節約消費と猛暑に対応する店舗 

「景気・消費の変化に対応」

日本百貨店協会発表の6月全国百貨店既存店売上は前年同月比7.8%減の4615億円、

新型コロナ禍の21年以来の4か月連続の前年割れとなった。

特に免税店売上は高級ブランドを含む一般物品の売上が減少、1人当りの購買は31.2%減少、

国内売上も2.8%減少の5カ月連続の前年割れで、

物価高や諸費用の増加で消費に慎重になっている面がある。

 

猛暑で家中消費が熱を帯びている。

ウーバーイーツの7月注文件数は前年比増で、7~13日の1週間は5月以降最高になった。

出前館も7月の注文件数は6月比5%増、アイスや飲料、カレーなどの辛い料理に注文が多い。

又、ネットスーパーにおいても楽天は足元で飲料などのケース買いが目立ち、

重い商品を購入し、買い物の為に外出を控える消費が増えている。(日経)

気象庁によると7月の国内平均気温は平年より2.89度上昇し、統計以来最に高かった。

 

外食大手が冷凍食品の外販を拡大する。

「大阪王将」のイーアンドHDは生産能力を2割引き上げ、

すかいらーくHDや吉野家HDは自社製品の取り扱い店舗を増やす。

吉野家HDは冷食の販売店舗を30年2月期に1万4000店と26年2月期5割増を計画、

すかいらーくHDは8月に中華のバーミヤンで麺類の冷凍食品を新たに投入する。

但し、スーパーの冷凍食品売場では冷食大手の商品が多く、外食の入り込む余地は少ない。

 

ファミマはチキン惣菜「ファミチキ」や弁当、菓子など14品目を数量限定で

約40%増量すると発表した。

全国の店舗で「お値段そのまま、デカくてうまい、ざっくり40%増量」作戦と銘打ち、

カツカレーやナポリタン、スナックやチーズケーキなどを増量する。

同社は2021年に40%増量企画を始めて今夏で5回目となり、夏休み期間に友人や親戚が集まる

機会が増える時に複数人でシェアしながら楽しんでもらう狙いもある。

 

日銀が13日に発表した7月の企業物価指数は126.6と前年同月比2.6%上昇、

4月の4.1%上昇の伸び率から縮小がしている。

7月の企業物価指数の伸び率が落ち着いてのは前年比で原油価格が下落した為で、

政府によるガソリン補助金も価格を押し下げる方向に働いている。

 

「小売店舗の成長戦略」

ファミリーマートは生成AIを使った販売予測システムを導入、

日々の売れ行きや客数をAIが分析し、品揃えの改善策をリポートにまとめ、

各店を管理するスーパーバイザーや店長はAIの提案を基に販売計画を作成する。

新システムはリッチや通行量、売上規模など100項目超の項目を整理し、

各店の特徴が似ている「類似店」を絞り込み、その中で売上げが伸びている「手本店」を選定

改善店で扱いが少ないが手本店では売れ筋の商品を割り出し、提案の精度を高める。

 

セブンイレブンはレジカウンターの長さを最大4割伸ばし、

出来立てパンや入れたて紅茶などレジ横商品を拡充する。

雑誌売場を5割以上減らして冷凍食品や菓子の品揃えを増やし、

PBの「セブンプレミアム」の冷食やグミなど人気の菓子類を陳列する棚を増やす。

 

イオン系小型スーパー「まいばすけっと」は26年2月期に150店以上出店し、

来期以降はコンビニ跡地に居抜き出店を活用し、年200店以上の出店を目指す。

同店舗はFCが中心のコンビニ大手とは異なり、全ての店舗を直接運営する為、

店舗間で顧客の奪い合いが起きても、地域全体での需要を取り込むことが出来る。

 

個人消費は慎重さを高める中で、猛暑環境によって買い物動向に変化が起きている。

近くて便利のコンビニから生鮮食品や価格に優位性のある小型スーパーが挙げられ、

低コスト運営が出来るオペレーションがカギを握る。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<煮魚&煮物セット>

*街角通信は毎週1回、配信しています。

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