「梅雨明け、涼味商品が急増」
先週の梅雨明けで、猛暑関連商品やサービスが消費を押し上げている。
昨年同様に梅雨明けには涼麺やアイス・炭酸飲料などの売上が急増して、
反面、家庭ではフライや唐揚などの揚物調理は敬遠され、スーパーの揚物が9%伸びた。
又、外食ではビアーガーデンが2桁の売上で推移、
エコノミストの試算では7~9月に気温が1度上がると約2600億円の消費が期待出来るという。
「賃上げと値上げ」
野村総研によると、賃上げで収入が増えて積極的に消費に回す人の割合は41.0%で、
2024年中に賃上げは見込めない人で、消費に積極的な人は25.7%に留まった。
24年の収入増が見込めない人の割合は54.6%で、
特に非正規雇用の場合ほど目立ち、その割合は69.7%に達する。(日経)
日経がまとめた2023年小売業調査で、
スーパーなど小売業の6割が24年に商品を値上げすると意向を示した。
物価高が続き賃上げを進める中で、価格転嫁と客数維持のバランスを慎重に探る企業が
浮彫になり、選別消費ではPBの拡充する動きが広がっている。
人手不足を受けて小売業の賃上げ意欲は強く、調査では56.3%の企業が「24年度以降も賃上げする」と回答している。
UAゼンセンによると、賃上げ率は正社員が4.95%、パートが5.75%となっている。
小売業の24年度の売上見込みは(115社)2%増と緩やかで、
業態別では百貨店が5%増、スーパーが4.8%増、専門店が4.5%増を見込み、
客単価が23年度は63.8%が22年よりも増えていると回答した。
この中で賃上げをするには人件費増を商品に価格転嫁する必要性が高くなっている。
「新商品開発競争」
日清食品HDは効率的な栄養摂取が可能とする「完全めし」で
女性向け商品を発売すると発表し、冷凍おにぎりを18日から販売する。
商品は「ほぐし鮭と大葉」「ツナマヨ味五目御飯」など6種類で、
オンラインで販売し、4袋(1袋3個)で¥2680(送料別)となる。
コンビニローソンはザクザクとした食感が特徴のサラダを発売する。
ASMRを楽しむサラダはレタスの上にドライトマトやオリーブ、パプリカ、チーズを
添えたり、又、ナッツやクルトンをかけて、ドレッシングを使わないで
野菜がしならず、食材の歯ごたえが楽しめるようにした。
若い世代を中心にASMRの人気が高まっており、食感を楽しめる商品に仕上げた。
セブンイレブンは8月にもピザを約200店舗で販売するなど、
スマホで注文した商品を最短20分で宅配するサービスを25年2月末までに全国2万店に拡大する。
セブンでは店を拾いきれない顧客の需要が大きいいとの認識で、
20~40代女性の利用で、体調不良や子育て、介護で買い物困難者の需要は大きいという。
ベイシアはPB「ベイシアプレミアム」の一つとして「群馬県産つるぴかり100%うどん」
を開発する。
「つるぴかり」は群馬県でしか栽培されない品種でモチモチ食感のうどんになり、
担当のバイヤーはつるピカリの種蒔から現地に足を運び、収穫まで目配りする。
鮮魚では「アセロラブリヒラ」の販売を本格化しており、
ブリとヒラマサの交雑種でブリのうまみとヒラマサの歯ごたえや身のきれいさを合わせ持つ。
全国SM協会によるとPB商品はスーパーの8割が扱い、
NBとの価格の安さだけでなく「ここでしか買えない」という個性が求められている。
今週の丑の日を控え、鰻の完全養殖の明るい話題が入って来た。
天然資源に依存した二ホン鰻の稚魚を人工的に大量生産する技術を水産庁の研究機関が
構築したと4日発表した。
成熟した母ウナギから毎週200万個の受精卵を安定的に採取することに成功し、
水槽で幼生のウナギをふ化させ、鶏卵や脱脂粉乳などの原料で育て、シラスウナギの稚魚まで
成長させる。
専用の自動給餌装置や大型の水槽も開発、安定生産と効率化を進め、稚魚の生産コストを
22分の1まで削減できる。
人手不足が深刻化する小売業、賃上げによる人件費増は製造業と変わらなくなる中で、
利益の原資をどう確保するかが今後の最大の課題、
値入のとれる商品、他社と差別化できる商品開発が今後の企業の命題になって来た。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<鰻ご飯弁当>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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