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人口減少・商圏縮小が進むリアル店舗の対策。2019年12月1日

「増税後の影響」

消費増税が始まって2カ月が経ち今日から12月入り、

10月の小売り・外食は厳しい出足となった。

11月はセール効果もあり、業績回復の状況は見られるものの

製造業などの業績不振から冬のボーナス全体では昨年を下回ることが予想される。

又、秋の台風被害の影響が大きく、

地域によって消費回復に明暗が出て来ている。(日経)

 
増税によって予想通りに伸びているのはキャッシュレス決済で、

コンビニ、スーパーでの使用比率は4割に達している。

使用者の1回当りの利用金額は1000円未満が44%、

1000円~5000円未満が40%と

食品や日用品が中心で少額の買い物がキャッシュレスに変わっている。

只、外食の個人店ではキャッシュレス決済に変更している所が少ないのは

来年6月以降のポイント還元が終了した後を懸念している。

 

「人口減少、将来の小売り業」

厚労省発表の1~9月の出生数は67万3800人と

前年同期に比べ5.6%の減少となり、

この減少率は30年ぶりの大幅減となる可能性が高い。(日経)

これには日本生まれの外国人や海外の日本人も含まれ

日本生まれの日本人に限るとこれより3万人ほど少なくなる。

 
将来に向かって人口減少が更に進むことによって小売業の商圏は更に縮み、

小商圏のコンビニは一般的に商圏人口3000人と言われているが、

日経の調査では全国自治体の約8割で1店当たりの住民数がそれを下回った。

この環境下でセブンイレブンは20年度までに

不採算店を中心に約1000店を閉鎖・移転をする方針を発表、

その他、ファミマも営業時間の短縮を可能にする契約の変更をする。

 

リアル店舗の商圏人口減少が進む中で、

対策として商圏を拡大するネット通販があるが、スーパーでは軌道に乗っていない。

イオンは29日、英ネットスーパー専業大手のオカドと業務提携をすると発表、

オカドが持つロボットを駆使した物流ノウハウを生かし、

2030年までにネットスーパーの売上を6000億円に拡大する。

世界の小売業でネット消費が進む中で、

オカドは世界の食品スーパーと提携してアマゾンの対抗軸を構築する。

 
人口と商圏の縮小が進む中でリアル店舗の競争が激化、

生き残りをかけて店舗の差別化政策で無印良品が注目されている。

先月オープンした京都山科店では1フロアを食品売場とし、

地元にゆかりのある野菜など600品目は直接仕入れで、

肉や魚、惣菜の販売に店員の試食や接客を強化している。

同社は従来ムダを省き、商品に込めていた背景を

店員が言葉にして顧客に積極的に伝えることで店の考えを理解してもらい、

購買につなげる。

 

「消費ニーズの変化に対応」

高級食材の和牛価格上昇に一服感が出ている。

和牛価格の高値を警戒していることもあるが、

脂のサシが多く入った黒毛和牛は健康面で敬遠される傾向があり、

和牛と乳牛を掛け合わせた交雑牛が程よいサシと価格で人気が出ている。

 
地元の生酒を地方スーパーに提案、

食品卸大手の日本アクセスは加熱しない日本酒「生酒」を

地方スーパー向けに地元商品を扱う提案を展開し販売先を増やす。

飲酒人口が減る中で、生酒は特別感があり若者に認知が広がっており、

同社が現在40社ほどの販売先を20年には70社に増やす計画。

 
食品大手が調理作業を軽減できる商品に力を入れている。

昭和産業は計量のいらない小分けプレミックス粉を増産、

Jオイルミルズは炊飯した際に釜にお米が付きにくい米油の販売を強化、

このような調理に必要な適量包装はスーパーなど業務用で広がっているが、

更に個包装した家庭用が家事の負担軽減と使いやすさで拡大している。

 
農業において、皮が白や薄緑色の「白茄子」が人気、

白ナスは実が軟らかいのが特徴で、加熱するととろりとして食感になる事から

「とろナス」とも呼ばれ、スーパーではナス売場に彩りが出ると好評、

群馬県産白ナスは1個¥180~¥190と単価も高いが人気だ。

 

人口の減少による商圏の縮小は避けられない事実、

小売り・外食などサービス業はこれを前提にした店づくりが重要になる。

小商圏で生き残るには同業と差別化する商品開発、

店舗運営の効率化、生産性の向上などに集中した政策が欠かせない。

 
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

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