食品スーパーの経営視点

2023年の食品スーパーの既存店売上昨年比は103~104%と順調な伸びを確保して来た。

食品は人々が生活する上での糧であり、生活者がいる限り消費は続き、景気が悪化しても消費がなくなることはない。従って同業以外からの参入が相次ぎ、異業種競争が年々激しくなっている。

そのような環境下で、食品スーパーの経営者の危機感は強く、「スーパーは成長より生存の時代」に入ったとの発言が多くなっている。

ある食品スーパーの経営者はお客様の立場で商品と売場づくりを徹底することが重要で、              商品で言えば安さではなく「価値」を創造していることに特徴があると語る。商品の価値観は        仕入れ・販売だけでは達成出来るものでなく、食品製造小売業を目指さないと達成は難しい。

近年食品スーパー各社は自社の惣菜を中心とした製造工場を建設して、外部の製品仕入れから原材料仕入れに変更し、自社工場製造で製販一体の商品づくりを拡大・強化している。

自社工場の製品づくりはメーカーとの競争になり、メーカー以上の価値観を持つ製品を効率よく製造しなければならない。そのためには工場内のカイゼン活動が必要で、それに携わる人材の育成が決め手になることから、工場の小集団活動を通して活動を進める。

自社工場で良い商品を作っても、販売の現場と連動して製販一体とならなければうまく機能しない。いかに顧客満足を高め、収益を向上させられるかを売場ごとに従業員が考えて実行できるか、        その過程で従業員の働き甲斐が生まれてくるような組織が欠かせない。

そのためには経営者の「こんな会社にしたい」という思いと、現場のモチベーションが揃うことが重要で、食品スーパーの生き残りのポイントになる。

食品スーパーの自社工場によって製造される惣菜・米飯・寿司の供給拡大が続いている中で、        惣菜売場の構成比も向上しており、平均規模のスーパー店舗では惣菜構成比は12~14%位まで高まっている。

今後、各社では惣菜工場の強化により惣菜構成比を18~20%まで高め、食品スーパーの核売場として強化を目指す経営者の思いは熱い。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<2色おこわ弁当>

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