小売・外食の雇用と値上げの2重苦

「街角景気は雇用関連が大きく影響」

内閣府発表の5月の街角景気は、

現状判断指数(DI)が前月より1.7ポイント低い45.7だった。

雇用関連や飲食・サービス関連を中心に景況感が悪化した。

物価高による中小企業の経営悪化や、採用ミスマッチの影響が大きく、

賃上げムードの中で年収アップを目指して転職希望者が多く、

中小い企業への応募者が極端に減少している。(日経)

2~3カ月先の先行き判断指数・DIは46.3と4月より2.2ポイント」低く、

家計関連、雇用関連で見通しが悪化した。

スーパー各社は服装や髪色などを多様にする方向に自由化した。

パート・アルバイトなどの従業員の髪色やアクセサリーなど、

身だしなみの規定を相次いで緩和している。

スーパーのパート・アルバイトの充足率は10%以下で人出不足解消には程遠く、

個性を尊重した働きやすい環境づくりは大きな課題になっている。

「地球の温暖化で食資源に変化、値上げ続く」

国連の気象機関(WMO)は今後5年間で産業革命(18世紀後半~19世紀)以前から

気温上昇が1.5度に達する可能性が高いと発表した。

1.5度の上昇が定着すれば豪雨や干ばつなどの自然災害が急増し、

産業革命前に比べ、豪雨は1.5倍、干ばつは2倍、熱波は4.1倍と予測する。

又WMOは2023年春から続いた「エルニーニョ現象」が終息し、

2024年夏以降は「ラニーニャ現象」に移行する可能性が高いとし、

ラニーニャは小麦など主食向け穀物の収穫に悪影響を及ぼすと指摘する。

分析結果から1981~2016年のラニーニャの年には

米国のトウモロコシと大豆、カナダとオーストリアの小麦収穫量が低下する傾向が見られた。

米国産牛肉が円安や現地の生産減を背景に高騰し、

一部の国産牛肉と卸値が逆転する減少が出ている。

米国産バラ肉(ショートプレート)の国内卸値は1kg1450~1530円と前年比8割高、

国産乳牛のバラ肉卸値は1kg1250円前後で、需要が国産にシフト始めた。

6月川口市のスーパー肉売場では、3月より国産牛肉の売場が広がり、

国産の中でも安価な「交雑牛」や「乳用牛」の扱いが増えている。

豊洲市場の冷凍タコの卸値は2023年1kg1668円と10年前の2倍、

タコはアフリカ西部のモーリタニア産が多く、円安の影響も大きく、

外食で使用されるA2等級の黒毛和牛の卸値は1kg1550~1600円とタコより安い。

物価の優等生と言われる「もやし」の価格に値上げが進んでおり、

1袋20~30円だったもやしが30~40円に上昇している。

原料となる中国産緑豆は減産や産地生産コストの上昇と円安が重なり、

生産大手の富士食品工業は1袋(200g)4円の値上げを申請している。

国内で強まっているのはコストプッシュ型インフレ圧力で

モノの価格上昇は消費だけでなく、生産現場にも及んでいる。

食品価格の継続的な上昇は家計を苦しめ、

2人以上世帯の消費支出に占める食費の割合(エンゲル指数)は2023年27.8%に達し、

現在の計算方式になった00年以降、最高を更新した。

人手に頼る小売り・外食は値上げと雇用の2重苦が続く中で、

売上重視から生産性アップへシフトし、業務の効率化推進が急務になっている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<鰻ちらしご飯>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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