「丑の日商戦動向」
2025年19日、丑の日商戦が終わった中で、報道では鰻蒲焼相場ダウンが報じられていたが、
スーパー店舗の鰻重はハーフが中心で国産¥1480~¥1980、中国産¥980の品揃えで、
鰻蒲焼1尾使用の鰻重¥2980の品揃えは一部店舗の販売に限られていた。
全体の価格帯は昨年とほぼ同じ内容になっており、価格ダウンは来年の丑の日に期待したい。
鰻相場は稚魚の漁獲量に左右されていたが、水研機構や近代・東洋水産などが鰻の完全養殖に
成功するなど、着々と量産体制が育って来ている。
人工稚魚の生産費は16年の1匹4万円から24年には1800円の20分の1までになり、
今はもっと下がっており、28年頃には食卓へ出されるように期待されている。
「人手不足環境の中で時給上昇が続く」
人材サービスのエン・ジャパン発表の6月派遣社員平均時給は、
三大都市圏で前年同月比14円高い1704円と前年同月の23%上回る求人が時給を押し上げている。
求人数はオフィスワークが20.7%、販売・サービスが36.4%と全職種で増加している。
リクルートグループ発表の6月パート・アルバイト募集時給は、
三大都市圏で同月比46円高い1263円と4月以来で最高になり、
求人数は増加傾向で人材確保の為に時給の引上げ競争が続いている。
今月11日、厚労省の最低賃金審議会は25年の引上げ目安を決める議論を始めた。
政府は2020年代に全国平均賃金を1500円の目標に掲げているが、
実現には年平均7.3%上げる必要があり、大幅引き上げを裏付けるデータは乏しい。
現状の平均賃金は加重平均で1055円、最高の東京都で1163円、平均賃上げ率は5.25%だ。
一方、東京リサーチ発表の25年上期に倒産件数は前年より1%増の4990件で、
中小企業は人材流出や確保のための賃金アップが重荷となって、倒産が増えている。
上期の倒産件数としては3年連続で4000件を超え、
負債1億円未満の小粒倒産が77%と過去30年で最も多かった。
従って、今後の賃上げムードの中で余裕なき賃上げによって中小の倒産はまだまだ増える。
賃上げの原資はどうなっているのか。
企業の利益のうち人件費に回る割合を示す労働分配率は2024年は53.9%となり、
1973年以来51年ぶりの低水準にある。
規模別では資本金10億円以上の大企業は36.8%、資本金1~10億円の中堅企業は59.9%、
その他1000万~1億未満の企業は70.2%と前年より0.1ポイント上昇した。
中小企業は人手不足を背景に利益が増えるスピードを上回って人件費の上昇が出ており、
中小企業の賃上げ原資をどう確保するか、政府を含めて検討は必須になっている。
「小売り業態の新たな戦略」
コンビニのセブンイレブンは従来型のコンビニからの脱却に向けて、
コンビニと食品スーパーを融合した新型店SIPストアを開き、野菜の詰合せや子供向けの
冷凍食品などを揃えてこれからのコンビニに必要な要素を探る。
既存店では上げたカレーパンや焼き菓子、入れたて紅茶、絞り立てスムージーなどを増やす。
食品スーパーのトライアルは小型スーパー「トライアルGO」を出店し、
買収した西友を母店として弁当や寿司、スイートは西友から配送して品揃えする。
価格はボリューム感の「ロースカツ膳」¥332、おにぎり¥100~¥130と安く、
寿司や弁当は製造から時間がたつと、自動で値引きされる仕組みが導入されている。
会計はセルフレジで徹底的に省人化の店舗運営で、基本的には無人店を目指す。
移動スーパーのとくし丸は全国のスーパー140社と連携して、
買い物難民のセレクトショップとして需要の高い商品を販売している。
同社は販売支援アプリ「顧客情報の管理」として、いつどんな商品が売れたかを
可視化する販売実績を提供することを始め、まだ利用率は約16%と少ないが効果を上げている。
アプリは過去4週間の販売実績を表示し、データを活用して顧客から必要とした商品を
揃えることで売上高は平均3~5%上昇するという。
日本百貨店協会によると主要都市の百貨店は24年に19年より約1割弱伸びているが、
地方は2割弱の減少しており、地域の一等地に持つ不動産や固定客を生かされていない。
京都市の不動産会社さくらは、佐賀県玉屋の再生に向けて百貨店とホテルの複合施設として
26年完成することに取り組む。
地方百貨店が再生するには地域一体となって、異業種を含めて開発の道は始まったところだ。
人海戦術の小売り・サービス業にとって人手不足・人件費の上昇は死活問題になっており、
人手のかかる仕事はロボット化、デスクワークはAIの活用、人は接客サービスに特化する
方向で業務内容を進めることが急務になっている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<天ぷら盛合せ>

*街角通信は毎週1回、配信しています。



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