「小売り・外食の好調は本物か」
小売り企業の6~8月四半期業績は前年同期から3割伸び過去最高だった。
特に円安を追い風にインバウンド消費は好調で高額消費が好調の百貨店、
人流が活発になることでコンビニやアパレルの四半期ベースは22年12月~2月期を上回った。
各小売業の客数と客単価の比較では、
値上げの影響から客単価の伸びが売上増の要因だが、客数の伸びが昨年を下回る企業が多く、
客数を伸ばした企業はコンビニ大手3社とスーパーではヤオコー・ベルクなど、ドラッグではウェルシアと少ない。
特にコンビニは1店舗当りの日商が伸びており、
今まで日商の壁と言われていた売上をクリアして、セブンイレブンは日商70万の壁を超え、
ファミマとローソンも日商が55万円を超え、各社共に客数と客単価を伸ばした業績となった。
先週、スーパーで話題になったのは消費者人気が高いオーケーが東京銀座に出店したことで、
商業施設「マロニエゲート銀座2」の地下1~2階に2000㎡の規模で出店した。
百貨店とビジネスマンが中心の客層の中で食品スーパーとしての話題は
¥299のロースかつ重~¥999の黒毛和牛のすき焼き弁当など、
消費者がスーパーの商品をどう見ているか、同社として銀座商圏の客層に対応する品揃えを探っている。
「経済成長は物価を上回る賃上げがテーマ」
臨時国会が始まり、各党で所得減税と一時金給付で消費を盛り上げようと討論が始まる中、
早くも24年の賃上げ目標の話題が出てきており、
連合はベースアップと定昇を合わせて5%以上を求める方針を固めた。
23年は平均3.58%と30年ぶりの水準だったが、24年はそれを上回る賃上げを目指し、
消費者の生活を持続に向上させることを狙っており、政府の一時的対応より期待は大きい。
早くもサントリーHDの新浪社長は24年に3%のベースアップを含む7%程度の賃上げを実施すると表明した。
一方日本商工会の会頭は連合が掲げた賃上げ5%は中小企業では難しいと述べている。
23年賃上げの影響は小売業、ローカルスーパーの人手不足を深刻にしており、
24年も同様の賃上げが続くと、更に人手不足と経営を圧迫する中で企業の再編が進む要因となる。
人手不足の対応として外国人の就労がますます必要になっている中、
外国人受け入れの新制度が議論されており、
新制度では就労1年超えで同じ業務ないでの転職が可能になる。
又、外国人の人権保護の観点から受け入れ企業は外国人来日前の手数料を負担が必要になる。
人手に係わる小売業・スーパーにとって賃上げや外国人就労制度の変更は、
販管費のアップにつながり、より生産性の向上を求められるオペレーションの改善が求められている。
「小売り店舗のDXは人手不足解決になるか」
DXはAIやロボットを活用して人手不足や業務効率化の課題解決につなげようとする動きが広がる。
無人決済や自動発注の流れは着実に進んでおり、
販売促進や接客のDXも実験段階で進む中、人が果たす役割りも重要になる。
小売業で消費者を掴むにはテクノロジー活用を進めると同時に、
人による商品鮮度管理や接客などを磨いていく事で、DXのバランスをとることが重要になる。
<スーパーの惣菜・米飯・寿司>
<ロースかつ重>
*街角通信は毎週1回、配信しております。
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