節約消費に対応する本部と個店MDミックス

「暑い夏、熱い消費」

今年の暑い夏予報が出る中で、家電販売店では猛暑対策商品が売れ始めた。

家電大手のノジマでは4月に扇風機の販売が前年比2割強の勢いで伸び、

全国スーパーの販売データを集める日経POSでは

「日焼け止剤」「スポーツ飲料」の1000人当りの販売がそれぞれ7%、10%増えた。

イオンでは4月末から全国の大型店で猛暑対策用品の特設コーナーを設けた。

又、GW期間には西日本、東日本で夏日になるところが増えるようだ。

「日経消費DI]は4月の業況判断指数DIがプラス27と4半期連続で伸び、

「外食」DIが41、「スーパー」DIが47と指数が最高だった。

1月の前回調査から7ポイント伸び、全14業種中「生活関連」企業の上昇が目立ち、

1~3月のインバウンド向け売上がコロナ前の2019年同期比でプラスになった。

3カ月後の業績見通しはプラス22と前回調査より6ポイント高い。

歴史的株高によってレジャーやイベント消費やプチ贅沢消費が伸びている一方、

普段消費は節約でスーパーの来店客の買い上げ点数は減少しており、

各社は値下げによって消費を盛り上げようと、

大手のイオンや西友、ローカルの東武ストアなどの値下げする店舗が出ている。

消費熱があっても近くに小売店舗がない「買物難民」は

65歳以上の高齢者の内、約4人に1人が食料品確保に苦労している。(日経)

農林水産政策研究所の集計では、前回の15年を基にした推計より1割増え、

内75歳以上は同年代の30%以上を占める。

買物難民は地方や離島だけでなく、都市圏にも全国の半数が存在する。

「節約消費の小売店の戦略」

セブンイレブンは5月売れ残った商品の値引き販売を全店に導入する。

おにぎりやサンドイッチ、弁当を中心に廃棄する数時間前に

20、30、50、100円引きの値下げシールを用意して「エコだ値」と名付け、

本部で推奨し加盟店で判断して実施する。

環境省によると国内の食品ロスは前年横這いの523万t、スーパーとコンビニが62万t発生。

又、セブンイレブンはおにぎりの消費期限を従来の18時間から24時間に延長する。

対象は梅、サケ、昆布、辛子明太子、ツナマヨネーズの5品、

鮮度延長の為に洗浄などの衛生管理やコメの劣化防止に力を入れる。

同社では消費期限の延長に取り組んでおり、2000年にはチルド弁当を1日から2日に延長した。

セブンイレブンは店に置く冷凍食品ケースを表と裏から開閉できる新型を導入する。

解放型のケースと比べ、2倍以上の商品を並べられ、狭い店舗に優先して導入、

新規導入ケースは高さ165cm、奥行き91cm、巾227cmで100品弱を陳列できる。

新型ケースを入れた店舗では1日当りの冷凍食品が平均5割伸びたという。

総務省調べでは1世帯当りの冷凍食品の支出額は22年に1万円を超えて伸びている。

北陸地盤のスーパーアルビスはEDLPを導入した小商圏店舗を出店する。

意識するのはドラッグストアで価格で対抗しながら強みの調理食品で対応、

低価格には低コストの店舗運営が必要でチラシや5倍ポイントなどは取りやめ、

毎日の価格に反映させて安さを実現する。

沖縄でコンビ二大手3社の動向が注目されている。

進出が後進のセブンイレブンが出店したのは2019年だが、5年経っても売上優位のファミマが

変わらない。 同社の糸数社長は、

商品の品質を指す「機能的価値」は飽和状態にあり差別化は難しい。

ファミマが好きという「情緒的価値」で差別化を強化するという。

同社は地元客の嗜好や特性に合わせた政策で、地元客の支持を得れば、

観光客も獲得できるという発想だ。

沖縄ファミマの日商は60万円半ばで全国のファミマより10万円前後高い。」

DS「ドン・キホーテ」を運営するPPHDが総合スーパーユニーを買収して5年、

1点当りの営業利益は2割増えた。

総合的な収益を示す総資産利益率(ROA)は7.1と0.7%高まった。

改善のカギはドンキ流の「パート従業員への権限移譲」で

1万9千人のパート・アルバイトに仕入れから棚割り、値付け、在庫管理までの権限を持たせ、

店員同士で競わせ、現場の利益・コスト管理の意識を高めた。

本部からのセールはやめて、店舗ごとの独自セールを増やし、個店MDを更に強化した。

家庭は実質収入減で消費節約意識が高まる中、

店は地域の特徴・ニーズにどれだけ対応できるかは個店従業員にかかっており、

本部と個店のMDミックスで売場づくりが進められる政策が重要になっている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<GW行楽弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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