小売り企業PB商品の拡大

節約消費志向を受けて小売り大手のPB商品比率が伸びており、スーパーの食品販売額に占めるPB比率は10月に最高の17%に高まった。

大手のイオンは生鮮除くPB約5千品目の内、2500品目を新商品に切り替え、日用品と合わせたPB売上高を24年2月期11%増の1兆円に高める計画。セブン&アイはPBの中でも低価格のセブン・ザ・プライスの品目を160品目に倍増する。

日経と調査会社インテージが全国スーパーのPOSデータを分析したところ、品目別のPB比率は  冷凍野菜が最高の57%、ハムが34%、牛乳が32%だった。

小売りPB商品でセブン&アイとイオンに次ぐ規模として共同仕入れ機構のCGCジャパンが上げられる。CGCグループは10月で創立50周年を迎え、CGCグループのPB商品の売上は未発表だが、

全国食品スーパー加盟企業は208社、総店舗数は4433店舗、総売上高は23年4月に5兆円を超えた。売上はセブン&アイ、イオンに次ぐ国内小売業では3位の規模で、22年のPB売上高は前年比5.3%増になった。

CGCグループ企業の仕入れ権限は加盟各社にあり、PB商品の品揃えは自由であることから未だ  PB商品の伸び率は高い。

又、CGCグループ店舗は全国都道府県にあって地域内のスーパー同士の競合関係が増えており、規模のメリットを求めて組織内のスーパー同士の再編が起きている。        その中でCGCのPB商品が拡売されるチャンスが出ている。

酒税の見直しから「ビール系飲料」の小売りPB商品の存在感が高まっており、10月の総容量ベースのPB比率は約14%になった。物価高に伴い安いPBにシフトが進み、メーカーシェアで4位のサッポロビールに匹敵する規模になり、12年(11%)と比べ3.4ポイント高まった。

PBでもシェア獲得の原動力になったのは安い第三のビールで、製造しやすく価格も抑えられ、イオンを始め小売り各社のPBが参入した。

第三のビールに占めるPB比率は22年に24.8%だったが、10月の酒税制度の改正でビール税率が発泡酒と同水準に高まり、同ビールのPB比率は下がり、プレミアムビールなどのPB商品に変化することが予想される。

小売りPB商品の開発は加工食品のような装置産業では一定の売上規模がないと商品開発が難しい。その点において店内調理品であるデリカ・惣菜関連商品は、規模のメリットに関わらず商品レシピが優先され、手作り感の良さが差別化要因になる。

商品づくりにおいて、集中加工におけるコストダウンと個店製造を組み合わせた商品化によって自社のPB商品づくりが進む。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<厚切り鮭塩焼き弁当>

 

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