小売業の変化に対応、変わらぬ視点

「街角景気改善で人手不足深刻」

内閣府発表の8月街角景気判断指数は、

前月から1.5ポイント上昇、49.0となり夏休みの旅行需要の伸びが効いた。

判断指数が上昇したのは飲食関連が大きく6.4ポイント改善し47.3、小売りサービスも上昇した。

2~3カ月先の先行き判断指数は2.0ポイント上昇し、50.3だった。

街角景気の改善に関連して人員獲得へ競争が激化している。

アルバイト時給が一段と上昇し、8月のアルバイト・パートの募集賃金は

三大都市圏で前年同期比34円増の1190円だった。

時給の上昇は地方などで目立ち、8月の全国集計の時給は、

1151円で増加額は39円で、地方の時給底上げが目立っている。

都道府県別では東京が1268円で最高で、最低は宮崎県の1011円だった。

小売りや外食など消費の現場の人出不足は深刻になっており、

イオンは2030年までに4000人の外国人をグループ企業を通じて受け入れる。

同社では現在グループで1500人が特定技能外国人を雇用しているが、

24年3月には飲食製造業分野は工場だけでなく、食品スーパーの惣菜製造が可能になっており、

同社では傘下の人材紹介会社を通じて商業施設の清掃や総菜製造などの業務に応じて、

各グループ会社だけでなく、他社にも紹介するサービスを始める。

「小売り各社の個店MD&販促」

セブン&アイHDがコンビニと食品スーパーを融合した新型店「SIPストア」の開業から半年、

新たな取り組みとして「べジBOX」と名付けて野菜の詰合せをワンコインで販売し、

取引先の厚意で、市場で発生する半端な野菜などを詰め合せている。

地元産品も積極的に並べ、千葉県野田市に本店があるホワイト餃子はSIP限定品として人気がある。

福岡県の西部に位置する糸島市に圧倒的な集客力を誇る農産物直売所「伊都菜彩」がある。

最も大きいのは品揃えの多さで、次期によって違いがあるが毎日700~800品目が並び、

それを可能にしているのが、糸島市の農業スタイルで登録会員は農家や畜産農家を中心に

1500人おり、品揃えの豊富さを支えている。

そこで出荷量の判断になるのが、販売時にレジでバーコードをスキャンすることで、

指定された時間にどれだけ売れたかをメールで知ることが出来、

売切れればすぐに収穫して補充することが出来る。

オーガニック食品を展開するイオン傘下の「ビオセブン」は、

2021年に戦略をゼロベースで見直し、転換したことで既存店売上は年2桁成長を続ける。

ビジネスの方向性が高年収の既存顧客を意識したものから、

もう一度ゼロベースで見直し、何かを良くしたり、毎日をちょっとプラスにすることに

価値を感じる人に注目し、オーガニックで食の楽しさを広げたいと思う人を中心に捉える。

オーガニックの間口を広げ、ナッツ類の量り売りなど好きなだけ変える仕掛けを設け、

まるでマルシェのように買い物を楽しめる店づくりをした。

富山県地盤のスーパー、アルビスと大阪屋ショップが

毎週木曜日に65歳以上の顧客を対象に購入金額から10%割り引くサービスを始めた。

アルビスは「プラム友の会」、大阪屋ショップは「シルバーカード会員」が対象、

背景にあるのが、北陸の高齢者比率の高さと、ドラッグとの競争激化がある。

アルビスによると、木曜割引を始めて以降に洗剤や紙類など日用品の売上が好調という。

日本国内人口は50年までに減少傾向が続く。

小売り店舗は増加していく中で、業種を問わず競争は強まり、

規模に集約されるか、ブルーオーシャンを見つけて進む方向で生き残りを図る。

その中で変わらないのは顧客にとって、従業員にとって良いことかどうか。

この変わらぬ視点が問われる時が来ている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<秋の煮物>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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