2024年、四重苦の対応

「景気と消費」

内閣府発表の2月の街角景気調査で、

2~3カ月後の先き判断指数は0.5ポイント上昇の53.0だった。

4か月連続の上昇は春闘の賃上げによる消費マインドの改善を期待している。

日経MJがまとめた主要外食33社の1月既存売上高は31社が前年実績を上回り、

福袋や値引きクーポンの販促効果が出た。

特に居酒屋はそろって2桁の売上増、その他牛丼3社も2桁の売上を確保した。

その中で回転すしの既存店客数は3社が昨年を下回った。

総務省によると、2人以上世帯の消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は

2023年に27.8%と00年以降では最高になった。

賃金上昇を上回る物価高が消費に影を卸しており、

特に食品価格は24年1月の上昇率が5.7%と高水準と家計に影響している。

今後の心配は1ドル150円近辺の円安が輸入物価の上昇につながる恐れがある。

「賃上げと生産性」

ホテルの宿泊料の高騰が顕著になって来ており、

ホテルの人出不足が大きな要因で、ホテルの清掃コストは30%増という。

従って都内のビジネスホテルは1泊1万円では泊まれなく、2万の競争になっている。

人手不足に対して、メルカリは時間単位で働くことが出来る

単発の仕事を仲介する「スポットワーク」事業を始めた。

新サービスの名称は「メルカリ ハロ」で、

すきま時間を有効に使いたい人と企業をつなぎ、様々な業種の人出不足に対応する。

18才以上で本人確認と銀行口座登録が完了している利用者は

面接や履歴書が不要で、最短1時間から働くことが出来る。

人手不足環境が続く予想の中で、優秀な人材の囲い込みを急ぐ企業が増え、

今春の春闘では小売り、外食企業も6%を超す企業も多い。

国内最多の40万人のパート従業員を抱えるイオンの吉田社長は

雇用条件の差は将来、「労働力の差」「現場の差」につながる。

雇用条件を改定していかなければ、企業の格差は広がる。

その為に、労使で生産性向上の協議を続けてデジタル化を推進する、という。

「新店の商品力」

首都圏スーパーのサミットは都心エリアで最大級の店舗を開業、

三井ショッピングパーク内の「HARUMI FLAG」内の1階に出店した。

売場面積は2000㎡で都心エリアでは最大級の店舗で、

若いファミリー世帯から共働き夫婦を想定し、

大き目のトレーに牛肉や豚肉をと調味料を加えた「レンジアップ商品」や

個食にも対応するワンプレートの冷凍食品を充実した。

格安店のパンパシフィックHDのドン・キホーテは24年6月期に出店を5割増やし、

DS型食品スーパーのロピアも25年2月期に前期比3割増の20店を出す計画。

ハレの日には高単価商品を買う一方、平日の生活必需品は節約する選択消費は、

高まっている節約に対応するニーズは大きいとして新規出店を拡大する。

上記2社は増収増益決算で好調を維持している。

日本マクドナルドHDはコロナ下を経て、

22年以降4度にわたる値上げに踏み切った中で2月の客数は3.2%増と好調。

その要因として値上げとデリバリーが大きく貢献、

デリバリー価格は店頭価格に比べ3~4割高に設定される中で、

宅配料はカバー出来て注文単価は下限¥1500以上と客単価に貢献している。

人手不足、賃金の上昇、値上げによる原資確保、生産性の向上、

2024年はこの四重苦が続く中で、最大のテーマになる。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<お彼岸天むす弁当>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました