「物価上昇、値下げ販促高まる」
10月の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は前年比2.9%上昇した。
食パンや野菜と言った普段に良く使う商品の上昇が目立ち、
総務省が購入頻度の高い44品目を調べると、前年同月比8.3%の上昇になり、
足元で食品の価格転嫁は一服しているが、体感の物価は見かけ以上に高いようだ。
生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は4.0%上がり、7か月連続の4%台となった。
物価の影響を除いた実質賃金は18か月連続でマイナスになる中、
外食チェーンの間で値下げの動きが広がって来た。
すかいらーくHD傘下のファミレスガストは全体の16%に当たる30品目で最大200円を値下げ、
ハンバーグ¥750や若鶏の唐揚¥350、マヨコーンピザ¥500など一部メニューが対象になる。
同社では値下げによる客数増やサイドメニュー、アルコールなどの「次いで買い」を誘い、
客単価を上げて値下げによる影響を補う考えだ。
外食の値下げの動きは幸楽苑やゼンショーHDなど、価格戦略は変わりつつある。
米国では年末商戦のピークとなる「ブラックフライデー」を迎えているが、
お客の入りはやや少なめで売上は昨年とほぼ横ばいになりそうと声が出ている。
日本ではイオンが商品数を昨年の4割り増、イトーヨーカドーも5割増やすなど
両社共に過去最高の品揃えで実施している。
特に恒例の「詰め放題サービス」ではミカンやジャガイモ、玉ネギなどに人気が高い。
帝国データバンクによると1~9月に値上げされた食品・日用品は3万を突破して前年を大きく上回り、
実質賃金は9月まで18か月連続でマイナスになっており、
この影響は今年のクリスマス・年末商戦にも続くと見られる。
「ドラッグのスーパーマーケット化」
ドラッグストアの「スーパーマーケット化」が止まらない。
安価な一般食品に精肉や青果などの生鮮食品と惣菜の品揃えを広げ、
食品スーパーなど異業種から顧客を奪っている。
日本ドラッグストア協会の調査ではドラッグにおける食品販売金額は前年比2%増の2兆4064億円、
総売上高に占める割合は28%で化粧品(18%)を上回る。
ドラッグの食品スーパー化にはタイプがあり、
・自前強化型
ゲンキドラッグストアのように自前で物流・食品加工施設をもって生鮮食品を拡大する。
・食品スーパー買収型
アオキHDのように食品スーパーを買収して生鮮食品ノウハウを導入して強化する。
・複合店舗型
クリエイトSDHDのように地域の食品スーパーを店舗内に出店することで食品を強化する。
・グループ相乗型
ウェルシアHDのようにイオングループの生鮮食品や物流・加工施設を活用して拡大する。
ドラッグストア業態にとって食品販売は客数を増やして売上を押し上げる効果がある。
一方、食品の販売比率が上がるにつれて経費率も上がる課題が浮き彫りになっている。
実際、アオキHDの23年5月の売上販管費は24%と17年比2%増えたが、
食品小売り市場45兆円はドラッグストアにとっては魅力ある市場になっている。
クリスマス・年末商戦が目前に迫る中で、
消費の2極化はスーパーのお得品販売比率が高まる事が予想される。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<クリスマス・ポムドノイル>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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