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小売り・飲食の売上、生産性対策。2018年12月2日

「客単価アップをどう図るか」

食品スーパーの2・3月期決算上場企業の2018年度は

多くの企業が営業増益を見込むと報道された。(日経)

17年度はパートなどの人件費の上昇が影響し、

増収減益の企業が目立つ中で、今年度は人件費の上昇を吸収した要因として

総菜の販売強化によって客単価アップの成功が挙げられる。

 
ヤオコーは寿司や焼鳥などの惣菜が好調で前年同期比6%増え、

総菜製造の自社工場「デリカ・生鮮センター」の出荷額も4割増えた。

バローHDは17年から住宅地などに総菜専門店の出店を始め好調だ。

その他、利益率の高いPB商品の売上比率を上げているのも要因で

大手スーパーのライフHDやUSMHなどのPB商品を伸ばしている。

 

背景には国内人口で単身高齢者の増加があり、

日経が2015年の国勢調査を分析した中では

65歳以上の単身者は2000年比9割増の一般世帯比11.1%に達し、

15年間で単身高齢者が2倍以上増えた自治体は4割弱、

特に関東1都3県、近畿2府1県、愛知県に集中していた。

単身高齢者の増加は総菜購入がますます増える構図を作っている。

 

日本スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体発表の

10月の既存店売上は前年比0.3%増の5カ月連続でプラスだった。

特に青果が8%増、水産が0.4%増、惣菜は2.9%増と好調を維持。

 
外食34社の10月売上高は7割に当たる23社が既存店売上で前年を上回り、

おおくの企業で客数は前年割れだったが、客単価アップによって売上を確保した。(日経MJ)

只、食中毒事故を起こしたモスフードサービスは既存店売上14.9%マイナスと

飲食・小売り業の中での食中毒事故の怖さを感じさせられる。

 

単身高齢者の増加に合わせて伸びている商品に冷凍食品があり、

セブンイレブンはこれからの季節商品グラタン・ドリアの製法を刷新し、

又、冷凍米飯をカップ入りの容器に変更する等独自色を出して差別化する。

 

「販売チャンスの求めどころ」

既存店売上が伸び悩む中で、販売チャンスを時の中でどこに求めるか。

小売りでは朝食、昼食、夕食のピーク以外の時間帯にスポットを当てる。

 
ローソンは夕方から夜間にかけて顧客のニーズが高まっていると捉え、

サプライチェーンを刷新する。

翌日の夜に納品される商品の発注を

午後2時から午後10時まで延長して発注できるようにし、

当日夕方の販売動向を確認してから発注出来るようにした。

 
日本マクドナルドは1日の売上を伸ばすためには

朝・昼・夕のピーク時間以外の時間帯を開拓するしかないとして

昼食後の14:00から17:00にチキンマックナゲットなど

低価格帯メニューの強化を図る。

今までも「朝マック」で朝食需要を開拓して来た。

 
日本KFCはフライドチキンを「日常的に食べてもらいたい」として

水曜日に9ピース¥1500と通常より3割安商品や

平日に¥500のランチセットを用意して展開し

今まで不調だった来店客数が前年を上回るようになって来た。

KFCはこれから迎えるクリスマスなどハレの日に次ぐ柱にしたい意向。

 

「小売り生産性改善の最前線」

日本小売業の生産性は米国の半分程度や人手不足が大きな課題になっている。

食品スーパーのカスミが無人レジの店舗を筑波大学内にオープンした他、

セブンイレブンは入店や決済を無人で行う実験をNECと始めた。

顔認証を専用端末で行い入店し、商品のバーコードを読み取りで精算する。

従業員は商品の陳列や発注を担当することで2~3人で担当する。(日経)

 

総菜・米飯の製造作業において

弁当の製造には多くの人手がかかっている中で、

立命館大学などでロボットを活用して弁当や惣菜をトレーに詰める開発が進んでいる。

ロボットのシリコーン製の指が食材に合わせて指の曲がり具合を調整し

おかずを10g単位でつまんでトレーに盛り付ける。

実験ではまだ誤差が15%位あるが、惣菜や弁当製造工場の生産性改善につながる。

 
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

 

<海鮮パエリア>

 

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