値上げしても売れる商品開発

「好調な企業業績に課題」

内閣府発表の1月街角景気(DI)は12月から1.6ポイント低下し、50.2となった。

悪化は4か月ぶりで、能登半島地震の影響が消費マインドに出ており、

家計関連が2.1ポイント悪化の49.5,小売関連は1.2ポイント悪化の48.8だった。

2~3カ月先の先行き判断DIは52.5と1月より改善の見通し。

法人企業統計では2023年1~9月の平均で計上利益率は7.1%となり、

15日には株価も34年ぶりの3万8000円に乗せた。

但し、10~12月の国内総生産(GDP)は前期比0.4%減少、年率換算0.4%減、

個人消費は前期比0.2%減少、雇用者報酬は実質1.9%の減となり、

物価上昇を上回る賃上げは実現出来ていない。(日経)

24年春季労使交渉での一段の賃上げがなければ個人消費は上向きにくい。

「賃上げ、名目3.6%が焦点」

日経調査によると、個人消費を左右する実質賃金をプラスにするには、

2024年に3.6%以上の賃上げが必要になる見通しだ。

厚労省によると1000人以上の企業の23年の賃上げ実績は3.6%だった。

賃上げとインフレの鈍化で、大和総研は24年7~9月にプラスになると見込む。

問題は中小企業の賃上げで、

中小企業庁の調査で23年9月時点でコスト上昇分をどれだけ転嫁できたか、

3月から1.9%減の45.7%だったことから、中小企業の賃上げがカギになりそうだ。

リクルートが15日に発表した1月パートアルバイトの募集平均時給は、

三大都市圏で前年同月比38円(3.3%)高い1180円だった。

職種別では外食などの「フード系」は前年比47円高い1146円、

「販売サービス系」は46円高い1150円。

人材サービス大手ディップの発表では、

1月のパートアルバイトの平均時給は前年比167円高い1380円だった。

日銀の企業短観では23年の企業設備投資は前年比15%増を見込むが、

一方、法人企業統計の23年4~9月の設備投資実績は前年比3.9%に留まった。

背景にあるのが人手不足と資源高。

小売り最大手のイオンは育児休業する社員を対象に

子供が満1歳になるまで休暇前と同水準の手取り額を補償する制度を始める。

国の現行制度は育休の取得期間が180日間まで月給の67%を補償し、

それ以上に休業すると月給の半分になる。

イオンの育児休業制度は国に比べ、期間・金額は10倍以上の保証になる見込みで、

今後の人手不足は小売業にとって大きな課題になる。

「物価と商品開発」

現在、日本がデフレ脱却できるかどうか、重要な時期に来ている。

専門家が指摘するのは日本のインフレが輸入型から国内型にシフトしていく点、

国内の賃上げが実現することで、それを反映して物価も上昇する好循環だ。

それには価格を上げられる商品開発がカギになり、

それが出来ない企業は淘汰されていく運命が待っている。

調査会社インテージによると、

2023年、冷凍食品の「ワンプレート」タイプは17年比で7.7倍の規模になり、

コロナ下を経てコスパやタイパを重視する消費者が増加、

主婦だけでなく、高齢者や若者の二―ズを掴んで急進している。

冷凍食品全体は6年間で38%増の中でワンプレート商品の成長は大きく、

年代別で1人当りの購入金額は、

30代の金額は6年間で2.4倍に膨らみ、10~20代も8割増と増えている。

1人当りの購入金額が最も多いには60~70代で、

400円程度の手頃な価格で本格的な料理が食べられるコスパは人気の要因になっている。

代替え肉市場に雪国まいたけの新顔が現れた。

同社は舞茸など茸を使った代替え肉の開発に成功した。

キノコは低脂肪で食物繊維が多く、製造時の環境負荷も少なく、

一時期の代替え肉の盛り上げりに欠ける市場でキノコミートの期待は大きい。

メニューは酢豚、カツサンド、ビーフシチューや肉団子など

牛・豚・鶏を網羅したラインアップに活用出来て、

作りたいメニューによって複数のキノコと調味料を組み合わせ、

独自の方法で柔らかかったり固かったり、様々な肉の食感を表現できる。

代替え肉市場は大豆ミートが急拡大してきたが、

足元では一服感が出て来た中で今後の期待感は大きい。

3月~4月にかけて賃上げが個人消費だけでなく低金利からの脱却へと期待は大きい。

小売業では賃上げの原資である商品価格の値上げが出来るかどうか、

値上げしても消費者に買ってもらえる商品開発が小売り店のカギになる。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<雛祭りセット>

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*街角通信は毎週1回、配信しております。

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