しいとは味だけでなく美味しい理由・情報も必要で、

原材料の生産状況、調理・製造方法のこだわり、

消費者の一番の関心事である健康を抱合するような美味しさを

消費者に理解してもらう事が必須となる。

 

 

今後、外食やスーパーなど小売企業はメニューや商品の値上げを避けて通れない。

その際に値上げ出来る商品開発がカギになることは間違いない。

 

 

<スーパーの惣菜・弁当・寿司>

 

<カナッペ寿司>

 

働き方改革関連法とSM。2018年7月5日

2018-07-05

働き方改革関連法が6月国会で賛成多数で成立しました。

その中で食品小売業として特に影響が大きいのは

 

1、労働時間上限規制

現状の月45時間、年360時間の限度は労働基準法に明記され、

違反の場合は罰金が課せられ、

特例条項の中でも上限として1年単位で720時間(月60時間平均)としました。

 

2、中小企業の60時間超時間外割増率50%に引き上げ

中小企業の猶予措置は廃止され2023年4月1日適用

 

3、年次有給休暇取得義務化

年次有給休暇が年10日以上付与されている社員については、

毎年1年間に5日以上の取得させる義務が企業に課せられる。

1と3は2019年4月1日施行になり、

中小スーパーの中では残業と有給休暇は野放しになっている為、対策は急務です。

 

今後、全国で労働人口が縮小して行く中で、

働き方改革は米国・欧州に近づくようになって来ます。

数年後には「同一労働・同一賃金」の法案も整備されて来ることが言われており、

小売業にとって生産性の向上がなければ営業継続が難しくなる時代が来ています。

 

就労人口を国内だけで確保することは無理があるのは明白であり、

外国人就労の推進については、

来年4月より在留資格を5年に延長する内容が業種を限定した中で始まりますが、

小売業は接客が必要な点から店での導入は問題点も多く残ります。

 

寿命が延び、定年後も働きたいシニアが増えているが、

65歳以上の就労率は23%と低い。

(2017年総務省調査)シニアが働けない理由の中に、

 

・シニアが働きたい職と人材を求める職場のミスマッチ

シニアは現役より体力が落ちて来るが、

それでも働ける職場と内容を企業は作らなければならない。

そして、その情報をシニアに良く届けることが必要になる。

小売業でも短時間、短期間、短距離で働くシニア募集をやる価値は大きい。

子育て期間の主婦の労働力確保も貴重な存在であり、

近年には企業が従業員用の保育所を設置している。

セブンイレブンが仙台市の店舗の2階で保育所を設置し、

従業員や地域住民が利用出来る。

イトーヨーカ堂はアリオ葛西で保育所を開き、定員30人の半数を従業員向けに実施、

その他食品スーパーのカスミは2019年には本社内敷地に保育所を設ける計画。

 

国は企業が主導する保育所に対し、

自治体の認可は不要で認可保育所並みの補助金支給や税の優遇を実施する

 

働くニーズに対し、働く場を提供するニーズの不一致はまだまだ沢山あるように思う。

又、現在働いている人が職場を離れないようにすることも重要であり、

人を中心にした企業経営がこれから脚光を浴びる。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

 <イワシ蒲焼き重>

 

人口減・コストアップ・生産性改善。2018年6月8日

2018-06-08

厚労省発表の2017年の出生数は

前年よりも3万人少ない94万6060人となり、過去最少を更新した。

又、1人の女性が生涯に産む子供の出生率は1.43と2年連続で低下した。

これまで出生数が多かったのは1949年の269万人で、17年はこの3割強に留まった。

毎年の死亡数は120~130万人の中で、日本の人口減少は続く。

 

 

2018年の賃金動向調査によると、

全体の賃上げ率は前年比0.28ポイント増の2.31%となり、

5年連続で2%の増加をしており、今夏のボーナス調査では製造業は17年夏比4.91%の増、

非製造業は3.0%の増加になった。

製造業は海外事業の好調さから好業績をボーナスに反映、

非製造業は深刻な人出不足を打開する為に賃上げを重視した内容になっている。

 

 

国内営業が中心の非製造業は

人口減がもたらす消費ボリュームの減少と働き手不足の両面から売上減少とコストアップの2重苦がのしかかる。

この課題解決にはAI活用の店づくりと運営が注目され、

欧米に比べ生産性の低さが指摘されて来た小売り・サービス業はAIやロボットの活用が進めば、

労働生産性は今より3割以上高まると予測も出ている。

 

 

東京世田谷にあるパン屋「ボヌール三軒茶屋店」では

来店客がパンを載せたトレーを台に置くと、画像と商品名・金額が表示され、

レジの待ち時間短縮や生産性向上につながった。

ここでは画像読み取りのAIが活用されており、店員の作業とミスの改善になっている。

 

 

レジに人員を配置しない店舗は米国でアマゾンが、

中国ではアリババが実際に出店しており、イオンは上海で実験店舗を立ち上げた。

中国の調査会社によると無人店舗市場は小売店だけで4年後22年には18年の30倍に成長する見通しだ。

日本では定員による接客サービスを期待する声や安心感を言う意見も多いが、

人手不足に対応するコストアップを生産性に結びつけるにはAIやロボットの活用を避けて通れない。

 

 

小売業の生鮮や惣菜、外食業の店舗におけるAIやロボットの活用は

接客サービスとの兼ね合いでまだまだ問題は多い。

しかし、コストアップに対する生産性の改善は待ったなしのところまで来ており、

仕入れから製造・販売までの流れの中で現在のやり方を否定した仕組みづくりが急がれる。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<父の日、マグロ握り尽くし>

 

インバウンド消費を取り込む。2018年4月23日

2018-04-23

訪日する外国人の数は過去5年間、毎年20%を超す勢いで伸びており、

2017年には4兆円を超えたインバウンド消費があり、

東京都の1兆6千億円に続き関西は1兆円を突破、その需要は地方へと広がって来た。

中でも沖縄は2012年に比べ8.5倍に拡大した。

 

 

インバウンド需要を上手く取り込んで業績に反映しているのが東京・大阪に位置する百貨店であり、

高島屋の2018年2月期決算では大阪店の売上高が前年比8.8%増の1414億円となり、

66年ぶりに全店舗の中で首位に立った。同社では訪日客の消費拡大は当分続くと見ており、

スマホ決済の導入など免税店売上高を17年比1.7倍の830億円に引き上げる計画だ。

 

 

買い物による決済は日本人が現金を重視しているのに対し、

外国人はスマホ決済などのキャッシュレス決済が主流になっており、

日本でも自社のクレジットカードやSUICAによる決済が進んで来たが、

この流れに対応するべくVISAはイオンとキャッシュレス決済で連携した。

同社ではクレジットカードやスマホアプリを専用端末にかざすだけで支払いが出来る

「非接触型」決済を世界で展開している。

 

 

訪日外国人は観光や買い物だけでなく、

定住してもらう為の投資やサービスを充実させて地域の人口減を和らげる影響も出て来た。

特に北海道の赤井川村、倶知安町、ニセコ町などは

スキーリゾートとしてこの5年間で外国人住民の比率が7~10%に拡大している。

その他に訪日して定住する外国人は自動車製造関連の群馬県大泉町や

沖縄県恩納村のマリンリゾート、東京都豊島区の留学生など、地域の住民として増加している。

 

 

政府は2019年4月にも外国人労働者向けに新たな在留資格制度をつくり、

最長5年間の技能実習を修了した外国人は、更に最長5年間の就労が出来る資格を与える。

対象は農業や介護などで試験に合格すれば、

家族を招いたりより長く国内で働いたりできる資格を与える。

国内では農業と介護が最も人手不足環境にある。

 

 

日本の人口減少は今後20~30年に渡って続くことが予想されている中で、

国内の小売り・サービス業は業績拡大を狙う為には外国人の消費を取り込むことが必須になっている。

その為には決済方法だけでなく店舗における商品案内POPや

外国人の接客サービスなど、取り入れることは沢山ある。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<ローストビーフ丼>

 

小売り三つ巴競争。2018年3月21日

2018-03-21

「ドラッグの伸びが続く」

・スーパーの1月既存店売上は0.6%の増収に留まり、食品スーパーの既存店は

0.9%増えた。

・コンビニの1月既存店売上は0.1%増とほぼ横ばいで、2017年の市場規模は

店舗数が1.5%増え、売上前年比は1.8%増と伸びは鈍化してきた。

・2017年のドラッグストアの売上高は6兆8500億円で百貨店を上回り、

前年比5.5%増となりコンビニよりも高い伸びとなった。

 

 

小売業の中で業績拡大が続いているのはドラッグストアであり、

その戦略は医薬品や化粧品の高い粗利率で収益を確保し、

日用品や食品を安値で販売して客動員を図るモデルが原動力になっている。

食品の売上高は1兆5500億円で前年比8.5%増となり、

九州地盤のコスモス薬品は食品構成が56%に達する。

 

 

過去に売上拡大が続いて来たコンビニ大手7社の客数は、

2月前年同月比1.4%減となり、大手3社も全てマイナスとなった。

コンビニ各社が売上対策として強化するのは惣菜の強化とイートインコーナーの増設だ。

 

 

・ファミマは冷蔵の総菜売り場の什器を新たに導入し、顧客の目線が止まりやすいようにフック陳列を変更する。

又、コンビニ惣菜は小サイズの副菜が多かったが、おつまみや主菜向け商品の容量を増やした商品を充実する。

スーパーの鮮魚の販売不振が続く中でコンビニは魚惣菜の強化で、ローソンでは魚惣菜の売上前年比が4割増、

セブンは2割増で推移している。

コンビニの焼魚惣菜は従来の真空パックからガス充填パックに変更、

開封した時に魚の焼いた香ばしさが残っているのが特徴だ。

 

 

・スーパーのイートインが買い物客からシニア、若者まで人気になっている。

出来立て惣菜や弁当、飲み物が手頃な値段で揃って、コストパフォーマンスは外食に劣らない。

最近は広いスペースにソファー席を設置し、居心地も良く買い物客や会社員の昼食の場として、

シニアや若者は談笑の場としての広がりを見せている。

 

 

小売業界は今後の成長として食のパイを、中でも惣菜需要を取り合う中、

・スーパーは惣菜とイートイン強化で外食需要を取り込み、

・コンビニは惣菜強化でスーパーの需要を取り込み、

・ドラッグストアは食品、惣菜の品揃えでコンビニとスーパーの需要を取り込む。

 

 

スーパーとコンビニとドラッグは三つ巴競争の中で、

生鮮・惣菜・米飯を客動員の柱としてお互いの主力を取り込む戦略を強化する。

これから3業態の垣根はなくなり、

家庭の食事を提供して来たスーパーは最後の砦を他業態から攻められているが、

最後には価値のある独自の商品力とサービス力が勝敗を決めることになる。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<鯛めし弁当>

 

働き方改革と生産性アップ。2018年2月28日

2018-02-28

・M字カーブの減少

女性が出産や育児によって職を離れ、30代を中心に働く人が減るMカーブ現象が解消しつつある。

総務省が1月下旬にまとめた最新の労働力調査によると、

15~64歳で働く労働力率は2017年に69.4%と過去最高を記録した。

「M字カーブ」はこの労働力を年齢層に分けてグラフを描いたときに現れ、

女性は30代の子育て期に離職し、40代で子育てが一服すると再び働く傾向がある為、

日本は30代がへこむ「M」になる。

 

 

30~34歳の労働力率は30年前には5割前後だったが、

ここ数年で急上昇し、75.2%になった。

政府や企業が働き方改革を進める中で、

子育て世代も働きやすくなり、17年は25~34歳の女性社員が前年比で4万人増え、

非正規社員は3万人減った。

人手不足環境の中で女性の働き手がかなり寄与している事が見える。

 

・セブン&アイHDは3月から

国内グループ社員の約3割の1万人を対象に時差出勤を導入する。

セブン&アイHDは始業時刻を午前8時、9時、10時の3つから選べるようにし、

1週間分の出勤時刻を上司に申告して育児の都合に合わせて勤務時間を決める事ができる。

昨年夏に試験導入したところ、午前8時と10時を選んだ社員の時間外労働が2~3割減った。

同僚の勤務時間を共有して仕事を融通するなどの取り組みが職場全体の残業減につながっていると見ている。

 

 

・ファミレス大手のロイヤルホストは

大半の店舗を元旦休日にしたが影響はなかった。

理由としては客単価がここ数年確実に上昇していることがあり、

17年は約1280円で1年前より約50円アップし、セットメニューは2000円を超えた。

同社では深夜の営業時間を短縮しても昼間や夕食の時間には

それまでより従業員を手厚くしてサービスの向上に努め、

そして値上げに見合う付加価値商品を提供出来てこそ理解が得られるという。

消費者からはサービスへの対価にも理解を得られるようになって来ており、

生産性向上に連動する賃上げがこれから求められる。

 

・日本マクドナルドは

スマホで商品を事前注文して決済もできるシステムを導入する。

入店と同時に注文がキッチンに伝わり、

客の待ち時間はほほなくなり出来立て商品を受け取れる。

又、スマホでクレジット決済もでき、

通常のレジで購入するよりも注文から商品を受け取る時間が大幅に短縮できる。

店舗は運営の生産性が高まり、混雑の解消につながる。

 

「働き方改革」は安倍政権が進める旗頭であり、

人手不足がこれからも続く中で新システムを導入によるものと

人員稼働の仕組み改善と合わせて進める必要がある。

その際に労働集約産業の小売り・外食サービスでは従業員の理解がないと効果は半減する。

 

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<寿司弁当>

 

生産性革命。2018年1月11日

2018-01-11

日本チェーンストア協会発表2018年第3四半期までの既存店売上は

前年比98.9%と前年を下回り、食品スーパー業界3団体の既存店売上は横這い、

昨年までプラス基調のコンビニは今年後半になるほど売上はダウンし、

11月の既存店売上昨比は99.7%だ。

 

売上が前年をクリアしているのは

ドラッグストアとインパウンド消費に沸く都心百貨店に絞られて来る中で、

販売競争はスーパー・コンビニ・ドラッグの三つ巴となり、

価格においてはドラッグが優位に立っているが、

ネット通販が加われば価格ではネットに勝てない状況になる。

 

今期の決算予想が発表され始めている中、セブン向けの惣菜メーカーのわらべや日洋は

連結純利益が従来予想の25億円から23億円へ下方修正をした。

パートタイマーの賃金上昇や新米などの食材費が想定以上に値上がりしていることが要因としている。

 

外食大手のサイゼリヤが発表した2017年9~11月期の連結決算では純利益は

前年同期比14%減の16億円に落ち込んだ。

円安による食材輸入コストの上昇や

アルバイトの過剰採用による労務費の増加が利益を圧迫した。

 

全規模・全産業の景気判断指数は26年ぶりのプラス高水準の中で、

従業員などの雇用判断指数は25年ぶりのマイナス低水準の報道だった。

中でも中小企業は更に2ポイント悪化と厳しい状況にあり、

人手不足は国内景気に比例した状況が続き、

スーパーなど小売業にとっては店舗におけるサービス悪化や経費アップが大きな問題になっている。

 

国内の食品業界ではメーカー、問屋、小売り、外食を含めて

人手不足による人件費の高騰、原材料の値上がりによるコストアップ傾向が続く中で、

売上は異業態を含めた過当競争で伸びが期待出来ないという蟻地獄に陥りつつある。

 

そのような状況下で政府は昨年末に「新たな経済政策」として

生産性革命と人づくり革命を取り上げた。

小売業や外食にとって生産性の改善は「待ったなし」の状況にあり、

ムダの削減・ITの導入・作業の集中と分散と働く従業員の意識改革が求められる。

政府も生産性革命の後押しとして、

春の賃上げ3%に加え「IOT」など先端技術に投資をすれば法人税20%に下げる案も出ている。

 

スーパーを例にとれば発注から製造、販売に至る中で

「ムダの削減と精度アップ」に取り組む項目は沢山あり、

従業員の力を引き出すボトムアップ作戦で取り組むことが迫っている。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<野菜たっぷり豆腐ハンバーグ重>

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消費の多様化と対応する回転寿司。2017年11月23日

2017-11-23

スーパーの寿司を横目に好調な回転寿司。

最近の回転寿司の品揃えやオペレーションの中に消費者の多様化志向を見る事が出来る。

大手回転寿司チェーンの蔵寿司では

・握り -1皿2貫\100円、1貫\200円

・ヘルシー -大根酢漬け寿司\100円

・麺類、丼-かけうどん\130円、鰻丼\680円

・フライ -オニオンフライ\100円、コロッケ\100円

・デザート-ショートケーキ、ムース\100円、ジュースやフルーツ\100円

 

 

寿司の均一価格でスタートした回転寿司は食事メニューを広げ、何でも屋と見られる業態になって来ている。

一般的に何でもありの大衆食堂は消費者から敬遠されがちであるが、

回転寿司は寿司がメインで客動員する中で、サブの品揃えを広げ消費者に対応している。

その中で、蔵寿司はヘルシー健康志向には大根酢漬けシャリの品揃えで対応したり、

衛生・品質への取り組みをカップ付き皿や時間管理で見る事が出来る。

 

 

又、高級志向に対しては生ネタの1貫\200円の品揃えや、

季節感に対しては北海道や九州からの産直魚で演出し、品揃えのマンネリ化に対する消費者ニーズに対応している。

握り寿司1貫当り\50円から\200円と価格帯を広げているが、

あくまで主力は1皿2貫\100円を前面に出しお得感を演出している。

 

 

スーパーでも寿司は作業工数のかかる商品で生産性はあまり良くない部門であり、

売上が高くなればなるほど人時がかかる。

この点において

回転寿司はセンターにおける集中処理と店舗における分散作業に分けたオペレーションを取っている事や、

店舗においては自動精算処理で経費削減に取り組んでいる。

 

 

追い風を受けて順調に伸びているSM惣菜は外食のカテゴリーキラーと競争して行く事になるが、

消費の多様化にどのような品揃えで対応して行くか。

それを支えるオペレーションはどのように省力化を図って行くか課題は大きい。

 

<回転寿司の寿司>

 

<フグ握り>

<シラス軍艦>

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