回復する消費、変わる消費

2023年7月9日

「企業の景況感に明暗」

日銀が3日に発表した短観では、製造業がプラス5と前回の3月より上昇し、

7四半期ぶりに改善した一方、

小売りの景況感は3四半期ぶりに悪化した。

製造業は円安が続き輸出に追い風が吹く中で、原料高を製品に価格転嫁が進んでいる。

厚労省によると4月の実質賃金は前年同月比3.2%の減少、

家計の購買力が低下すれば個人消費は減速して、値上げの再考が迫られる。

 

「小売り業態の新たな変化」

4月中旬にオープンした「三井ショッピングパーク、ららぽーと門真」が好調で、

三井不動産が「トライアル」としてアウトレットを併設した二業態複合型施設。

同社によると、ららぽーとは車で30分圏内の利用者が多いのに対し、

アウトレットは60分弱で、アウトレットで商圏を広げつつ、

ららぽーとで足元のニーズを拾う戦略が時代の流れにあって来たと見ている。

 

イオンは2023年に都市型ショッピングセンター「そよら」の開業の中で、

都市型の若い家族層を照準とし、生活に密着した専門店を揃えているのが特徴。

6月開業の神奈川県茅ケ崎店は2階の中核にカインズが出店し、

傘下のハンズも小型店「ハンズビー」を同時出店した。

同社では人口減を見据えて、若い客層をつかんでいくことが将来につながると見ている。

 

外食業界において、丸亀製麺はドライブスルー型店舗を群馬県渋川市に開いた。

カップ入りのうどんやご飯など車の中で食べやすさにこだわったメニューを揃え、

社内のドリンクホルダーに収まるサイズのカップに、

「丸亀シェイクうどん」などを充実させ、シェイクうどんは透明カップ入りで

振るとつゆとうどんや具材が程よく混ざり美味しく食べられる。

「冷製コンポうどん」¥490,「一口唐揚」¥280など社内で手軽に食べられるよう一口サイズで提供、

ドライブスルーは午前9時から午後9時まで、店内飲食と持ち帰りは午前11時から午後9時までとした。

 

伊藤園はAIを活用して利用者の表情を解析、気分にあった商品を提案する自販機を実験、

自販機に設置したタブレットを5秒ほど見つめると、その気分に合わせておすすめの商品が画面に3つ程表示される。

同社が試験した「感情を読む自販機」は表情筋の動きをカメラで捉え、

疲労を感知すれば栄養ドリンクや爽快感のあるドリンクを勧める。

同社では自販機を待つだけの箱から、接客可能な小売店に進化できると語る。

 

「回復する消費、変わる消費」

公務員や企業の夏のボーナス支給が始まり、お中元商戦が本格化してきた。

全体の百貨店売上高が前年対比11%増と好調な滑り出して、

伊勢丹新宿店は入店客数は2桁に伸び、西武そごうの6月月末から3日間は前年比10%増、

日経によると、今年の夏のボーナス平均支給額は前年比3.4%増の85万2012円、

百貨店で高額消費が活況の反面、スーパーでは客数が伸び悩む2極化が進んでいる。

 

今夏の国内旅行は各地で賑わいと物価高を感じる旅になりそうだ。(日経)

夏の国内旅行者は2019年並みに回復する一方、1人当りの平均費用は過去最高の4万円となる。

JTBが発表した夏休みシーズンの国内旅行者は19年微増の7250万人、

22年比では17%増となる見込みで、平均費用は19年比1割高くなる。

 

家庭内の献立メニューについて、調査会社のマイボイスコムによると、

4割の家庭は自宅で各自異なる料理を食べるケースがあった。

食事の宅配や冷凍食品の普及で個人の好みに合わせた個食化が進んでいる。

食事の時間に家族が揃わないなどの理由から、6割は自宅で個人で食事する場合があった。

20代の家庭では調理途中までまでの工程や材料は共通で、

2パターンプラス子供用などの応用で使い分け、下ごしらえを冷凍しているという。

 

宅配ピザのストロベリーコーンズが2月発売のパーソナルサイズ(P)は

従来のL・Mサイズより小さく、一人で食べられる大きさが支持を集めている。

「個食」サイズの高まりや単身世帯の増加を背景に需要は広がると予想する。

同社では受注から製造、宅配までITの導入が進めば顧客の要望に応じられると見ている。

 

大量製造大量消費は過去の遺物として、これからは個の消費時代が来ている。

一食の量が年代別個人別に変わっており、少量サイズが増えLサイズが減少しており、

スーパーにおいても、惣菜においても1パックの量目・サイズに細かく対応する時になった。

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