とんがる商品開発の重要性

「食品値上げと節約消費でスーパー好調」

日本チェーンストア協会発表の7月全国スーパーの既存店売上は前年比4.9%増と

5か月連続で前年を上回った。その中で食品の売上高は4.8%増だった。

スーパーマーケット3団体発表の食品スーパーの既存店売上高は既存店昨比で103.8%、

食品全部門で既存店は昨年比をクリアし、惣菜部門は104.8%だった。

消費好調について日経と三井住友カードの分析によると、

百貨店や専門店は年収1500万円以上の高所得層が消費を伸ばしている中、

食の分野はいずれの階層も消費を増やしているが、特に低所得層の伸びが大きかった。

その要因として、物価の上昇やカード決済でポイントを稼ぐ生活防衛意識が高まっている。

消費の二極化が鮮明になる中で、これから値上がり進むと予想する消費者が

ブランド品は「今が買い時」と見て消費拡大につながっている。(日経)

「賃上げは物価高を超えられるか」

リクルート発表の7月パートアルバイト募集時、三大都市圏平均時給は

前年同月比29円高い1155円で、フード系が1114円、販売・サービス系が1100円だった。

2023年度の都道府県別最低賃金が出そろい、

九州や東北、中国地方で大幅な引き上げが目立ち、

全国平均の上げ幅は43円の時給1004円だったが、

佐賀県は47円アップの900円と最高の上げ幅となり、その他島根県が47円、山形県46円アップになった。

特に地方で最低賃金の大きな引き上げが続く背景には、

人材流出とそれに伴う人手不足があり、地方には隣県より賃金が低いと人が流出する不安がある。

群馬県では会員制量販店のコストコが時給1500円以上の募集で話題になった。

実際にコストコでは各階のエスカレータに人が常時つくなど、人手不足の様子は見られない。

「とんがるPB商品開発」

物価高を受けてスーパーのPB商品が好調に伸びているが、

その中で業務スーパーやドン・キホーテのPBが注目されている。

その特徴は、ドンキホーテの「情熱価格」鶏そぼろは180g価格は¥430と一般商品の2倍以上の容量、

その他、韓国海苔を砕いてふりかけ状にした「ぶっかけ韓国海苔」は100gとビッグサイズ、

2社共にPB商品にとがったこだわりがあり、単価は高いがそれ以上のバリュー感がある。

又、ドンキのPB商品を見るととがった特徴があり、

・商品名に「ド」の大文字でアイキャッチがあり、

・商品には300字を上回る商品説明文で納得感を出し

・目立つ価格表示で情熱価格をPRしている。

同社では週1回の「ニュース会議」でPB商品のとんがるコンセプトを詰めている。

パンパシHD傘下のユニーは従来のPB商品「スタイルワン」を中止して

グループのドンキホーテと原材料などを調達する組織を統合してPB開発を進める。

ユニーの店舗には22年から「情熱価格」シリーズのデザインを変えた商品の展開が始まっているが、

同社のPB商品構成比は21%だが、これを25年6月期に25%に高める。

ローソンは冷凍おにぎりの実験販売を東京と福島の21店舗で始めた

対象商品は「焼鮭おにぎり」¥268など6品で、店内のレンジで加熱することができる。

同社ではグリーンローソンで冷凍弁当7種類を販売しているが、

廃棄ロスや配送回数を減らし、効率的な物流を目指す。

総務省の家計消費統計の中で冷凍食品の伸びは一般惣菜を上回り、

日配部門の冷凍食品売場も拡大して来ており、売上は好調だ。

惣菜部門で冷凍総菜・米飯の販売は一部の店舗で始まったばかりで

コンビニでも冷凍米飯や惣菜が広がることで、今後の更なる伸びが期待できる。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<敬老の日、海鮮ちらし寿司>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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