「原料高による値上げが続く」
昨年の猛暑の影響でコメの流通量が減り、売れ筋の「コシヒカリ」や「あきたこまち」は
前年より2~3割高値で販売されている。
全国スーパーのPOSデータによると、5月のコメの店頭平均価格は1897円で
前年同月比11.5%高く、今年の新米が出るまで高値が続く見込みだ。
ハムやソーセージなどに使う輸入豚肉は国内の卸値が1年間で4割上昇し、
国産豚肉もおよそ40年ぶりの高値を付けた。
日経の聞き取り調査によると、チャーシューに使う肩ロースとバラ肉は
欧州産の国内卸値がいずれも1kg900~920円と前年同期比4割高となった。
国内消費の半分を占める欧州や北米からの豚肉は、
豚の飼育頭数減や円安による買い負けで豚肉の高騰が続く。
輸入鶏肉の国内卸値は世界の引き合いが強まる中で、
日本の主要調達先であるタイ市場では中東勢の存在感が大きくなり、
円安も重なり輸入がより難しくなっている。
外食やスーパーで扱われるタイ産の鶏モモ肉は国内卸値が1kg¥480~¥500と
直近安値の2023年12月から9%上昇した。
ブラジル産は中国が景気の不安が後退したことで調達を増やしている。
外食主要28社の5月売上は前年同月を上回り、
特にGWの期間中に近場で過ごす客に対する期間限定メニューが好調だった。(日経MJ)
外食企業の値上げは続いており、2023年調査では価格を「全般的に引き上げた」
「一部引き上げた」との回答が94%に上がっており、値上げ効果が大きい。
24年度の価格方針で値上げを3~5%未満実施する企業が最も多く約6割存在する。
値上げによる客離れ対策として、
・食材の質を向上する。
・一部商品の価格は据え置きで、セットメニューで割安感を出す回答が多い。
外食企業の価格戦略が二極化しており、
インバウンド客向けに高価格メニューと選別消費を背景に値下げする企業もある。
国内物価の上昇で家計の負担は重く、低価格品の人気は高い。
日本ではデフレマインドが消費者に定着しており、
外食ではコスト高を背景に値上げは続いていても、需要主導の値上げはまだ難しい。
食材の値上げは食品メーカーやスーパーなど小売業にも影響が大きく、
外食同様に製品の値上げがカギを握っており、
その為には、付加価値商品の開発強化による値上げと、
主力商品と準主力商品、その他商品の中で値上げと据え置き商品の値入ミックスを見直すことで
トータルの値入率を改善することが必要になっている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<鰻飯>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
コメント