消費行動の変化と対応

「復調の外食を支えるAI」

日経MJまとめの主要外食33社の7月既存店売上は全社で前年を上回った。

原材料や光熱費の上昇の値上げが売上増につながった中で、

6月まで売上昨比割れだったスシローや安楽亭の売上も7月は前年をクリアした。

外食の売上が復調してきたが、人手不足や原材料と光熱費の値上がりは深刻で、

利益率の高い製造体制や生産性の改善は不可欠になり、

そのために人工知能(AI)の活用が注目されている。

事実、外食の情報投資額は年々増加しており、工場や店舗の姿が変わり始めている。

「大阪王将」を展開するイートアンドHDはギョーザ工場で餃子の不良品を流し、

AIにその特徴を記憶させて、工場の商品検査とコスト削減を狙っている。

小売業においてはミニストップが事前注文や決済ができるモバイルオーダーを

一部店舗を除く全店で導入し、対象の約30種商品は注文を受けてから厨房で製造し、

フライドポテトやソフトクリームなどで対応、調理やレジ待ち時間の短縮につなげる。

九州地盤のトライアルHDはレジでの顔認証システムを導入、登録した顔で本人確認をする。

又、店内のカメラで惣菜や弁当の売れ行きを確認するシステムや

AIが在庫の状況を確認し、近隣の店舗から商品を移動するなど、

小型店でも大型店と同等の品揃えを想定した運営を狙っている。

「食品の値上げと値下げの変化」

帝国データバンク発表では9月に2067品目の食品が値上げされる。

前年同月より約3割減り、2か月連続で前年を下回り、

値上げがそろそろ落ち着いてきた中で、

日経MJが7~8月に実施した価格動向調査では「販売量が減った」と回答した企業が

55%と前回調査より7ポイント上昇した。

その中で、量が少なく単価も低い低価格帯商品の売れ行きは伸びており、

節約志向の表れで即席麺などにその傾向は良く出ている。(日経MJ)

日本生協連は9~11月の期間限定で生協PB商品150品目を5~15%値下げすると発表。

生協が値下げを企画するのは今年1~3月に続いて2回目で

これに加え、地域生協が独自で選んだPBやNB商品も値下げする。

吉野家は鶏卵不足が一段落してきたことで、親子丼を24日から10月中旬まで販売すると発表、

鶏肉に下味を付けるなど昨年の商品より味を更に改善し、並盛¥547,大盛¥734と

昨年よりそれぞれ¥110高く設定して販売する。

立地別価格を選択している日本マクドナルドHDは、立地によって価格帯が変わる。

その中で武蔵小杉店は都心店の分類に入っていたが、

今回都心店より安い「準都心店」を設定し、武蔵小杉店が対象になったことで

ビックマックは¥500だったが、くら替えの影響で¥470に値下がりした。

マクドナルドは複雑な価格設定で伸びて来たが、今後の成長に対して疑問点が付く。

「難路のスーパーの行方」

セブン&アイHDのそごう西武は米国投資ファンドに売却され、ヨドバシカメラに運営を任された。

又、9月1日に傘下のイトーヨーカ堂と食品スーパーのヨークが合併し、イトーヨーカ堂になった。

ヨーカ堂は25年までに直営のアパレル事業から完全撤退し、食品を中心に復活を探る。

百貨店とスーパーの再編は消費活動の遍歴そのものであり、

イトーヨーカドーGの基本方針だった「小売業は変化への対応」が出来て来なかった。

セブン&アイHD傘下のヨークベニマル大高会長は誌面で

「夕方の売場で出来立ての惣菜が出ているといった、当たり前のことをキチンとすることが危機を救う

スーパーは商品の品揃えや鮮度、味といった価値の追求と共にお買い得感も重要な条件、

原点回帰で取り組めばスーパーの再生できる。」と語っている。

 

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<お彼岸天むす弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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