「日本の労働力不足」
総務省が公表した2022年１０月時点の人口推計で日本の生産年齢人口は
前年同期比29万６千人減の7420万８千人だった。
総人口に占める割合は59.39％で前年より僅かに改善したが、
外国人を除いた生産人口は7173万人で47万2千人減少した。
人工推計では外国人人口は前年比19万4千人増の291万6千人で、
1950年以降で過去最多となり、
外国人労働者数は22年10月時点で182万2千人と増加率は5.5％と過去最多となった。
今後の日本は外国人労働者によって支えられる構図であり、外国人の待遇改善が欠かせない。
労働力不足が深刻になる中、
リクルートが14日発表した三大都市圏の3月アルバイト・パート募集平均賃金は
前年同月比24円（2.1％）高い1143円だった。
3月はアルバイトが入れ替わる時期である上、受け入れ体制強化から小売りサービス業の時給が伸びた。
職種別では飲食店などフード系は前年同月比54円増の1100円、
販売・サービス業は前年同月比17円（1.6％）高い1106円だった。
政府が目標にしている平均時給1000円は全国で実施される日は近い。
「景気回復下の明暗」
内閣府発表の3月街角景気は現状判断DIは2月より1.3ﾎﾟｲﾝﾄ高い53.3だった。
調査期間は3月25日～31日、全国1837人からの回答で、
家計調査関連は53.7で前月比0.8ﾎﾟｲﾝﾄ改善、
特に住宅関連は3.9ﾎﾟｲﾝﾄ改善の45.9、飲食関連2.3ポイント改善の62.5と上昇が目立った。（日経）
2～3カ月先の景気指数は前月比3.3ポイント改善の54.1と景気回復の期待は大きい。
小売りの決算発表が続く中で好調なのは百貨店、
高島屋が発表の2023年2月期連結決算は純利益が前期5.2倍の278億円、
売上高は16％増の8817億円、インバウンド売上高は2.8倍の256億円と復活した。
販管費の中で光熱費が膨らむが、販管比率25.9％と前期比4.2％改善した。
百貨店各社はコロナ収束に合わせてインバウンドが回復し、
高級ブランド品の売上が増える事で増収増益が目立った。
百貨店決算が好調の中で、衣料品が苦境に立たされている。（日経）
百貨店の中で賑わいを見せているのは「デパ地下」や化粧品売場、催事場で、
中階層の衣料品は買い物客はちらほらの光景が目立ち、
百貨店ならではのワクワク感が失われているとの声が出ている中、
各社は独自のフロアや唯一無二の体験価値の提供など新たな取り組みを模索する。
百貨店は顧客が求める最新な旬のモノを発信して行く場をとして捉えている。
一方、東京商工リサーチが発表した2022年全国倒産件数は
前年比15％増の6880件と3年ぶりに増加した。
コロナ禍で受けた実質無利子・無担保融資の返済が本格化して断念する企業が増えた。
3月単月では809件と単月で800件を超えるのは3年8カ月ぶり。(日経）
それと人手不足に関連した倒産件数は79件と52％増え、
このうち人件費高騰の倒産は17件と前年比2.8倍になった。
「変化を問われるコンビニＭＤ」
コンビニの店舗数の飽和感が強まり、成長に陰りが出て来た中、
加盟店オーナーが独自に店内ＣＭを作成したり、
本部が用意しない商品を仕入れ、店のファンづくりをする店舗が出て来た。（日経ＭＪ）
セブンイレブン足立島根店では入口に独自のサイネージを設置し、
新商品の中からおすすめ商品を紹介することや、
顧客から紹介された甘味大島の特産品を独自に仕入れて販売する。
フランチャイズのコンビニは地域・個店の商人力によって、均一コンビニから脱却する店舗が出て来た。
ローソンはおにぎりの美味しさを求めて「高級おにぎり」を売り出す。
製造工程で4方向から成型する製法を取り入れ、手作りに近いふっくら感を出し、
おにぎり売上の2割増を目指す。
「金しゃりおにぎり」シリーズはコンピュータＣＴを使った試験では
おにぎりに含まれる空気の量が従来の約3割増を確認、ふっくら感を出した。
定番の「焼鮭ハラミ」や「いくら醤油漬け」の価格は￥279、
「紀州南高梅おにぎり」￥235と高単価だが、付加価値の高い商品で勝負する。
2023年2月期決算ではコロナ下で苦しんだ百貨店、コンビニ、外食、宿泊などが好調の反面、
食品スーパーはその反動を受け減益が多く、まだら模様の決算発表が出ている。
今後も予想される値上げ、消費減退環境下、
独自ＭＤを本部と店舗で深掘り出来るか、あれもこれもの品揃えではなく絞り込めるＭＤが重要。
＜スーパーの惣菜・米飯・寿司＞
＜行楽弁当＞
＊街角通信は毎週、日曜日に配信しております。
コメント