「商品開発に新発想&DX」
消費停滞環境の中で、商品開発の重要性が問われている。
ローソンが部門を横断した商品開発に乗り出し、商品本部全体からアイデアを募り、
昨年は約500件の案が集まった中で「進化形からあげクン」を発売した。
チキン惣菜「ねぎインからあげクン」と「しょうがイン唐揚クン」¥268で
からあげの中にネギや生姜の薬味を混ぜ込んだ商品。
間食の他に夕食やおつまみとして需要を取り込むことで販売は好調だ。
商品開発に柔軟な発想で顧客の不満を発掘し、1年先でも売れる商品を目指す。
商品開発には売場における顧客情報が欠かせないが、各店の顧客の声をどう集めるかが課題。
衣料専門店のアダストリアは売場スタッフが顧客の声をスマホに話しかけ、
その声データはAIによって文字化され、内容ごとに情報を分類して分析する。
売場情報を手書きやパソコンに入力する時間を現場に求めることは難しく、
この仕組みは「スタッフボイス」として、現場の持つ情報を商品開発に生かす。
「業種間の壁を超えた店づくり」
先週、埼玉県狭山市にディスカウントストア「クルベ」(ベルクの反対)が開店した。
開店日は入場制限が出るほど顧客が溢れ、道路渋滞が激しかった中で、
キャベツ¥129、かつドン¥299,唐揚弁当¥199など従来の単価を超えた価格設定。
すぐ横にはヤオコー入曽店があり、従来のスーパーに対抗した店づくりで今後が注目だ。
埼玉県地盤の食品スーパーのマミ―マートは
生鮮食品の品揃えを強化した新業態「生鮮市場TOP」と低価格が売りの「マミープラス」の2業態を今後の出店に力を入れる。
生鮮市場TOPでは料理好きをターゲットに生鮮品を拡充、イチゴでは複数の品種を用意し、
精肉では生ラムや鳥のトサカなど珍しい商品を扱う。
牛は1頭買いで希少部位マイノミやミスジなども販売し、味付け肉や大きめのブロック肉や
価格面では大容量パックや箱売りで単価を上げ、週に1回のまとめ買いを取り込む。
北陸・中部が地盤のドラッグ「ゲンキ」はコンビニを意識した店づくりを出店する。
500円以下でコンビニより充実した惣菜や弁当が買えることをコンセプトに
ハンバーグ弁当¥247,サンドイッチ¥106、天然水¥51などの価格設定で
過疎地などの不利な立地でも収益を出す「低酸素経営」として年間50店の出店を目指す。
同社はプロセスセンターなど自社で管理する範囲を広げ、費用を徹底的に抑制、
節約志向の消費者に応える戦略を貫く。
「水産資源の効率化」
養殖は計画的に安定供給ができる利点があり、水産各社が拡大を図る中で、
マルハニチロは天然マグロを半年間だけ養殖する「短期養殖」を増やす計画。
日本近海でとれた100kg近い天然マグロをいけすに集め、
サバなどの餌を与えて半年間かけて150kgに育てて出荷する。
完全養殖や通常の養殖に比べ、餌代や自然災害のリスクが減るのが利点。
イトーヨーカ堂はサーモンの陸上養殖を手掛けるひらやまと連携し、
先ずは東京都などの5店舗で販売する。
ひらやまの養殖サーモン「桃太郎サーモン」をイトーヨーカ堂大森店や
ヨークフーズ新宿富久店など5店舗で売り出した。
ひらやまの陸上養殖システムは天然地下水をかけ流しで使用し、
温度調整や水の殺菌設備など大掛かりの装置が不要で、投資額を押えられる。
又、地下水を使用する為に赤潮等の被害はなく、臭みのないサーモンに育つのが特徴。
消費停滞に求められるのは既存の発想からの転換。
既定路線を超えた発想からの情報が商品開発や売場に生かすことが重要になって来た。
その中でAIの導入・活用が小売業にも必須になって来た。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<彩り手鞠寿司>
*街角通信は毎週1回、配信しています。
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