人手不足に対応する人材投資

「春の行楽に向かう街角景気」

内閣府発表の2月の街角景気は、

判断指数DIが1月から1.1ポイントアップして51.3となった。

景況判断は「景気は緩やかに回復基調が続いている中で一服感がある」とした。

家計関連のDIは1.4ポント高い50.9、飲食関連は2.3ポイント増の52.9,

小売り関連は0.7ポイント増の49.5まで改善したが、小売店の景況感は50を下回る。

各地のお花見景気に向かって、先行き判断DIは0.5ポイントアップの53.0と上昇する。

2024年、春のお花見についてロコガイドが利用者対象に調査の結果、

誰と一緒にしたいかは、「家族」が76.9と最多で「知人・友人」が35.5、

花見をしながら食事をする人は40.3に上り、

予算は「2000~3000円」が26.7%と最も多く、

買物は「スーパーマーケット」が48.4%、「コンビニ」が16.7%だった。

スーパーでは唐揚や焼鳥、コンビニではおにぎりやサンドイッチが人気、

食料品価格が高止まりする中、

オーケーの¥298かつ丼が話題になっているが、

地方の中小スーパーでも低価格弁当やPB商品の拡充に力を入れる。

広島市内の「GOGOやまぐち」は¥298弁当が人気で、

1日200~300個売れる看板商品になっている。

周辺に住む住民や会社員には「安くてバランスが良く味も良い」と好評だ。

この価格を維持するには、

商品は段ボール陳列や生鮮野菜や鮮魚は市場に毎日行って安く仕入れている。

現在、国内では物価と賃金がデフレからインフレ型に対応する状況が進む中で、

賃上げが進まない企業や収入が増えない高齢者は

商品の安さを求める消費は続き、それに対応するスーパーもなくならない。

しかし、企業が継続するには生産性と利益のアップが伴う。

「人手不足に対する働き方」

イオンは2024年からグループ会社で、

パートの待遇を同じ業務を行う正社員と同等にする制度を順次導入する。

その場合、正社員と同じにする社員は昇格試験に合格し、

月120時間以上の勤務が条件になる。

その他、スーパーでもライフCPは地域・店舗限定社員を廃止して正社員と同等、

ヤオコーは有給扱いの配偶者出産手当の対象をパートにも拡大、

小売り・飲食業は非正規社員の依存度が高く、

飲食業では8割、小売り・卸し業では5割を占めるパート社員に待遇改善が課題になる。

パート比率が8割を超える飲食業のロイヤルHDの菊池会長は誌面で

「お客様の満足度は提供時間や清潔な基礎的満足と

従業員の笑顔などの付加価値満足があり、

基礎的満足が出来ていないのに、付加的な満足に喜んでくれることはない。

今後起こる圧倒的な人手不足の状況は、この基礎的満足が充足出来なくなる。

その為に、基礎的作業にはテクノロジーを活用し、

人にしか出来ない価値を創造していく事がサービス業の目指す姿という。

首都圏スーパーを運営するUSMHは調理スキルを持つ人材育成に力を入れ、

2月に社員が一般客に料理を振るう1日レストランを開いた。

顧客に直接食事を提供する機会を通じて、

顧客目線の商品開発や発信する売場づくりに生かす。

このレストランは午前と午後の二交代制で、

マルエツとカスミの利用者の中から選ばれた30人が招待された。

USMHの研修制度で約1年の調理スキルを学んだ6人の社員が

2人ずつ3チームに分かれてコース料理を提供した。

同社では2021年から社員向け研修として「リテールシェフアカデミー」を開いて

事業会社から商品開発担当や販促担当が半年ごとに16人が参加しており、

プロの料理人から魚の調理や献立の作り方など実践的な技術を学ぶ。

日本は人手不足環境の中で、潜在的成長力を引き上げるには

人材育成による労働生産性の向上が必須になっており、

この投資をして収益を高められる企業が人材獲得や競争力で優位に立つだろう。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<お花見弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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