消費減少環境下、小売業のDX化

「国内消費、人口と賃金の影響」

日本の人口減少が続く中で、

高齢者と子供人口の割合が1997年に逆転してからその差は拡大しており

4月時点の子供人口は1401万人と過去最低が43年も続いている。

一方、65歳以上の高齢者割合は29.2%と最も高くなっており、

人口減少に歯止めがかからない国内の消費量は減少の一途だ。

過去30年で実質賃金の上昇が進まない状況の中、

24年は全体で賃上げ5.2%を確保したと報道がされたが、

同時に円が1ドル160円になり、170円超えも聞かれるようになった。

政府経済見通しでは輸入物価が1ドル160円で8.7%上昇し、

170円では13.5%の上昇率になると試算されている。

円安による輸入物価上昇が国内物価の値上がりにつながり、

実質賃金が再びマイナスの可能性が高くなり、消費にセーブがかかる。

「消費拡大、小売業のDXは続く」

スーパー大手の西友は商品在庫など総合管理する基幹システムを始め、

顧客データを適時に分析し、店舗ごとにきめ細かく商品や店価格を変えられる。

提携する楽天グループのEC取引データとも連携してリテールメデアを拡充する。

日々の購買データを分析し、

全国300店舗の消費者の嗜好に合わせて商品売価を柔軟に変更、

在庫が積みあがった商品はすぐに値下げして購入を促す。

反対に特売以外で売れ行きが好調な商品は価格を上げる運用も可能になる。

ローソンは宅配をウーバーイーツに対応する店舗が5000店舗を超え、

店頭データをウーバーのアプリに自動連係する仕組みを導入した。

従来は店員が在庫を確認して手作業でアプリに反映していたが、

欠品の反映の遅れなどで商品を配送出来ないこともあった。

自動連係で店頭在庫確認の作業は9割削減できるようになる。

三菱食品は年内に全国スーパーに提供しているデジタルサイネージを刷新する。

レシピ動画を運営するDIRYのアプリと連携して配信するサービスを始める。

サイネージではクラシルがもつ約2500件のレシピ動画を放映し、

スーパーなどが売りたい商品や季節のイベントに合わせてレシピを選べる。

又、サイネージにビーコン(電波受信器)を埋め込み、

顧客が近づいた時にアプリへ様々な通知を届け、販促に活用できる。

イオンは人手不足が深刻化する中で、

食品や衣料の販売部門にAIの業務システムを導入し、

パート社員を対象にAI活用の研修をしたうえで、

システムを使った1週間~1か月の販売計画を各店で作成する業務を任せる。

先端技術を使って作業の負担を軽減しながら生産性を高める動きが本格的かして来た。

中長期的に国内消費は減少トレンドにあり、

製造を含め小売業には売上拡大の余地は狭められる中、

新たな需要の発掘と生産性を高めることが急務であり、

その為にはAIなどの先端技術を活用した全業務のDX推進が重要になっている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<ローストビーフ&野菜ロール>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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