節約消費の中、消費者の支持アップ

丑の日(24日)を次週に控えて、外食を含め新規取り組みが出ている。

天丼専門店の「てんや」は鰻蒲焼を天ぷらにして、とろろと一緒に盛付けた

「うなとろろ丼」¥1080を売り出した。

すかいらーくHDはガストやジョナサンで鰻重・梅¥1390や松¥1990を販売、

日清食品HDは大豆などの植物性原料を使用した鰻蒲焼を再現した「謎鰻」¥1500を発売、

大豆蛋白質や植物油脂を使って、3層に分けて食感をふわっとさせた。

今年の丑の日は昨年と変わらぬ相場の中で、各業態で新規売り込みが活発になりそうだ。

「景気回復でも人手不足倒産」

内閣府発表の6月街角景気(DI指数)は前月より1.3ポイント高い47.0だった。

小売関連や飲食関連は猛暑が影響し改善し、今後の先行き指数も47.9と予想された。

その景況感の中で人手不足は深刻だ。

夏季休暇を控えた宿泊施設によると、箱根ではバイト時給が¥1700でも響かない、

6月には「接客手当」¥500を支給するなど、東京より高くなっている。

宿泊施設では外国人採用に活路を見出し、特定技能実習生を積極的に受け入れている。

毎月勤労唐家によると、パートタイム労働者の所定内給与は5月に前年比2.5%増え、

時間当り給与は¥1328で前年ん同月比4.0%増えた。

ビックカメラはパート時給を7%上げ、スーパーのヤオコーでは6.34%引き上げるなど、

各地では深刻な人手不足に対応した賃上げが波及している。(日経)

厚労省の最低賃金審議会は2024年最低賃金の引き上げに向けた議論を始め、

24年の賃上げ率5%を上回る最低賃金¥50上げが攻防ラインの見識を示した。

23年の最低賃金は全国加重平均1004円となり、最高は東京の1113円となっているが、

中小企業にとってますます厳しい経営環境になって来る。

全体に好調だった外食企業の中で、焼き肉店の倒産が増えており、

帝国バンクによると、2024年1~6月は前年同期で2.5倍になった。

理由は円安や米国産牛肉の値上がりが収益を圧迫しており、

又、ワタミなど外食大手の焼肉参入で小規模店が価格競争に耐えられなくなっている。

今後は地元のブランド牛を使ったメニューで客単価を上げる取り組みが重要になる。

「原料の値上げに対するプライシング」

秋に本格流通が始まる2024年産新米が値上りする見通しが出ている。

収穫が始まっている鹿児島産コシヒカリは1俵(60kg)当り1万9200円、

前年比5割高となり、宮崎産は1万9000円で4割高となり、昨年比5~6%増程度。

コメの栽培に使う肥料の調達コスト高が価格に影響している。

小売上場企業の3~5月期の営業利益が前年比7%増と増加率は下がって来た。

イオンは連結の営業利益が前年比7%の減少、目立つのは来店客数の落ち込みで、

食品スーパーUSMHは既存店客数が6%減少、HCのDCMも5.9%減とダウンした。

消費者は生活防衛意識を高め、リユース店は中古品が活況で、

トレジャー・ファクトリー25年2月期営業利益は前年比21%増になる見通しだ。

外食の松屋フーズは一部で深夜料金加算を始める。

午後10時から翌日5時にかけて商品の金額に7%を加算し、

一都6県の松屋ととんかつ専門店の「松のや」で導入する。

ゼンショウHD傘下の「すき家」でも深夜料金制として7%を加算する。

値上げが続く外食の中で「餃子の王将」は過去4度の値上げを実施したが、

既存店売上高は前年比プラスを維持し、

同社では社員を大切にし、商品力を磨き、品質向上のゴールを目指して来た。

餃子の自動焼機を止めて品質重視の鍋で焼くことにこだわり、

毎年レシピを少しずつ変えて、値上げ前には全店の商品をチェックし、

店の調理担当者は全員研修を続け、商品のレベルアップをしたと言う。

24年の賃上げ効果は円安により消失している。

消費者の節約意識は高まる中、惣菜の味・品質の進化は重要で

価格以上の価値観を出せるか、の追求によって消費者の支持が得られる。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<鰻ご飯弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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