地球環境変化、消費ニーズの変化に変わる店舗

「地球環境の変化、食資源の高騰」

すり身の卸値に先高観!

練製品の原料となる白身魚のすり身は北米産スケソウタラを原料にしている中、

北米工場の燃料代やすり身に加工する人件費、運搬料の値上がりから

直近の安値から5%ほど値上りしている。

すり身消費国である日本は低カロリー、高たんぱくの食品として市場は伸びており、

円安もあって秋以降の価格は値上りする観測が大きい。

小麦の最大輸出国であるロシアで霜害が発生、

大豆の収穫が進むブラジル南部で大規模洪水が起きた。

損害を受けて小麦相場は米シカゴ市場の小麦先物は一時1ブッシュル7ドルを付け、

昨年7月以来9か月ぶりの高値になった。

相場の急上昇は小麦以外に大豆やトウモロコシも同じく反発しており、

トウモロコシは昨年12月以来、大豆は1月以来の高値圏に上昇している。

回転寿司人気1位のネタ「サーモン」の国内相場が上昇、

世界的な需要増でノルウェー産の輸出価格は3年間で2倍に上場しており、

生食用サーモンの輸出価格は1kg当り約¥1750、

輸出量は2.4万tと前年比17%減少した。

寿司チェーンの銚子丸が提供する「オーロラサーモン」は1皿¥440とマグロより高い。

コメ卸会社の5月の取引価格は、新潟コシヒカリが前年同期比6割高と値上がり、

2023年の猛暑でコメの品質が低下したことで流通量が減少する中、消費は増えている。

日経調べの5月上旬の新潟コシヒカリは1俵(60kg)2万3150円と前年比¥8650高く、

コメ需給の指標となる民間在庫量は3月末で215万tで前年比14%少ない。

日経POSデータでは秋田産あきたこまちの店頭価格は5kg¥1811と前年比23%高い。

飲食店では輸入米を手当する動きがあり、牛丼チェーンでは外国産米をブレンドする。

「個人消費変化が店舗を変える」

他人を気にせず、好きな時に好きなことを楽しみたい「一人消費」に関心が集まる。(日経)

ひとり消費の要因として、

・技術とサービスの進歩で、スマホを使って同じ場所に集まっても別のことをする個人と

 集団の両立ができるようになった。

・共働き世帯が増えて時間の使い方が変わる中、夫婦や家族、家庭や会社の密着が緩やかになった。

・あらゆる人や情報と簡単につながるようになり、たまには一人になりたいという欲求。

ひとりマグマで消費が細分化すると、少量多品種が必要になりやすいが、

パーソナル感があれば少量多品種でなくてもいい場合もあると指摘する。

肉や魚に代わる「代替たんぱく質」は、世界人口増加や経済成長によって

市場規模は2050年には138兆円に達すると予測される。

代替タンパク質は大豆など植物から作る、家畜の細胞から培養する、藻類や酵母などと

微生物由来、昆虫などに分けられる

特許調査会社と日経は4月末時点で代替タンパク質の特許を調べた中で、

日本の不二製油は植物からバターやチーズに似た食感を持つ食品の特許で2位に入り、

日清食品HDは培養肉で、細胞の培養に独自開発の食用可能な血清で

牛の筋肉の細胞を育てたステーキ肉の開発特許を持つ。

代替え肉は世界の採食主義者のニーズを掴み、世界の産業をけん引する可能性が大きい。

イオン傘下のコンビニ・ミニストップは

東京都千代田区にコンビニとスーパー、FF店を融合させた店舗を20日開店し、

新店は既存のコンビニより4割広く、商品数は3500品目と約2倍に拡大した。

生鮮品は120品でイオンの調達網を活用、

イオンPBのトップバリューは約1000品目を取り扱い、

値ごろ価格で節約志向の高まりに対応する。

店内調理のFFは主食としてホットドッグやトルテーヤサラダを新たに販売し、

コンビニニーズに日々の食生活ニーズを取り入れた新型店で勝負する。

セブンイレブンは企業の福利厚生需要を取り込む目的で地方の工場などに出店する。

コンパクト店舗で面積は通常の4分の1の50平方mで、

商品数も最大で1200品目に絞り、店頭には人を配置しない。

来店者は専用アプリQRコードで入店し、商品のバーコードを読み取って清算する。

対象顧客を絞った中で、顧客の利便性を追求したコンパクト店舗で拡大を目指す。

セブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂は業績改善策として

2024年に前年3倍の200億円を投じて食品売場を改装すると発表。

北海道や東北から撤退して、店舗は首都圏と関西に絞って売上改善を目指す。

食品の中でも総菜を中心として、グループのセントラルキッチンを使って改装を進め、

26年2月期には黒字転換させて償却前利益550億円を掲げるが先は険しい。

国内の人口は減少傾向だが、世界の人口は拡大傾向にあり、

食料問題は国際的課題になっている。

その中で食品原料は地球の環境問題を抱えて値上りする課題に対し、

企業はテクノロジーを使って人工的生産に取り組む。

この環境変化に連動して消費者の購買ニーズも変化して来ており、

小売店舗の形態は変化していく。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<おつまみ冷菜セット>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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