景気拡大における食資源の課題

「国内景気拡大は7割」

「社長100人アンケート」では足元の国内景気は「拡大」が7割強となり、

3カ月前の「緩やかに拡大」から拡大の認識が強まった。

厚労省が発表した6月の実質賃金が2年3カ月ぶりにプラスに転じ、

個人消費の回復を期待する声が強まった。

半年後の国内景気についても、「拡大」が76%と先行きへの期待が強まった。

経営を左右する為替相場については主要企業経営者に聞くと1ドル¥135が理想が多い。(日経)

猛暑8月の外食主要企業33社の実績は31社の既存店売上が昨年を上回った。

特にファミレスや牛丼店、麺・科アレーなどは2桁の伸びを示し、

客数・客単価共に堅調で、個人消費の強さを感じさせた。

中でもファミレスのサイゼリヤは既存店売上が22%増とコスパの強さを示した。

「日本の食をどう守る」

各地の店頭において「コメ」が消え、「令和のコメ騒動」と揶揄されたが、

コメの縮小均衡を目指した日本のコメ政策にほころびが見えた。

日本の農家は65歳以上が占める割合が2022年に7割を超え、

担い手の減少や高齢化、農地の縮小などが重なり生産基盤にほころびが広がった。

国外においては日本食の人気や世界的人口増加による食料不足が広がっている。

2024年産の外食・業務用のコメは基準価格が3~4割上昇し、

各社はコメ確保に追われている。

JAグループが業務用として使われる銘柄米の概算金を決めた中で、

青森産のまっしぐらは前年比39%高の1俵1万5000円、

宮城県産のひとめぼれは38%高の1万6500円、茨城産コシヒカリは42%高の1万8000円となった。

コメ不足は米菓業界においてもコメの調達に影響を及ぼし、

米菓の原料となる粒の小さい特定米穀(くず米)の価格も高騰し、

米国各社は値上げの少ない輸入米の採用を増やす対応に急いでいる。

輸入米の調達数は2023年11月~24年6月で前年同期比92%増、6月単月では2.3倍となった。

鶏卵の卸値が8月に2割上昇、8月としては20年ぶりの異例の値段となり、

スーパーに並ぶMサイズはJA玉子1kg260円でで推移、23年11月以来の高姉になった。

暑さで供給が絞られる一方、需要は力強く価格高騰に輪をかけた。

全国スーパーの日経POSデータでは鶏卵の平均価格は8月で199円で前月比2%高。

ノルウェー産サーモンが大幅に値下がりし、産地からの輸出価格は4月上旬に比べ

4割下がり、豊洲市場の卸値や小売り価格も3割値下がりした。

空輸冷蔵品は9月上旬の輸出価格は1kg当り約970円と大幅に値下がりした。

大手スーパーの小売価格は100g¥400~¥500前後で展開されている。

秋の大衆魚について、全体的に豊漁で値下がり傾向にある。

戻りカツオは8月から三陸沖で漁業が好調で豊洲市場で1kg当り700~800円、

サンマの漁獲量は5割増で1尾¥200前後になり、

スルメイカは青森や岩手で漁獲増だが、価格は高値で横ばい、

鮭は9月下旬から漁獲増で10月以降、豊洲市場で1kg当り¥1250前後と値下げが期待できる。

秋の大衆魚が増えた理由は不明の点が多いが、今後も期待出来そうだ。

食資源について世界人口と気候変動に伴う食糧不足回避に黄信号が灯り、

その解決策として注目された培養肉や植物肉など代替え食は伸びが鈍っており、

既存の食品の味や価格を乗り越える課題は大きく、時間がかかっている。

大豆から作る植物肉大手の米ビヨンド・ミートの業績は24年4月~6月期で赤字に陥り、

商品は大豆臭さが残るなど風味に課題が残る。

世界の人口が50年には100億に迫り、食料の飢えを解決する「フードテック」の重要性は高い。

気候変動による不作は平均気温がセ氏2度上がると世界の穀物生産被害は800億ドルに達し、

特に食料自給率がCalベースで4割未満の日本ではテコ入れ策が急務になっている。(日経)

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<5つ味のマグロ尽くし>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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