原料手配から商品化まで、バーチカル運用で商品力の強化

「夏のボーナス増とお盆のJR予約増」

日経まとめの2024年夏のボーナス調査で、非製造業の平均支給額は23年比5.55%多い

101万4800円だった。非製造業の夏ボーナス増加は3年連続で上げ幅は高い。

流通外食関連は「外食・その他サービス」9.7%増、「百貨店・スーパー」は8.82%増だった。

JR旅客6社は、お盆期間(8月9日~18日)の在来線指定席予約客数が

25日時点で前年比21%増の369万席だったと発表した。

1日当りの平均予約数は1994年調査開始以来で最高で、

混雑のピークは下りが10日、上りは12日となる見込みで、

近場への旅行が人気で「1泊2日」の短期旅行が主流の予想。

東海道新幹線の予約席数は26%増の161万人、東北・上越新幹線は19%増となった。

「丑の日の売れ筋は変わるか」

24日の丑の日商戦が終わって、丑の日の消費に変化が起きている。

不漁でウナギの価格が上がる中、24日正午、外食の鰻重1600~2600円の中価格帯で販売する

「鰻の成瀬・神保町店」には10人以上の列が出来ていた。

又、銀座おのでらを展開するオノデラサービスでは

メニューの最低価格を「国産うな玉丼¥980」夜は「同ミニ鰻丼¥980」で提供。

価格を抑える為に、ウナギは白焼きの状態で仕入れ、

店頭では焼きと味付けの2つの作業に集約、来店客にはQRコードで注文し、

セルフレジで精算するなど省力化を図っている。

フランチャイズ店の「鰻の成瀬」の通常メニューは

鰻重とお吸い物、漬物のセットのみで、鰻の量によって「梅¥1600」「竹¥2200」「松¥2600」

の3種類でサイドメニューはご飯の大盛りのみ。

同社は中価格帯の中で、鰻のサイズは大きいものを使用し、提供スピードを速め、

原料は中国で養殖した二ホン鰻を使用し、原価率は高めの40%で提供する。

絶滅危惧種に指定されている二ホンウナギは、

完全養殖に向けて実用化への実験が進んでおり、鰻重が庶民の味になる日も近いかも知れない。  (詳細は前週の街角通信で案内)

「食資源の変動」

年々減少する水産資源の中で、スルメイカの不漁が一段と色濃くなっており、

全国主要港の1~7月の生スルメイカの水揚げ量は約2000tと前年比2割減少、

豊洲市場の7月平均卸値は1kg当り¥1309と前年同期比55%上昇し、

メバチマグロ赤身(同¥996)を3割上回る。

イカはスーパーからも引き合いが強く、1kg¥1500~¥2000で取引される非もあるという。

小麦国際価格は約4年ぶりの安値に迫っており、

最大の輸出国であるロシアの減産懸念が緩和され、米国も豊作観測が高まり、

米シカゴ商品取引の先物価格は9月1ブッシュル5.4ドルで5月の高値より25%下落した。

小麦の国際価格はロシアのウクライナ侵攻した直後の22年3月の一時13ドル台から、

世界生産の順調な伸びがあり、24~25年の小麦生産量は7億9600万tの見込み。

「進む物流DX」

イオンは福岡市で自動倉庫を稼働すると発表し、配車にAIを活用するなど

人の作業時間を3割減らし、30年までに全国に広げ、配送に環境車も導入する。

福岡市のイオンの倉庫ではトラックが倉庫に着くと、

19台のロボット台車が荷物を受け取って、自動でレールに沿って走り、

高さ6mの棚に商品を積んで、人手を介さずに作業が出来る。

AIが車両の走行状況や積載量の情報を分析し、トラックが短時間で配送するルートを

見つけたり、余裕のあるトラックを自動で手配し、走行距離を2割減らせる見込み。

くら寿司は年内に活魚専用の小型水槽を導入し、漁港から活魚を積んだサバなどを販売する。

小型水槽の活用で活魚と他の水産物との混載も可能になり、

物流コストが10分の1に、運転手不足に対応でき、鮮度の高い寿司を提供できる。

小型水槽を使うことで2トンや4tトラックの運搬も出来て物流コスト削減に大きく貢献する。

今後は食資源の高騰、原材料の値上がりが続く中で、

食品の原材料の手配、物流、商品の加工・調理、販売のバーチカルな運用に

AIの活用が欠かせなくなり、商品力の強化につながっている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<おつまみセット>

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