「年末商戦の動向」
年末年始の消費者動向として国内旅行が過去最高の見通しと発表された。
JTB発表の年末年始(23日~24年1月3日)の国内旅行は
旅行者は4%増の2800万人でコロナ前の96%の水準に回復する見通しで
1人あたりの費用は4万1000円と22年から4000円増えた。
公務員冬のボーナスが支給され、本格的に年末商戦が始まった中で、
三越伊勢丹HDの首都圏の売上高は前年比で2桁増になり、
大丸松坂屋百貨店も1~7日の売上高は9%増と高級弁当や惣菜、催事が好調だった。
東京都が都内企業のボーナス平均支給額を調査したところ、前年より2.48%増えた。
埼玉県内のおせち予約販売は増加傾向にある中で、
夫婦2人など小人数向けと子供・孫を含めた多人数向けの二極化が加速、
年末年始の家庭のだんらんの光景も大きく変化してきている。
年末年始に子供たちは出かけて夫婦で過ごす家庭がある一方、
久しぶりに大勢での集まりを楽しむ家庭も多いと言えそうだ。
県内の料亭おせち2人前は¥28000、4人前は¥46000円ですでに予約は終了している。
「2023年、日経MJヒット商品番付に見る消費ニーズ」
日経ヒット商品番付が発表され、食品関連では前頭に
・サントリー「こだわり酒場のタコハイ」、アサヒ「スーパードライクリスタル」
・丸亀製麺「丸亀シェイクうどん」、セブンイレブン「お店で作るスムージー」などが入った。
同紙では3年間の巣ごもり生活で新しい楽しみも増えて、
消費の現場の競争は激しくなっており、物価高も影響して普通の価格やサービスでは消費者は動かない。
そういう消費者を捉えるには、今までの能力を超えた商品やサービスが番付された。
横綱には東は生成AIが、西では大谷翔平&WBCが選ばれている。
物価高が続き、少しでも安い商品やサービスを求めるニーズは根強く、
節約志向が強まる中で消費者の心をつかんだのは、
安さを追求しつつも価格だけでなく、その特徴をしっかりと磨き上げた商品やサービスだ。(日経MJ)
・セブンイレブンの「お店で作るスムージー」は約70秒でスムージーが出来上がり、
約¥300の値ごろ価格でフレッシュな味わいが楽しめる。
・アサヒの「スーパードライクリスタル」はアルコール度数を3%に抑え、
ビールは好きだが、お酒には強くない消費者のニーズを捉えた。
又、主食とおかずを一皿にまとめた「ワンプレート冷食」は10月に前年比44%伸びた。
「新ニーズを捉えた商品の動向」
日清食品HDは2022年に発売した「完全めし」ブランドを拡充し、
その後、完全めし「・カラムーチョやホットデリ、焼きそばやカレーライス」など
11月時点で36品目を展開している。
同社では、もっとジャンクフードをヘルシーに食べたいというニーズは強く、
最近はカロリー当りの栄養素を意味する「カロパ」が求められている、という。
首都圏中心に食品スーパーを展開する東武ストアは、
今夏から値下げを実施しており、12月は食品や日用品211品目を最大4割値下げしている。
足元では対象商品が3~4割販売点数が増えたほか、客数が回復してきた。
節約志向が強まる中で「逆張り」の値下げで価格感の高い消費者の獲得につながっている。
同社は8月から生活必需品を170~230品目を定期的に値下げする政策を行って来て、
対象商品は売れ行きを見ながら毎月変更し、10月は食料品の売上は5.2%増だった。
首都圏地盤の外食店「かつや」は年末感謝祭として、
かつ丼、ソースカツ丼、ロースかつ弁当、カツカレー弁当を¥550で期間限定販売をする。
商品の価格帯はスーパーとほとんど変わらず、商品のコスパは非常に高い。
トンカツを得意とする同社の政策はスーパー惣菜と競合し、注目に値する。
調査会社インテージによると、大豆原料の「大豆ミート」市場が一服している。
17年には4億6000万だった大豆ミートは22年には42億円と約9倍に拡大したが、
23年は1~10月は24%減の28億円に減少した。
節約志向の高まりの中で、精肉と比べて割高感のある大豆ミートに買い控えが起きている。
小売りPOSでは大豆ミート仕様の伊藤ハム「大豆ミートナゲット」は100g当り¥180に対し、
丸大食品の「得用チキンナゲット」は100g¥80と半分以下の値段だ。
大豆ミートはコストと味の改良との「コスパ」でまだ改善が必要になっている。
コロナ後の年末年始を迎えて、
消費者の節約志向とプチグルメ志向の2極化は鮮明になって来ており、
この2つの消費ニーズを組み合わせた「コスパ」の高い商品が勝敗を決めそうだ。
これは24年以降のMD政策のカギになる。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<天ぷら盛合せ>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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