「スーパーの店舗戦略」
イオンは千葉県船橋市で総菜の新工場を稼働した。
製造能力は従来の3倍になり、家庭でレストラン風の料理を楽しむコンセプトで
新しい惣菜ブランドの展開を始めた。
新工場は既存の拠点近くに建設し、惣菜の生産能力を移管した。
延べ床面積は約2万1870平方m、通常の工場の3倍の広さがある。
新工場には研究開発の設備を置き、子会社各社の関東7都道府県の1500店舗に配送する。
富山県のスーパー大阪屋ショップは今秋、岐阜県で初の各務原店を開業し、
愛知県江南市に続いて中京圏で2店舗目になる。
富山のアルビスは今後中京圏の店舗を3年間で3店舗から11店舗へ拡大する。
北陸3県では2023年ドラッグストアの販売額がスーパーを上回っており、
ドラッグが扱いにくい鮮魚・魚介類を富山県から中京件に運び、
地域に富山の新鮮な魚類で消費ニーズを発掘し、ドラッグとの差別化を図る。
食品スーパーを展開するOICグループ(川崎市)は
バーベキュー(BBQ)を始める為、BBQ上を運営する会社を買収した。
2025年4月を目途にロピアが入る商業施設にBBQ場を開設する。
ロピアではステーキや焼肉用食肉を大容量パックで販売しており、
BBQ用の食肉を各地のBBQ場へ供給することを検討する。
「人手不足対応と働き方」
深刻化する人手不足状況の中で、
2024年の春闘は定期昇給を除くベア額の満額回答とした企業が6割に上った。
帝国バンクの調査では正社員が不足している企業の割合は全体で51%と
過去最高の18年に迫る水準になっている。
各社は将来を見据えた人材の確保を積極的に進める為、
賃金と働き方について真剣に取り組む状況に迫られている。
食品スーパーのロピアは2024年度から20~30代が多い売場責任者を対象に
年収1000万が可能になる報酬体系を導入する。
対象は売場チーフや店長、チーフ以上の管理職など約700人で
売場の予算管理から仕入れ、値付け、パートの採用まであらゆる裁量が与えられる。
同社では店舗の売上など成果に応じた賞与を増やし、20代から年収1000万円が可能になった。
ライフCPは全店の生鮮部門で人工知能(AI)の需要予測による自動発注を導入する。
消費期限が短い生鮮食品は予測が難しいが、
実験店の畜産部門で発注時間が3~4割減り、廃棄率も10%改善した。
AIが販売実績や気象情報を7種のデータに基づき、畜産約200品目の需要を予測、
発注数を算出し店員は地域イベントなどに応じた数量を調整する仕組みだ。
1週間の発注にかかる時間は70~80分と導入前から3~4割減り、
鶏ひき肉や手羽先など販売が少ない商品の廃棄率は10%前後改善した。
働き方改革関連法の施行から5年、残業時間の減少など働き方は改善した。
日経が国内の口コミサイトにある社員の投稿から労働環境と業績を分析した中で、
・働きやすいが、働きがいは低い企業を「ホワイト」
・働きがいは高いが、働きやすさは低い企業を「モーレツ」
・両方とも高い企業を「プラチナ」と類型化した。
全体に占める比率はモーレツが29%、ホワイトは20%、プラチナは24%だった。
2022年度までの10年間で企業売上高の増加率は
モーレツが年平均6.6%でホワイトを2ポイント上回ったが、
プラチナは7.8%、PBR(株価準資産倍率)も3.3倍と高かった。
従業員は働きやすく、しかも働きがいもあるプラチナ企業を求めている。
従業員が会社で実現したい「夢」を企業の組織で共有する重要性が明確になった。
全国スーパーマーケット協会の加盟企業調査では、
必要なパート・アルバイトの人数を採用できた企業はわずか7%で、
必要な人員の充足率は平均76%と、人手不足は深刻だ。
食品スーパーを取り巻く環境はドラッグ・DSの出店攻勢で厳しさが増しており、
深刻な人手不足に対処しつつ、顧客の利便性や買い物の楽しさを高める事が課題。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<冷菜おつまみセット>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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