【トレンド情報】値上げ&値下げサイクル

小売り各社の業績がコロナ収束に向かって上向いている。インバウンドの回復に賃上げも下支える要因となり、2024年2月期は7割の企業で売上・利益が増加する見通しと誌面で発表されている。

その環境下、食品の値上げは加工食品から生鮮食品へ広がっており、高級魚と知られる養殖「シマアジ」の取引価格が上昇している。東京都が発表する平均価格は、餌代高騰などで生産コストが上昇し3割値上がりしている。価格水準の近いカンパチは同4%高に留まる。

養殖業者は魚種に合わせた配合飼料を給餌して魚を養殖している中、どの飼料に不可欠なのが魚粉で、そのもとはカタクチイワシなどの小魚だが、国産だけで賄う事が出来なく輸入魚粉に頼っている。円安の進行で国内価格は23年1月に前年同期比3割高くなった。

国内の食肉市場は消費が鈍り、2月末時点の在庫のだぶつき推定在庫量は前年同月比9.5%多く、 長期化し値下がり懸念が出ている。
飼料高で食肉の価格が上昇、飲食店は値上げや使用料を減らして価格を据え置く「ステルス値上げ」の中で消費にブレーキがかかって来ている。(日経)

在庫量が大きく押し上げているのが牛肉だが、豚肉の在庫量も同16.6%多く、特に輸入の冷凍在庫が23.6%増えている。一方、鶏肉は牛肉や豚肉と比べて割安感がある事から在庫は減らしており、前年同期比6.2%減少していることから価格相場は強い。

外食各社の値上げが続く中で、ゼンショウHDは4月5日「なか卯」の親子丼の値下げを発表した。親子丼並盛¥490から¥450(共に税込)に値下げ、鶏インフルで玉子の供給不足が報じられた中で、各社が玉子メニューを停止しており驚きの発表だった。

何故この「逆張り価格」を発表したのか、マスメデアを意識したのは予想されるが、エッグショックと食品・外食業界を騒がせている時に打ち出したタイミングは微妙だ。同社は外食の中でも最大手であり業績への影響とメデア効果を見ていると思う。

2022年春から値上がりが大きくなって1年が経ち、消費動向やメーカー在庫に変化が生じて来ており、今後は値上がり一辺倒でなく値下げと入り混じった価格競争になって来ると思われる。

その中で消費者は商品価値を厳しく見ており、付加価値商品づくりは最重要なMDとなる。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<子供の日・兜寿司>

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