「企業の業績に明暗」
上場企業の4~9月期決算の集計結果で
好調組には円安とコロナ後の人流回復と夏場の天候などの
与件に支えられた自動車業界、百貨店やコンビニ、猛暑で売れたビール業界が顕著だった反面、
原材料を輸入に頼る食品企業や中国経済に大きくかかわる電気メーカーは業績不振となった。
小売りや外食においても原料の値上がりを商品の値上げにつなげた企業は増収増益となったが、
その中でも節約志向に対するお得商品を打ち出した企業の業績改善が目立った。
小売りではDSの「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィックHDの純利益が前年同期比33%と大幅増、
国内店舗の既存店売上高は11%増と好調だった。
主要外食33社は全社増収だったが、中でも値上げを押さえてお得メニューを打ち出している
FRではサイゼリヤ、定食ではハイデン日高の既存店売上は2割強の増収になった。
2極化消費が言われる中、2兎を追わず自社のお得MDを追求した店が選ばれた。
「小売りPB進化するにSPA化」
食品以外の小売業ではユニクロやニトリなど製造小売業として業績を伸ばしている中、
食品関連で西友が販売業から製造小売りに力を入れている。
西友では生鮮食品強化をテーマに「食の幸」ブランドで
・さつま豊味豚、銀鮭最西京漬、熟成うまリッチポークのロースかつなど生鮮から惣菜へ
PBを拡大しており、将来は生鮮食品の20~25%を占める規模にする方針だ。
同社の大久保社長は
「メーカー・卸し・小売りの流れで販売業だけでは、今後生き残れない。
小売業は販売業から脱皮しなければならない。」と語る。
「久世福商店」など食の専門店を展開するサンクゼールは
「自社も生産者である」という独自SPAの信念で店づくりを進める。
生産者に伺い、商品の良さ・生産者の思いを共有して、各生産者とのネットワークづくりを推進、
ちょっと価格は高いけど美味しい、こだわった商品で生産者の裏側が見えるものを知らせて行くMDで
今秋にはこだわりの冷凍食品を揃えた店舗「メケル」を開店した。
客単価は2500円、購入点数は6点で20・30代から高齢者まで男性客も多い。
DSの「ドン・キホーテ」は特定の味や量にこだわった弁当や惣菜の新ブランド「偏愛めし」を立ち上げた。
新ブランドは「みんなの75点より誰かの120点」をコンセプトに、
あえて万人向けを狙わず一部の狭い顧客層の支持を得られる商品を狙う。
商品のラベルにはドンキの「ド」を大きなロゴで表示して、
「焼肉タレおにぎり」¥160,「あんだく溢れ天津丼」¥430などを発売した。
ドンキは独自の店づくりで一部に熱烈なファンを抱えるため、弁当や総菜でも独自性を出す。
人口減少、少子高齢化が進む日本で2極化消費が進む。
自社のMDターゲットは誰なのか、絞り込んだ客層・品揃えで特徴を分かりやすくする。
よく言われる「あれもこれもではなくコレ」を明確にMDが求められている。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<クリスマス米飯>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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