消費の多様性、ニーズの細分化に対応するMD

「消費ニーズに対応するMDの変化」

日経MJによるとスーパーのバイヤーを対象に、2025年の市場について聞いた。

最も期待が大きかった食品は冷凍食品が4年連続で一位、2位は総菜・弁当と続いた中で、

冷食は主食とおかずを1皿に盛付けた「ワンプレート冷食」など幅広く登場した。

世帯数の増加やライフスタイルの変化で冷食の活用は拡大するとの声が多く、

新製品の開発をメーカーに強く要望すると答えたバイヤーは70%と多かった。

消費者の時短ニーズを反映して、中食商品と手軽に作れる即席関連の商品が順位を上げた。

 

ピザ宅配大手のドミノ・ピザは東京の商業施設のフードコートに出店し、

宅配はせずに昼食などに需要に対応する戦略を始めた。

スーパーではピザが日常的な食べ物として普及しているが、

ピザ専門店が参入することで、より消費が拡大していく事が期待される。

同社では直径15cmと小さめサイズのピザとポテトフライを組み合わせた

「ピザベントウ」¥590を主力商品とする。

国内のピザ市場は業態の垣根を超えた競争が激化しており、

ドン・キホーテは手作りピザの販売店舗を現在の60店から100店舗に増やし、

セブンイレブンも宅配ピザに参入した。

 

セブンイレブンは千葉県の一部店舗で店内調理で出来立てで提供するラーメンを始め、

しょうゆと味噌の2種類を用意する。

店内揚げのカレーパンや焼菓子などに続く店内食品として、

顧客の注文に応じて、麺やスープ、具材の入った容器を専用の機械に入れて

2分程すると熱々のラーメンが出来上がる。

同社のカウンターではソフトクリームやスムージーや紅茶など飲食を強化している。

 

コンビニ大手のファミマとローソンは「ワクワク感」を訴える販促などで、

事業利益で過去最高を更新した一方、セブンイレブンは営業減益になった。

ファミマの代表商品としてニンニクと豚背脂肪を多く使った

「背脂ニンニクマシマシ・台湾風混ぜそば」¥680から唐揚と焼肉を乗せた

「大盛りご飯、タルタル唐揚&ニンニク豚焼肉丼」¥638など、

1品で900KCALの商品を8品を揃えた。

 

ローソンは「悪魔のおにぎり」を復活させ、

「やみつきフェア」と称してチーズやニンニクを使った商品9品を売り出した。

ストレス解消にカロリーの高い商品への注目が集まっていることに着眼し、

背徳商品を開発して来店動機につながった。

 

コメ不足が騒ぎになる中で、脚光を浴びて来た商品として「もち麦」があり、

コメと一緒に炊いてご飯を増量する点や健康にも良いことから注目された。

大麦には「うるち性」とモチ米と同様粘り気の強い「もち性」のムギがあり、

はくばくが「もち麦」としの名前で2012年に発売した。

もち性の大麦は食物繊維が多く含まれ、コメと一緒に炊くことを想定して開発され、

同社は更に大麦の粒を真ん中の黒い線に沿って半分に切断したことで、

炊いた時の見た目がコメとほとんどわからないようになった。

24年4~9月のもち麦の売上は前年比20%増、半分をカットした新商品は66%増と好調。

 

節約消費が広がる中で、消費の多様性、コスパやタイパなど新たなニーズが広がり、

単品大量販売から売れる商品は個人にニーズに沿って枝分かれしている。

商品開発は分かれたニーズを捉えたMDが必要になって来た。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<十二単巻寿司>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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