スーパーの物流再編

小売り大手のイオンは自社トラック輸送距離を1割削減する。

NX総合研究所によると、輸送需要に対して業者が運べる能力は、総合スーパーを含む「卸売り、小売り、倉庫業」で9.4%足りなくなる。全日本トラック協会によると、21年の農水産品や加工食品など消費材の輸送量は国内輸送の2割を占める。

そのうち9割を小売業が運送会社に委託して店舗へ配送する分で、イオンが手掛ける分はこれの2%前後に当たる。イオンは人工知能(AI)を活用し、最適ルートを割り出す配車システムを使うなど、約3300店舗に出入りするトラック年150万台に広げる。

運転手が店の陳列棚まで運ぶ作業をやめて荷物を下ろすだけにすることや、納品面では現在の朝と昼に固定した納品時間をやめて、トラックが満載になってから順次配送するなど積載効率を高める工夫をする。

コンビニ各社はローソンが加工・冷凍食品の配送体制を2パターンに変更し、現在は週5日とも車両台数を固定していたが、物量に応じて車両台数に変化を付ける。又、弁当や惣菜についても配送回数を1日3回から2回に減らす方針、セブンイレブンは弁当や惣菜は1日4回配送から3回に変更している。ローソンの新たな配送体制では、新商品の販売開始や週末対応で物量の多い火曜・金曜と、その他の曜日の車両台数を変えるなど、各社は効率的な物流を模索している。

物流対策で配送回数を削減するだけではトラック運転手の収入が減ってしまう可能性が指摘されており、持続可能な物流対策として外食やドラッグストアなど異業種を含めて配送体制の見直しも始まっている。共同配送の事例としてローソンの物流センターから各店舗に配送する際に、他社の物流施設によって他社の商品を積んで配送する例や他社のトラックがローソンの商品を配送する場合もある。

トラック物流とは離れるが、店舗と消費者を結ぶ宅配の中でコロナ下の巣ごもり特需が消失して、宅配業者は自力で配送が難しい小売店と組んで、ラストワンマイルの仕組みをつくり、買い物に行けない消費者の課題解決に対応する。即配のオニゴーはイトーヨーカドーやいなげや、DSのビッグエーやコンビニと組んで宅配需要の取り込みを図る。

4月から始まるトラック物流の問題解決を始め、製配販の商流を効率化することは生産性の改善につながるきっかけになり、同業他社や異業種を含めて取り組む課題になっている。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<春の行楽弁当>

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