「経済に変調、消費は2極化進む」
7~9月期の国内総生産は個人消費、設備投資が共に落ち込み、
年率2.1%減と3四半期ぶりのマイナス成長となった。
日経によると、落ち込んだ大きな理由は根強いインフレで、
国内の総合的な物価動向をGDPデフレーターは前年同期比5.1%上昇と加速した。
物価に左右される個人消費は前期比0.04%減と2四半期連続で落ち込み、
インフレに所得が追い付かず、実質雇用報酬は2.0%減と8四半期連続で前年割れの状況。
内閣府発表の10月の街角景気DIは49.5と9月から0.4ポイント低下、
1月以来の低水準で物価高が下押ししている。
調査期間は10月25~31日で、家計動向関連は49.5で横ばいだが、
小売関連は0.4ポイント下がり47.8,住宅関連も2.2.ポイント下がり41.9に留まった。
2~3か月後の先行き判断指数は48.4ポイントと更に1.1ダウンの予想になった。
節約消費志向を受けて小売り大手のPB商品比率が伸びており、
スーパーの食品販売額に占めるPB比率は10月に最高の17%に高まった。
大手のイオンは生鮮除く約5千品目の内、2500品目を新商品に切り替え、
日用品と合わせたPB売上高を24年2月期11%増の1兆円に高める計画。
セブン&アイはPBの中でも低価格のセブン・ザ・プライスの品目を160品目に倍増する。
日経と調査会社インテージが全国スーパーのPOSデータを分析したところ、
品目別のPB比率は冷凍野菜が最高の57%、ハムが34%、牛乳が32%だった。
外食においては会社員の早帰りと値上げ疲れに対応する」「ちょい飲み」需要で
ハイディ日高の既存店売上高は23か月連続で前年同期比プラスを達成。
その他牛丼並盛の価格据え置きを続けるすき屋は32か月連続で前年比プラス、
一方プチ贅沢需要の掘り起こしやオムライスやハンバーグなどを少量多品種で提供する
ロイヤルホストは25か月連続の昨年比増収と、消費の2極化は鮮明になっている。
「新ジャンルを開拓する2極化消費」
セブンイレブンは入れたて紅茶「セブンティー」の展開に乗り出した。
紅茶は女性を中心に人気でコーヒーと並ぶ嗜好飲料であり、
実験店ではセブンカフェと共に専用機械を置き、3種類の紅茶をコーヒーと同価格で販売する。
24年には全国展開を始め、3年後には1000店舗規模まで拡大する計画で、
セブンカフェで新規需要を開拓したセブンはセブンティーで女性客を開拓する。
セブンイレブンは環境に配慮した商品シリーズ「みらいデリ」を拡充する。
植物由来の素材を使ったカレーやパスタ、メンチカツなどを順次発売し、
環境面に関心のある世代の需要を取り込み、新商品は10月から順次販売を拡大、
キーマカレーは植物由来の原料と挽肉、スパイスでじっくり炒めて野菜の旨味を出し、
植物工場で栽培する野菜をサラダにも活用し販売していく計画で、
今後は社会的問題を解決する価値を追求するとしている。
FFのモスフードは全国のモスバーガーの店舗で黒毛和牛を使ったハンバーガーを販売する。
サーロインやヒレ肉もパティに活用し、セット価格で2000円を超えるハンバーガーを発売、
ウィンデーズ・ファーストキッチンはインバウンドの回復で既存店売上は19年比25%増と好調、
高級バーガーでインバウンド需要を更に取り込む一方、
2極化消費の中で値ごろ感のある商品バーガーとポテト・ドリンクセット¥500からのメニューも揃える。
イオンは今月期間限定で愛媛県産の「みかんブリ」や福島で獲れたサンマを仕入れて
各地の「名産食」フェアを実施し、日本各地の魅力を発信、地域との関係を深める。
福井ブランドフェアではブランド米「いちほまれ」や越前そば、羽二重餅など揃え、
2月のフェアでは計画比2倍の売上で、物産展として過去最大の売上高を記録した。
2極化消費は米国の小売店でも進んでいる。
お買い得品を展開しながら、プチグルメ商品を提案していくことが重要になっており、
その中でも新たな需要を取り込むカテゴリーのラインロビングが求められている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<クリスマスパーティ寿司>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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