「食品スーパーの業績と政策・動向」
スーパーの決算が発表される中で業績はまだら模様、
関西地盤のオークワの2月期連結決算は従来予想から下方修正し23億円の赤字となった。
売上高は前期比1%増の2501億円で、従来予想から38億円の下方修正、
今後の収益改善策として、店舗の特色を打ち出すことを通じて来店動機を作り出していく。
業務スーパーを運営する神戸物産が発表した24年11月~25年1月の連結決算は
純利益が前年比92%増の105億円だった。
多くの食品や日用品が値上りする中、大容量で値ごろ感のある商品が好調で、
売上高は10%増の1324億円、直営店とフランチャイズで計1094店舗を運営する。
ヨークベニマルは福島県郡山市に衣料品売場を導入した「ヨークパーク」を開店、
ベニマルにとって衣料品は約40店舗で扱っていたが、
今回は1600平方mの売場で地域一番を目指す。
食品売場も鮮魚売場に初めて水槽を設置して活魚を提供するなど他店とは一線を画し、
得意とする惣菜売場は同社の中では最も広く、ヨークHDのGMS復活の旗艦店を目指す。
東急ストアが都心の三軒茶屋店改装で総菜調理や水産売場をフルオープンにし、
食品スーパーの劇場化で新たな成長モデルづくりを目指す。
米飯売場ではランチ需要としておにぎり、弁当の品揃えを広げ、
週末やハレの日にはご馳走メニューの強化を図る。
その他、生鮮部門のデリカ化を進め、水産で仕入れたアジをフライにして販売することや
売場もまな板が見えるぐらいのフルオープンにして劇場型スーパーを目指す。
兵庫県に9店舗運営するヤマダストアは、多くのスーパーに並ぶNB商品はあまりなく、
自社のこだわりPB商品が主力のMD政策で、24年12月期の売上は19年比7割増だった。
PB用品では「搾乳日までわかる低温殺菌牛乳」で搾り立ての風味を出し、
同社に信頼を寄せる消費者は2000円を超える「プチ贅沢品」を購入して違いを図る。
物価高が進み、節約消費が叫ばれる中でその板挟みで業績が低迷するスーパーと
商品づくりに手間暇かけて価格はNBよりは高くても、
味・品質や健康にこだわった商品は消費者から支持されており、
そのMD政策はローカルスーパーにとって消費者から支持を得て、差別化につながっている。
「物価高に対する資源管理」
水産物の値上がりに対し、水産庁はブリ・イカ・サバについて漁獲規制を強める。
持続可能な漁業を目指して乱獲による資源枯渇対策で、
ノルウェーのように水産業を成長産業に育てることを目標にする。
ブリについては2025年から漁獲枠を決め、年10.1tと決めて4月以降に実施、
スルメイカは前年より76%減の1万9200tに、サバについては7割減の11万tで調整中。
ノルウェーは1980年代に資源管理を導入し、水産物で世界トップの輸出国になった。
同国代表のサーモンは2024年の輸出額は約1兆7600億円、前年比0.3%増と過去最高、
3月下旬のサーモン産地価格は1kg当り¥1280と前年同期より2割ほど安くなっている。
サーモンは全国の寿司ネタ人気で1位、又、国産サーモンは水揚げの最盛期を向かい、
ノルウェー産と合わせてサーモン人気は続きそうだ。
高騰が続くコメは農林水産省によると、茶わん1杯(約150g)で234Kcal、
価格は¥20.9となり、1年前は¥9.8だった為、この1年間で2倍に跳ね上がっており、
一方、食パンは6枚切りの1枚当り164Kcalで¥18.6になる。
食パンはコメに先行して22年以降、段階的に価格の引き上げになり、
この1年間での店頭価格は4%上がっているが、コメより安くなっている。(日経MJ)
物価高の代表であるコメの消費は今年1年も減少する中で、
備蓄米放出効果より、25年新米によって値下がりが予想され、
今後は政府のコメ政策が課題となってくる。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<お花見弁当>
*街角通信は毎週1回、配信しています。
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