「景気と雇用」
毎月、内閣府発表の街角景気DIは10月より1.9ポイント高い49.4だったが、
判断の分かれ目である50を9か月連続で下回り、景気が良くないと感じている人は多い。
家計動向は49.6、小売り関連は49.2、と天候と気温高で客数は増加しているようだ。
2~3カ月先の先行きDIは1.1ポイント高い49.4で、家計関連は49.5、小売り関連は48.2で、
景気回復が企業や消費者に感じるにはまだ遠い。
日銀が発表した12月短観では製造業が前回の9月より1ポイントと小幅改善、
非製造業は1ポイント悪化となる中、
雇用状況が「過剰」から「不足」を引いた雇用人員DIは、
大企業・全産業でマイナス28、中小企業・全産業ではマイナス40と中小では深刻になり、
雇用が大企業・中小を問わず産業のカギになっている。
「食品スーパー同士・ドラッグとの闘い」
首都圏地盤SMのオーケーが関西1号店を開店し、
初日は300人が並ぶ盛況で、惣菜では人気の粉物系商品を関西向けに開発、
巻寿司も椎茸やキューり、玉子焼入れた太巻などを発売し、
消費者は価格の安さと味・品質のコスパは良いと評判は高い。
今後、関東と関西で2桁の出店を計画、関西では大阪と兵庫が中心となるという。
一方、大阪で向い打つ地場SMの万代は、オーケーと安さを競わず、
鮮魚や惣菜の対面販売などでの満足度を高め、万代の良さを知ってもらう。
今後は関西中心の立地を重視し、買い物に行きやすい店づくりを進める。
食品スーパーで「業務スーパー」のフランチャイズ中心に店舗展開を進める神戸物産は、
2024年10月売上高は10%増の5078億円、営業利益は」12%増の343億円を
2025年は売上高3%増、営業利益10%増、といずれも過去最高を更新する見通しを発表。
業務スーパーの売上3分の1を占めるPB商品がSNSやテレビなどで取り上げられ、
ここ数年は相対的な割安感からファンが多く、既存店売上が伸びている。
業務スーパーのPBは輸入品多く、円安が一服してきたことがコスト削減につながると見ている。
日常の消費について、インテージが買い物集計を分析した中で、
ドラッグストアの市場規模が2023年までの10年間で5割増え、約6.3兆円になった。
10年間の構成比では食料品が6ポイント高い30%に、日用品雑貨が4ポイント高い22%に達した。
ドラッグは食料品や日用品の低価格を武器に、24年に入っても好調が続いている。
食品スーパーはSM同志の中で価格の安さと品質、サービスを競っているが、
価格面ではドラッグとの競争もあり、味・品質・サービスを中心にした競争がカギになる。
「新世代消費の台頭」
大学生など若者でにぎわう居酒屋チェーンが、
「新時代」「とりいちず」「それゆけ!鶏ヤロー」は日経MJで取り上げられ、
メニューは鳥皮の伝串¥55、テキーラ水鉄砲¥299、メニューは全て鶏、など
低価格と店内イベントを特徴に賑わっている。
客層を若者に絞り、若者の価値観を重視した店づくりは中年以上の嗜好には会わないが、
市場が細分化した中で成り立つことを示している。
ヒット商品づくりで、企業が需要予測や顧客分析などマーケテイングでは分からない、
たまたまの情報やSNSでヒット商品になるケースが起きている。
ミスタードーナツの「焼ポンデ作り」や冷凍フルーツを氷水に入れる「氷タンフル作り」
共通しているのは、自分でカスタマイズした食べ物への関心の高さで、
その食感が別の食べ物にも手軽に簡単に出来ることをSNSで広がりヒットしている。(日経)
国内の景況感は変わらないが、雇用では人手不足が続く。
小売業では異業種競争時代に入り、自社の特徴・ポテンシャルを打ち出すMDが求められており、
それは全ての顧客を対象には無理があり、顧客の絞り込みも必要になっている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<ポムドノイル>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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