小売りのスタイルと盛衰

首都圏地盤のDS、オーケーは11月関西1号店を出店した。

関西地域の「関西スーパー」の争奪戦を繰り広げた地に、

「毎日安売り」のEDLPを特徴に自力出店で挑戦する。

社は期間特売をしない営業で、品揃えを絞り込み大量販売をすることでDSを実現する。

関西勢は伝統的な「ハイ&ロー・プライス」が中心の営業政策で対応するが、

今後、消費者が品質と価格のコスパ比較をどのように判断するか、が勝敗を決める。

イオン傘下のUSMHは30日、東京地盤のいなげやを経営統合する。

統合後の売上高は9000億円強とSM国内最大手となり、

商品の一括仕入れや人事の統廃合など効率化を更に進める。

同社は各4社のSMが緩やかな連携で各社の自主性を重んじるのが特徴で、

統合後の屋号はそのままで、地域ごとの個性を強みにした経営を継続する方針だ。

USMHの24年2月期の収益は7066億円で、発足時16年2月期から増収率は6%に留まり、

今上期は赤字決算になっている点が課題だ。

東急ストアはローソンと提携し、二子玉川駅構内に無人コンビニを開店し、

棚から商品を取ってそのまま店外に出るだけで清算が出来るウォークスルー型店で、

2025年3月期までの期間限定で、利用者の反応やオペレーションを検証し、今後の出店につなげる。

店舗は17平方mでおにぎりや飲料、菓子類など380品目を揃えた実験店舗だ。

埼玉県地盤の丸広百貨店「まるひろ川越店」は4年間の改装工事を終えて、

物販主体の「百貨店」から心地良い時間を過ごすことを重視する「百過店」を掲げ、

レストランの営業時間の延長や地域最大のベビー休憩室など、

幅広い世代がくつろげる店づくりを心掛けた。

同店は1951年に開業し、本店と別館を持つ地域一番店だが、

24年2月期の売上高は210億円と前期比で4%の減収になっている。

セブン&アイ傘下の「イトーヨーカドー春日部店」が先月閉店した。

同店は1972年に開店し、最盛期は売上100億円のGMSで、

春日部市を舞台にした人気アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する

「サトーココノカドー」のモデルで、ファンからは”聖地”として親しまれた。

小売店の盛衰は売上規模だけでは決まらなく、

時代の消費ニーズに合った店・売場・商品づくりが決め手になっている。

「人手不足環境、早くも春闘始まる」

家電量販店のビックカメラは12月支給分から正社員を対象に6%の賃上げを実施する。

又、外食焼肉の「物語コーポレーション」も11月から11%の賃上げを実施した。

今回の賃上げは例年の5月から前倒しして業績を迅速に賃金に反映し、

春期労使交渉では働き方や福利厚生の改善について交渉する。

女性の正社員が増えており、24年上半期の正社員数は15~64歳で1241万人、

03年以来21年ぶりに非正規社員の数を上回り、5年連続で最多を更新した。

24年までの10年間で女性正社員比率は6.2%上がり50.5%となり、264万人増えた一方、

非正規は11万人減って49.5%になった。

人手不足環境から企業が女性社員の採用を増やしており、

結婚・出産後も仕事を続ける女性が増えていることが大きい。

今後の課題は、家事・育児と仕事を両立できる環境の更なる整備になる。

人手不足環境は今後の日本経済を大きく左右する要因になる中、

国会では「103万円の壁」について議論が始まっているが、

30年前と変わらない制度自体に問題があり、時代に合わせて変更が必要になっている。

経営のヒト・モノ・カネの中で、ヒトのウェートが今後も大きくなり、

店舗でヒトを生かすオペレーション・経営が益々重要視される。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<サンドイッチオードブル>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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