節約消費が強まる中、商品開発&スーパー再編

「物価上昇長引き、小売り好調・飲食悪化」

内閣府発表の9月街角景気(DI指数)は前月から0.4ポイント上昇し47.1だった。

5カ月連続の改善になった中で、小売りは0.3ポイント上昇の45.7で、

飲食は1.0ポイント低下の44.6だった。

コメが安定的に入荷してきたが、価格は高止まりで消費者は生活必需品を中心に

消費は慎重になっており、スーパーやドラッグは単価上昇で売上げは確保している反面、

飲食はコスパ重視の低価格タイプの方に流れ、全体的には苦戦を強いられている。

 

「地域スーパーの再編進む」

地域スーパーの再編はアークスが先駆けとなって、北海道・東北で進んできたが、

関東ではブルーゾーンHD(ヤオコー)が千葉県のせんどう、神奈川県のエイヴィに加えて

東京の文化堂と豊橋のクックマートを加えた地域スーパー連合が再編された。

同HDは共同仕入れによるメリット追求やコスト削減とは異なり、

地域密着型の店づくりと商品開発で差別化と高収益を目指すと発表した。

 

食品スーパーロピアを運営するOICグループは埼玉県や東京中心にスーパーとホームセンター

を運営するスーパーバリューを吸収合併すると発表。

OICはスーパーバリューの店舗や商品の一部をロピアと共同開発してきたが、

TOBを実施して完全子会社として不採算店舗の改装や商品仕入れを共有する。

 

中国・四国・九州地方を中心にスーパーを展開しているイズミは、

食品スーパーは2035年を目途にM&Aを含めて、現在の1.5倍、300店に拡大すると発表。

商品開発のPBは低価格を重視し、成長の原動力をSCから食品スーパーに移す。

同社のPBは9月に独自「ゆめイチ」計50品として販売を始め、

提携する「セブンプレミアム」を含めてPB比率の取り扱いを引き上げる。

同社は広島の「ユアーズ」や九州の「サニー」を買収して店舗数を広げて来た中、

今後は食品スーパーをGMSと並ぶ収益の柱に育てる方針を掲げる。

 

「物価上昇の中で商品開発」

コンビニ各社が冷凍食品の裾野を広げて商品開発を進めている。

おにぎりや調理パン、弁当にも品揃えを拡大、

物価高で節約志向が強まる中で、ローソンは冷凍パン・おにぎりは目標を上回る売上で

価格を¥200以下に抑えた少量冷凍炒飯など好調に売れている。(日経MJ)

冷凍弁当を販売しているファミマは¥500前後のオムライスや唐揚炒飯などを販売、

通常のおにぎりや弁当が品薄な時間帯に補完する商品として売れている。

 

冷凍食品の支持が広がる背景には共働き世帯や単身世帯の増加があり、

日々、仕事に追われ「食事は空いた時間にさっと済ませたい」「毎日料理は出来ない」

という消費ニーズがある。

最近は主食と主菜がセットになった「ワンプレート冷食」で栄養素もバランス良く取れる。

異なる角度から健康維持に役立つ商品としてニチレイの「エブリオンミール」シリーズ、

「減塩」ニーズとして塩分40%カットの味の素「白チャーハン」や「超高級冷食」など、

フランス発のピカールなど販売する食品スーパーも人気だ。

 

節約志向が強まる中で、今後集客のカギになりそうなのが相盛り商品で、

セブンは2種類の具材を取り入れた「旨さ相盛りおむすび」¥300~¥367を発売、

販売開始から1週間で230万個を売り上げた。

ローソンは2種類の主食を味わう「よくばりセットめし」¥697を発売、

パスタとグラタン、ラーメンとチャーハンなど3品目を揃える。

ファミマは生地の裏側をフランスの焼き菓子「デニッシュメロン×クイニーアマン」¥185を発売、

表側のメロンパンと裏側は発酵バター風味でクイニーアマンのような食感を出した。

物価上昇が当たり前になり、実質賃金が増えない中で節約消費ニーズは高まっている。

節約消費を取り入れた商品開発や低コスト運営の店舗開発が注目されており、

食品スーパーは小売り再編の目玉になって来た。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<デミオムライス>


*街角通信は毎週1回、配信しています。

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