「消費マインドの変化」
日本百貨店協会が発表した3月の全国百貨店売上高は
既存店ベースで前年同期比2.8%減、2か月連続で減少した。
免税売上が10.7%減と2022年以来3年ぶりに前年を下回ったことが響き、
円安を追い風に急伸したインバウンド効果が一巡し、
インバウンドの購買客数は13.4%と伸びたが、1人当りの購買金額は21.3%減だった。
免税品の内容は一般物品の売上は16.4%減の一方、化粧品や食料品に需要がシフトしており、
これまで大都市が地方のマイナスをカバーしていたが、3月は大都市の落ち込みが大きい。
日経MJがまとめた主要外食32社の3月既存店売上高は25社が前年を上回り、
物価高が続く中で節約志向が高まり、値ごろ感のあるメニューを揃える企業が好調だった。
各社共に原料高や人件費上昇を受けて価格転嫁に取り組む中で、
客数が減少した企業も多く、価格設定の難しさが浮き彫りになった。
好調はすかいらーく14.6%増、サイゼリア14.4%増とモスフードサービス10.5%増、
スシロー11.1%増、ハイデン日高13.2%増など2ケタの増収となった。
値上げに合わせTV販促や割引セット商品の打ち出しなど、並行した販促に効果が出ている。
外食消費が二極化しており総務省家計調査において、
2024年の2人以上世帯の消費金額は過去最高になったが、単身世帯は右肩下がりで回復していない。
飲食店も業態で明暗が分かれ、FF店はコロナ前を上回るのに対し、
居酒屋は7割に届かなく、内需の回復はまだら模様の状態。
業界では、年金受給者の単身世帯などでは節約志向が強まっている可能性が高いと見ている。
リクルートが働く人のランチに関する調査において、
外食の平均単価は¥1250,コンビニやスーパーなどで購入単価は¥624,
自炊・手作り弁当の場合は¥432で、手作り弁当は昨年から1.5ポイント増だった。
ランチをどのように食べたかの問いに対し、
自炊が最も多く31.4%、手作り弁当が20.7%1.5ポイント増、小売店で弁当購入は20.7%の
0.3ポント増に対し、外食店の食事は7.7%の微減だった。
明治HDが埼玉県水産物卸市場にオープンした「明治ザ・ステナイファクトリー」では
賞味期限が迫ったヨーグルトや乳飲料を販売、週末を中心に多くの消費者が来店する。
買物客からは「フードロス削減の取り組みに協力したい」などの声も聞かれ、
消費者の立場から安心した商品を出来るだけ安く買えるメリットを感じている。
「変化に対応する小売業」
北海道内の大手スーパー3社の2024年決算で増収減益となり、
デフレ下で成長路線のスーパーは転機を迎えている。
スーパーの多くはスケールメリットを狙って低コスト高収益を追求してきた中で、
モノの価格や人件費上昇のインフレ環境に適応する新たな課題に当たっている。
消費者は価格上昇に見合う品質の商品「納得価格」を望んでいる。(日経MJ)
沖縄県で24時間スーパー「ユニオン」を展開する野嵩商会は
生鮮食品に特化した新型店の展開に乗り出した。
那覇市内に出店した「スカラ」は、加工食品や一般雑貨を絞り込み、
生鮮食品・総菜で6割の売上を狙い、大容量・低価格で消費者の支持を集めている。
営業時間もAM9:00~PM9:00までと営業時間を絞り、野菜は地元農家から仕入れるなど
低コスト運営によるスーパーを目指す。
消費環境はデフレからインフレへ進む中で、家計収入が追い付かない世帯も増えており、
価格が安ければ何でも良いわけではなく、
この商品価値でこの価格を求める納得消費が強まっている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<牛・握り寿司>
*街角通信は毎週1回、配信しています。
コメント