景気減速下の2極化消費

「景気減速下の小売り売上好調」

世界の景気はIMFの見通しによると、23年度成長率は3.0%で据え置いたが、

24年は2.9%と0.1%の下方修正をした。

世界貿易の低迷など低成長が色濃くなっており、5年後も3%前後にと留まるとした。

日本の経済成長率見通しは23年が2.0%で24年は1.0%と景気は減速の予想をしている。

9月街角景気判断指数(DI)は49.9で前月より3.7ポイント低下し、

前月より3.7ポイント悪化、好不況の分かれ目とされる50を下回った。

近畿のスーパーの声として「値上げの影響か、見切り品や特売品価格に対しする意識が強く、

遅い時間に来店し、見切り品を購入するお客が増えている。」という。

2~3か月後の先行き判断DIは49.5と悪化が続く。

その状況下、小売りの半期決算が発表された。

イオンの連結決算発表では営業利益が前年同期比23%増の1176億円と2年連続で最高益を更新、

その中でGMSや食品スーパーなどが営業増益となった。

小売り部門の収益拡大はPB「トップバリュー」の貢献が大きく、一部の商品で価格据え置く一方で

高価格帯の商品群「トップバリュープレミアム」を拡充し、メーカー品からPBへのシフトを促して来た。

セブン&アイHDの連結決算は前年比3%増の2411億円と過去最高、

国内コンビニの既存売上は4.7%伸び、1点当りの日商売上高は70万1000円と初めて70万を超えた。

不振だった子会社のそごう・西武の売却を完了したが、

祖業のイトーヨーカ堂と合併した食品スーパー事業を26年までに黒字化する課題が残る。

食品スーパーのライフCOの2023年3~8月期連結決算は、純利益が前年比33%増に85億円だった。

食料品の値上げによる単価アップで売上高は伸びたが、

客数は0.2%の減少、客単価は2.9%増で既存店売上高は2.6%増えた。

値ごろ感のPB商品や高付加価値のPB「ビオラル」の販売が好調で、PB全体の売上高は7.2%伸びた。

全国百貨店の8月既存店売上高は前年比11.8%増の18か月連続でプラスを確保、

コロナ感染拡大前の2019年比では」4.2%減だが、免税売上高は

14年10月の統計開始以来4番目となる高さだった。

「売上好調の要因・独自性」

岡山県を中心に24時間営業の大型食品スーパーを展開するハローズが35年連続の増収を達成、

同社は夜の来店客は多くないが、渋滞が少ない夜間に非生鮮食品の配送・陳列を実施する店舗運営で

24時間営業で利益が上がるフォーマットを構築して成長している。

夜間の働き手も女性には1人だけで働くコンビニよりスーパーの方が働きやすく応募者も多いという。

スーパーの客数は相次ぐ新規出店で伸び悩む中で、

既存店客数がプラスのスーパーはハローズの他、埼玉県地盤のヤオコーやベルクなどがある。

食品の値上がりで客単価が上がり、売上は昨年実績をクリア出来ても

客数を伸ばしながら売上高を伸ばしているスーパーは少ない。

自店の特徴ある商品とオペレーションによって消費者の支持を受けている強みがある。

客数が伸び悩むスーパーの中で、ネットスーパー市場は拡大している。

富士経済によると、ネットスーパーの市場は23年に3128億円と、

5年前と比べて8割以上増える見通しで、各社の積極的なあ投資とエリア拡大で更なる伸びを見込む。

北海道地盤のアークスはネットスーパー「アークス・オンラインショップ」において、

コストコの商品やご当地ラーメンなどを扱いネットスーパーの売上を拡大している。

23年冬にはアマゾン・ドットコムにねっとスーパーを開き、最短2時間の配送で道内売上の拡大を図る。

既存の配送網では店舗から自宅までの配送時間は最短5時間かかっていたが、大きく改善する。

イオンの小売り部門の収益拡大はPB「トップバリュー」の貢献が大きく、

一部の商品で価格据え置く一方で高価格帯の商品群「トップバリュープレミアム」を拡充し、

メーカー品からPBへのシフトを促して来た。

同社は「PBは安価な商品の提供から企業理念を反映した付加価値型にシフトしたことが競争力を挙げた。」とした。

ファミリーマートはPB「ファミマル」を拡充し、今週ファミマル誕生から2周年を迎えるなか、

高価格帯の商品数を2倍に拡大する。

惣菜や弁当などの「ファミマルキッチン」の他、素材や製法にこだわった高価格帯の「ファミマルプレミアム」などで構成し、

合計930品を販売する。

同社はPB2周年を受けて「ファミマルプレミアム」の新商品14品を追加、新商品を含めた商品数を2倍に増やす。

景気減速下の2極化消費!

お得感のある小売りPB商品は節約ニーズを支持を受けて売れ行きは伸びており、

PBの中でもPBプレミアムはプチグルメニーズを受けて通常のPBよりも伸び率は高く、利益性も高い。

今後各社は2極MD計画で商品開発を進め、景気減速の中でも売上の拡大を図る。

<スーパーの惣菜・米飯・寿司>

<ハレの特選握り>

*街角通信は毎週1回、配信しております。

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