変わる経済・消費と対応する商品・店づくり

「賃上げ率と消費景気」

日経まとめの2025年平均賃上げ率は5.49%で、製造業で一服感が出て伸び率は横這いとなった。

定昇とベースアップを合わせた賃上げ率は1991年以来の高さだった24年5.57%から0.08ポイント

下がり、低下は4年ぶりとなった。

これまで賃上げをけん引して来た製造業は5.72%と0.39%低下、

非製造業は0.51ポイント上昇の5.13%と賃上げの拡大局面が続く。

一方、企業全体では所得の伸びが物価に追い付いていなく、24年の実質賃金は23年比マイナス

0.2%、25年3月も前年比1.5%減と3カ月連続の減少となった。

 

企業が利益を人件費にどれほど振り分けているかを示す労働分配率は、

24年度に大企業は43.4%、中小企業は75.4%と大企業に比べ分配率の引き上げ余地は小さい。

 

三越伊勢丹HDは2026年3月期の連結純利益が前期比14%増の600億円の見通しと発表、

インバウンド向けは鈍化する一方、国内高級品需要が堅調に推移すると予想しており、

インバウンドは円高進行が響き、内外の価格差縮小から靴やバッグの高級品の販売が鈍り、

客数は増えているが客単価は落ちて来ると見ている。

都心百貨店は企業の賃上げ動向とはあまり関係なく、自店客層に支えられているようだ。

 

2O子会社の関西フードマーケットは4月下旬に宝塚市内に高級スーパーを開店、

対面で鮮魚をさばいたり、急速冷凍フルーツの販売など百貨店並みの」サービスで、

同社の高級スーパーは阪急オアシスが担当し、競合スーパーとの差別化する。

一方、同社は大阪市内に低価格スーパー「関西スーパーデイリーマート市岡店」を開店した。

「衝撃プライス」のPOPで価格訴求する戦略店舗で、

顧客の消費多様化に対し各企業の特徴を意識した店舗開発で対応する。

 

「消費ニーズの多様化に対応する商品開発」

セブンイレブン・ジャパンは小分け惣菜の「カップデリ」で、

6月から練り物の新シリーズ「カップネリ」を発売する。

これまでのカップデリは野菜や肉類を原材料にした商品が多かったが、

それに魚類の栄養と需要を狙って新たにカップ惣菜を開発した。

商品は「玉ねぎとお魚のおつまみ揚げ」¥321などおにぎりとの関連購入を見込む。

 

又、同社は小分け惣菜で蓋付容器をフィルム包材に置き換え、価格を50~100円ほど安くする。

従来の容器に比べ利便性は下がるが、原料高騰が続く中で値ごろ感を訴求して需要を広げ、

「パックデリ」の名称で枝豆やアンチョビガーリックポテト、紅ショウガ天など

今夏まで6~7品を増やし、¥198~¥258でおつまみ需要を開拓する。

今後、手間をかけた惣菜は従来のカップデリで続け、単品系の新容器で割安に提供する。

 

冷凍の長期保存と冷蔵の新鮮さの良いとこ取りを狙った食の流通にスタートアップ企業、

「ZEROCO」(ゼロコ)は生鮮品の保管温度を0~3℃、湿度100%に保ち、

北海道の」「雪下野菜」と同じような環境で、梨やリンゴは1年以上、

人参は10か月、ブリやカンパチは3週間保存できる。

食品の冷凍はその過程で細胞が壊れ品質低下につながるが、同社の技術を通じて

食品流通のムダを無くし、農家や生産者の所得拡大につながると見ている。

 

経済環境が激しく変わる中で、消費ニーズは細分化し多様化しており、

商品開発は用途に応じて細分化し、企業は大多数の顧客対象から絞られた顧客に

支持される店づくりへと変化対応している。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<お酒の友・おつまみセット>

*街角通信は毎週1回、配信しています。

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