消費ニーズの多様化に沿った商品提供とは 

「企業物価の上昇と倒産」

コメ価格の高騰の影響が食料品に波及して来ており、

日銀発表の3月企業物価指数は126.0と前年比4.2%上昇、49か月連続の上昇となった。

コメを加工した食品の伸びが大きく、コメの値上がりが要因になっている。

寿司・弁当・おにぎりは12.4%上昇で2か月連続の10%を上回った。

2月の消費者物価指数で食料品は7.6%の上昇となったが、輸入物価は落ち着きつつある。

 

東京リサーチは24年度の全国企業倒産が前年比12%増え、1万144件だったと発表、

中小・零細企業の倒産が多く、従業員5人未満が7702件と76%を占め、

人手不足や人件費割合が高いサービス業の倒産は12%増の3398件となった。

その中でラーメン店の倒産は前年比25.3%減の47件で、

小麦粉や肉などの原料高は一巡したと見られるが、

ラーメンの値上げが客離れにつながったケースが多いという。

 

ドラッグ大手のウエルシアHDとツルハHDが当初計画を2年前倒しで企業統合を決めた。

国内のドラッグは人口減で店舗の飽和感が出ており、

24年にネット通販大手が処方薬関連サービスを拡大し、競争激化への危機感がある。

経営統合によって売上は32年2月期に3兆円を目指し、3年で500億円の統合効果を期待する。

両社はイオンと組んで食品販売を強化し、調剤販売との相乗効果を高め、

スーパーとドラッグとの異業態競争は更に高まり、スーパーの再編にも大きく影響する。

 

「小売り・外食で効率化追求」

楽天グループは小売りや外食企業にAi活用を進めており、

大量の顧客データや購買情報をAiで分析し、客離れの兆候を予知・対応を促す。

富山県地盤の大阪屋ショップは楽天ポイントカードを導入し、

顧客の属性や販促日の来店動向、生鮮食品の購買頻度など169項目に分けて分析し、

顧客流出との相関関係を分析すると、

大きな販促をした火曜日に来店頻度や生鮮品の購買頻度が落ちた顧客は

他店に流出しやすい傾向が分かった。

流出しやすい顧客に対しては割引クーポンを発行して購買金額を増やす対策を打った。

 

外食大手のワタミは隙間時間を使って働くスキマバイト仲介アプリのタイミ―と

業務提携してスキマバイトを全面的活用して、

午前中の開店準備や昼食客でにぎわう時間など、店舗運営に必要な人員をタイミーが手配し、

店舗で経験を積んだスキマバイトをタイミーは正社員に採用して派遣する。

人手不足環境で正社員の他にパートタイマー、アルバイト、スキマバイトと

働く時間を効率的に活用していく事が重要になって来た。

 

「消費ニーズの多様化にマッチする商品提供」

物価高が続き節約消費が高まっていると言われる中では、

外食支出を抑えるのがこれまでのパターンだが、外食各社の動向では当てはまらない事例が

出ている。(日経MJ)

ロイヤルHDによると、同社の「シズラー」「ロイヤルホスト」「てんや」の店舗で、

単価の高い業態ほど伸び率が高い傾向があるという。

同社では賃上げが6%ペースで3年続き、購買意欲が高まっている中で、

消費者は全体的にバリュー勝負だったが、お値打ち感を求める消費志向が高まっていると

分析する。

 

値上げが続く小売り・外食企業の中で、消費に力強さを欠いているとの見方が一般的だが、

外食の中では値上げで単価は上がっているが、客数も伸びている「好況感」も出ている。

あくまで全企業に当てはまる事ではないが、この傾向は多くの企業で見られる兆候で

消費者は家庭料理より割高だが、多くの幸福感・満足感を外食・小売り店に求めている。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<おにぎり弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しています。

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