コストアップ・値上げと消費力

「消費に与える物価上昇のリスク」

JTBは2026年の夏休み期間の海外旅行者数が前年同期比9%減の217万人なる見通しを発表。

夏の海外旅行は5年連続で回復してきたが、なおコロナ前までには回復していない。

旅行者数減の主因は円安と燃料サーチャージで、ANAとJALは7~8月発券分の

燃料サーチャージを5~㋅から更に引き上げた。

為替市場では円は160円を超え、更に円安の傾向が予想されており先は見えない中で、

海外旅行の1人当り平均費用は6%高い32万3000円で過去最高になっている。

 

中東情勢の混乱が値上げ与件に一段と広がっており、

日経の「社長100人アンケート」で2026年12月までに価格改定の意向では、

「値上げする」が63.5%、「値下げする」がゼロ、「据え置きは4.3%に留まり、

コスト上昇分の価格転嫁が加速する。

平均値上げ幅は「10%以上」と「5~10%未満」がいずれも18.2%と最も多かった。

もっとも値上げが収益改善につながるわけではなく、「不十分」と答えた企業は78.9%だった。

 

食資源の減少と海外の需要拡大によって値上りにつながる事例も多く

水産ネリ製品の原料となるスケソウタラのすり身は、北米産の国内卸値が年初比5~7%高く、

2026年春の北米産スケソウタラのすり身は上級品が1kg当り845~860円と15~60円上昇した。

スケソウタラはすり身に加え、フィレにさばいてフライなどの需要も高く、

すり身を好む日本が買い負けていると業界関係者は話している。

 

「食資源の増で値下げが進む」

食品スーパーでコメの特売が急増している。

日経POS情報によるとコメの商品数に占める特売の割合いは前年同月を66.5%上回り、

5月時点の「うるち米」は個数ベースで特売比率は84.9%となった。

消費者のコメ離れによるコメの在庫が増えていることにあり、

25年産の在庫を放出する動きが活発になっている。

 

今月25日に予定されている「丑の日」のウナギがお得になりそうだ。

中国産の鰻蒲焼の輸入単価は(1~3月)前年同月より1割安く、

中国産冷凍品の5月卸値は1kg当り前年同月比4割安いケースも出ている。

食品スーパーでは㋅中国産鰻蒲焼は¥1000以下で店頭に並んでおり、

日本でも稚魚が多く獲れた為、その影響は国内養殖された鰻蒲焼相場にも及んでおり、

国産品(九州産)の卸値は前年比1割強安い1kg¥6500前後で売買されている。

今年の丑の日にはお得な鰻重が期待できるようだ。

 

「賃上げが物価上昇に及ばず」

連合が発表した2026年春季労使交渉の集計では、中小企業の賃上げ率は4.69%で、

大企業との格差是正を目指した6%以上の賃上げには届かなかった。

組合員数300人以上の大企業を含めた全体では、ベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は

5.01%だった。

中小企業の賃上げを拒む要因の一つは価格転嫁の停滞で、中小企業庁の調べによると、

原材料や労務費などコストの価格転嫁率は54.2%で、25年からの改善は小幅に留まった。

中小企業の稼ぐ力は㋅の日銀短観によると、

25年の売上高経常利益率は大企業で10.42%に対し、中小企業は4.69%と約半分に留まった。

 

賃上げ原資の稼ぐ力は商品力をいかに高められるかにあり、

この課題に対し独自の差別化を図る為に、商品のブルーオーシャン戦略が最重要なり、

国内人口が縮小する中で、大企業と同様な商品では需要拡大は難しい。

消費ボリュームは小さくともニーズの隙間を狙った商品開発に期待したい。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<鰻蒲焼&エビフライ弁当>

*街角通信は適宜、配信しております。

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