「原料高から人手不足による値上げ」
2023年に休業や廃業、解散を決めた企業が約5万社となり、
比較できる13年以降で最多となった。
物価や人件費が上昇する中、新型コロナ禍の補助金もなくなり、
市場から退出すを選ぶ企業が増えている。
休業や廃業の企業の内、直前の決算が赤字の企業は増えており、
産業別では飲食やホテルなどのサービス業が全体の33%を占め、
建設業が16%、小売業が12%といずれも人手のかかる業種となっている。
人手不足を映すデータは日銀短観で雇用人員が「過剰」と答えた割合から
「不足」との割合を引く雇用判断DIはマイナス35となり、
19年3月調査以来の厳しい状況になった。(日経)
時間単位の単発で働く「スポットワーク」の仲介アプリ・タイ三―などの登録者を
集計したところ、23年は約1100万人で4年前の3.6倍となった。
増え続ける求人数に比べ、学生や副業を希望する社会人が
隙間の時間を使った単発の仕事に流れていることが一因と見られている。
宅配便や教育など多くのサービスが4月から値上げになる。
食品の原材料価格の上昇が落ち着き一服感が出ている中で、
サービス業での値上げは、2%の安定的な物価上昇につながると見られている。
日経の大手サービス業を対象にしたアンケート調査によると
4月以降に「値上げの予定」の回答は2割、「値上げを検討中」が4割弱となった。
値上げを人件費の原資に充てる企業は教育や介護、家事代行など多岐にわたる。
24年春闘の中で、JTBは18年以降で最高となる平均5%の賃上げを実施する。
連合が発表した24年の春季労使交渉の1次集計で賃上げ率は5.2%だった。
過去の集計と比べて1991年以降、33年ぶりの高水準だが、
賃上げの波が波及するには最低賃金で働くパートの動向がカギを握る。
最低賃金を上げた際に、その水準を下回る労働者の割合は22年は19.2%と、
10年前に比べ10ポイント以上高まっている。
一般労働者の賃金中央値に対する22年の最低賃金比率は、
フランスが60.9%、韓国が58%、ドイツが52.6%に対し、日本は46%を下回る。
首相は日本の最低賃金を30年以降に1500円以上にすると公表しているがあまりにも遅い。
「店舗の差別化で業績アップを狙う」
OICグループのDS型スーパーロピアが仙台駅前に出店した。
同社は神奈川県を地盤に成長している食品スーパーだが、
遠く離れた地域に出店出来るのか、ドミナント戦略はどうなっているのか、
同社の経営スタイルは、店舗の各チーフが「個人商店主」として
品揃えや価格決定に大きな裁量をもっており、
仙台ヨドバシ店で人気な「鮭はらこ飯」や「握り寿司ばら売り」コーナーは人気で、
各店舗の自由な発想が消費者に支持されれば、他店との差別化にもつながる。
イオンは横浜でPB商品の「トップバリュー」の構成を50%まで高めた
小型スーパーを実験店として開店する。
周辺には若い家族層が多い地域で、物価高で生活必需品の価格に敏感な嗜好を捉え、
顧客の購買状況を分析してPB開発に生かす狙いがある。
セブン&アイHDはコンビニと食品スーパーを組み合わせた新型店・SIPストアを開店した。
千葉県松戸市の店舗周辺には格安スーパーがひしめいており、
価格競争を第一に置かないとして、弁当や総菜、レジ周りの焼物・揚物などの中食を強化し、
生鮮食品や冷凍食品を1カ所で買える利便性を特徴とした。
コンビニとスーパーは共存できない時代になったと言われる中で、
両社の良さを取り入れた店舗で、競合はイオン系「まいばすけっと」になる。
洋菓子チェーン大手がスイーツの自動販売機に活路を見え出している。
銀座コージーコーナーは3月までに全国で104台設置、
不二家はレストラン一部の冷凍自販機で販売を始めた。
専門店以外でスイーツ需要が増えており、
24時間無人販売が可能な自販機で取り込みを狙う。
同社が自販機販売に力を入れる理由は、
「スーパー・コンビニスイーツ白書2024」によると、スーツを購入する場所として、
「専門店」26%は「スーパー62%、「コンビニ」52%に次いで3番目だった。
又、スイーツを食べる時間帯は「夜間」が約4割となり、夜間のスイーツ需要は大きい。
消費者物価の値上がりは商品からサービスに移り、トータルで2%の物価上昇は続く。
背景にある人で不足に対して人員確保には給与のアップは、
非正社員を含めて欧米に早く追い付かなくては外国人労働者も集められない。
そのためには値上げが可能な商品力・サービス力が欠かせない。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<お花見・松花堂弁当>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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