「世界経済の減速」
コロナ禍からの景気回復に急ブレーキがかかっている。(日経)
日銀発表の3月企業短観では大企業製造業の景況感は6ポイント悪化し、プラス1だった。
背景にあるのは世界景気の減速で、
世界銀行は2023年の経済の実質成長率を従来の3.0%から1.7%に引き下げた。
調査会社によると、今後世界経済の減速による需要減で
輸出産業を中心に影響が出て来る可能性があると指摘する。
世界テック企業の人員削減が勢いを増している。(日経)
2023年1~3月にレイオフ対象の従業員総数は世界で16万8千人を超え、
年初からの3カ月間で2022年通年実績を上回った。
米グーグルなど世界IT企業のレイオフが、テック企業以外にも広がりつつある。
「値上げと賃上げ下のGW」
日経POS情報で食品主要60品目のうち、98%で店頭価格が上昇に対し、
日用品は22年夏以降、7~8割で推移し比較的緩やかだった中で、
スーパーでトイレ紙や文具など主要57品目中46品目で値上げした。
3月20~26日の日経POS情報では値上がりした日用品のうち8割に当たる商品の売上が減少した。
テッシュなどの紙製品は19%減、洗剤や歯磨き類も1割減少した。
値上げは食品だけでなく日用雑貨品にも売上の影響が出ている。
流通や外食、繊維などの労組が加盟するAUゼンセンは2023年の春季労使交渉が、
3日時点でパート1人当り5.68%(時給59.2円相当)アップし、
組合全体の4割」に達し、賃上げ率と共に同団体結成以来過去最高水準になった。
正社員はベア含む賃上げ率は4.16%(月額1万2350円)で全体の2割が満額回答だった。
物価高と賃上げが進む中でGWの国内と海外の合わせた旅行者数は
JTB調べで、のべ2470万人とコロナ禍前の19年と比べ1%減まで回復した。
国内旅行者は22年比53%増の2450万人、
海外旅行者は同4倍の20万人で円安などが響き、コロナ禍前の2割の水準にとどまる。(日経)
23年は「国内は中・近距離志向」とコロナ開けのムードを反映している。
「値上げ下で対応するMD」
円安で海外と国内原料の相場感に変化が出ており、
タコはアフリカ産が主流になっているが、国内産との価格差が無くなっている。
3月中旬のイオンでモーリタニア産と国産タコはともに100g¥458で販売されており、
価格差はほとんどなくなっている。
国産は新鮮なまま加工されており、噛めば噛むほどタコの甘味が出て美味しい。
三河産のオキ穴子や三重県産のウツボといったこれまで「未加工魚」の活用が定着してきた。
オキ穴子は静岡県や和歌山県沖で捕れる深海魚で、
味は穴子に似ているが、小骨や臭みがあり多くが捨てられていたが、
揚げ焼きして塩麹や南蛮酢に漬ける調理で活用が出て来ている。
ウツボは特産の伊勢海老やタコを食べるやっかいもの扱いだったが、
唐揚やアヒージョにすると食べやすいとの工夫とフードロス削減の動きから活用が広がっている。
業務用中堅化学のADEKAは乳製品を代替えするプラントベースとして
業務用新製品「デリプランツ」は米油を使ったバターの代替え品や
チェダーチーズやクリームチーズの代替え品を発売する。
その他、スープ材料に適した高濃度オーツミルクや植物油脂とひよこ豆などで味を再現したクリームチーズなど、
植物性の食品を増やし、30年度には同分野で売上100億円を目指す。
イオンはPB「トップバリュー」を3ブランドに再編する。
リポジショニングとして、中価格帯有機野菜の「トップバリュ グリーンアイ」、加工食品の「トップバリュ」
低価格帯の「トップバリュ ベストプライス」、高価格帯の「トップバリュ セレクト」の4ブランドのうち、
セレクトを順次トップバリュに切り替えて、3ブランドに集約する。
値上げが進む中で、消費者は普段の食事や生活用品には低価格品を選び、
イベントやハレに日にはこだわりたい高単価品を選ぶ消費の二極化が進んでいる。
消費の選択が分かれる中で、安価なイメージがついたトップバリュでは
高価格帯のブランド「セレクト」の維持は難しいと判断した。
コロナ収束下のGWは久しぶりの行楽となり観光・宿泊地の期待は高まる。
スーパーなど小売りの集客は押さえられる可能性があり、
家に残る消費者に対し、こだわりの美味商品を販売して行きたい。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<お花見寿司セット>
*街角通信は毎週、日曜日に配信しております。
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